元ウォール街の金融業者が設立したマリファナチョコレート会社

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ピーター・バースーム(Peter Barsoom)氏は、過去19年以上にわたりウォール街で仕事をしてきた。

Courtesy of 1906

ピーター・バースーム(Peter Barsoom)氏は、過去19年以上にわたりウォール街で仕事をしてきた。彼の職歴にはメリルリンチ、アメリカンエキスプレス、モルガンスタンレーでの仕事がある。最近には、大麻鑑定士の資格も加わった。

2014年、金融業界に勤めていた彼は、マリファナ入り食品の人気が急増していたデンバーにビジネスチャンスを見出した。企業を立ち上げ、科学者/チョコレート職人/大麻専門家を集めて、上質なマリファナ入りチョコレート食品を作った。

「約2年前、わたしが初めてここに来た時に思ったのは、消費者のニーズと今日の市場、特に食品市場の状況に大きなギャップがあることだった」。バースーム氏はBusiness Insiderにそう語る。10年前には、ラベル表示のないマリファナ入りのブラウニーが薬局の棚を埋めつくしていた。患者たちは、効能が顕著に表れるまでどれだけの量の薬物が含まれるかもわからないまま、それらを口にしていた。今は購入者が何百種類もある商品から選択でき、なおかつ、パッケージで用量(薬剤の一回分の使用量)も確認できるようになっている。

しかし、いまだに市場は高用量の品を不必要に多く陳列し、ヘビーユーザーへの提供を続けている。

「たとえば、これから6時間もの間、ハイな状態になっていられない服用者たちは、効用が安定し、なおかつ安全な商品を求めている。市場の需要は満たされていない」とバースーム氏は言う。

アルコールから大麻まで「毒性がある」または「危険な」物質を含む食品や薬品には、ラベル表示を義務付けるようアメリカ議会が法律制定した年に由来する「1906」は、味/効能/供給の3つの面からマリファナ食品の有用性問題に取り組んでいる。バースーム氏は、どの有機植物素材をチョコレートに加えるべきか究明するため、食品サプリメント分野で長年の実績がある植物学者と化学者のチームを構成した。大麻の味を隠しつつ、なおかつ意図する薬物効果を引き立てる素材を見つけなければならなかったのだ。

「友人たち全員に実験台になってもらった」と食品開発にも協力するバースーム氏は言った。

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Courtesy of 1906

利用者の睡眠導入を目的とした調合では、ダークチョコレートに10mgの大麻と不眠治療用の漢方薬に使われるコリダリスという薬草が混ぜられている。ウェブサイトによると、この一口サイズの食品が「ストレスの多い1日から解放してくれる」という。心身に活気を与えてくれるチョコレートには、10mgの大麻とカフェイン、そして研究によると、カフェインの興奮作用に関わりのある不安感を取り除くとも言われている、緑茶に含まれるアミノ酸のL-テアニン。これらが配合されている。ウェブサイトには、開発準備中のチョコレートもあると書かれている。マリファナが練りこまれた物からは、マリファナたばこまたは水パイプでの吸引とは異なった感覚が得られる。食べる場合、マリファナの精神に作用する成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)は、肝臓での変換を経て吸引した場合よりも2倍強力で、そして2倍の持続性を持つ物質となる。摂食後1〜3時間は効能のピークが現れない可能性がある。作用の進行に時間がかかるため、しばしば過剰摂取してしまうこともある。マリファナの過剰摂取での命に関わる事例は記録にないものの、服用する患者が具合を悪くすることはある。

バースーム氏は、この問題を回避する方法を見つけたようだ。

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Courtesy of 1906

「1906」では、マリファナに含まれるTHCや他の、要となる化学合成物質を抽出し脂肪分子でコーティングする、リピッドカプセレーションという技術を採用している。これによって、薬物の精神作用成分が消化器官を通過し、速やかに血流内へ取り込まれることが可能になる。大麻に対してのこの技術の有効性はほとんど研究されていないが、脂肪分を利用した薬物供給システムは製薬業界では珍しいことではない。 社内で行われた二重盲検法での研究では、成人50人に対して自社食品の調合で効き目が現れるタイミングとその有効性のテストが行われた。15分ほどでその作用を実感し始めるという結果が出た、とバースーム氏は話す。

リピッドカプセレーションの技術は、チョコレートの効能を増幅させる可能性もある。そのため開発チームは、THC5gの低用量のものからも生産をしている。「1906」の製品は、バースーム氏が食品マリファナの有用性に対する人々の考え方を変えたいと願うコロラドの、選ばれた薬局で販売されている。 「誰もが食用製品で嫌な経験をしているが、そうあるべきではない。タイレノールでは誰も嫌な思いなどしていないのだから。もっとうまくできるはずだ」とバースーム氏は語った。

[原文:This financier left Wall Street to start a marijuana chocolate company

(翻訳者:バーミンガム 昌子 )

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