世界有数のヘッジファンド「ブリッジウォーター」では社員は常に評価に晒されてる。
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- ビリオネアのレイ・ダリオ氏は経営するヘッジファンド「ブリッジウォーター」に取材カメラが入ることを避けてきた。だが、CBSの『60 Minutes』が同社の日常業務を独占取材した。
- 社員は「知的なネイビーシールズ」と呼ばれる。だが、新入社員の約3分の1は18カ月以内に辞める。
多くの人は同僚やマネージャーを面と向かって批判することを恐れている ── だが世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツ(Bridgewater Associates)では、そうしなければ解雇される可能性がある。
ビリオネアのレイ・ダリオ(Ray Dalio)氏が経営するブリッジウォーターには、社員がお互いのパフォーマンスを日常的に判断する「ラジカル・トランスペアレンシー(radical transparency)」の企業文化があり、すでに良く取り上げられている。だがこの企業文化は気弱な人には向かない ── 同氏によると、新入社員の約30%が18カ月以内に辞める。
ダリオ氏はまた、同社は社員にプレッシャーをかけることから「知的なネイビーシールズ」と評されていると語った。
ダリオ氏は取材カメラを会社に入れることを避けてきたと語ったが、CBSの『60 Minutes』のジャーナリスト、ビル・ウィタカー(Bill Whitaker)氏が同社の日常業務を独占取材した。
ブリッジウォーターの社内を見てみよう。
ビリオネアのレイ・ダリオ氏が経営するブリッジウォーター・アソシエーツは、創業以来の全期間の収益でトップクラスのパフォーマンスを誇るヘッジファンド。
Hollis Johnson
出典 : MarketWatch
社員は日々の市場動向を追うのではなく、政策と歴史を研究する。勝てる投資を予測するためのパターンを見つけるためだ。
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ある社員はグラスドア(Glassdoor)で、毎日10時間働き、ワークライフバランスなどないと述べた。
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会社を経営するうえでのダリオ氏の原則の1つは「ラジカル・トランスペアレンシー(徹底的な透明性)」。 社員は他人の陰口を言ってはならない ── 陰口が3回見つかると解雇されるとダリオ氏は語った。
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「ブリッジウォーターでは批判は歓迎され、奨励されている。だが、陰口を言って良い理由はなにもない」とダリオ氏は2018年11月、ツイッターに記した。
「非生産的なことであり、誠実さの大きな欠如を示している。そして、陰口を言われた人と職場環境の両方を傷付ける」
出典 : CBS
代わりに会議中、絶えず他の社員をジャッジし、評価する。社員は分析のクオリティ、プレゼンテーションの明確さなどについてのフィードバックをリアルタイムで受け取る。
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パフォーマンス評価のために独自のiPadアプリを使用、評価の平均点は「野球カード」のようなものに記載されると、Business Insiderは2016年に伝えた。
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会議も「録画し、精査する」とダリオ氏。新入社員はかつて、ダリオ氏とそのチームが、あるマネージャーが涙を浮かべるまで異議を述べた動画を視聴したと2016年、ニューヨーク・タイムズは伝えた。
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取材したウィタカー氏は、同社に「ビッグブラザーのような雰囲気」があり、「気味が悪い」と述べた。
出典 : CBS、New York Times
ダリオ氏はまた、成績の悪い社員を解雇することを恐れない。同氏はこの原則を単刀直入に「愛する人々を撃つ」とたとえた。
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3人の社員が2017年にニューヨーク・タイムズに語ったところによると、ダリオ氏は課題をやってこなかった社員を全社メールで解雇した。ニューヨーク・タイムズによると、同氏はのちにこのエピソードはジョークで、その社員は解雇されていないと指摘した。
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「結局のところ、人々は2つを備えていなければならない」とダリオ氏。「優れた人格を備えていなければならず、また優れた組織を作るために優れた能力を備えていなければならない。そして、それを実現するために、愛する誰かを手放さなければならない時もある」。
Reuters / Ruben Sprich
出典 : CBS
(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)