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ついに10連休が始まった。せっかくだから温泉旅行にでも、などといまから予約を考える人はさすがにいないだろう。実際、無駄な労力に終わるからやめたほうがいい。少なくともゴールデンウィークの前半は。
ひと月ほど前の3月31日、朝日新聞デジタルはこう報じている。
「10連休となる今年のゴールデンウィーク中の国内のホテル・旅館のうち、すでに7割近くが予約で満室になっていることがわかった」
国内外の観光客から人気の沖縄も同様だ。4月20日の琉球新報より。
「沖縄路線の航空輸送人数は前年同期を2割程度上回る見込みとなるなど、連休を沖縄で過ごす多くの旅行客で県内各地はごった返しそうだ(中略)10連休初日の27日から5月3日までほぼ満室というホテルも多い」
旅行先にどこを選ぼうが、交通機関は混雑大渋滞、観光地は宿泊施設の中も外も人だらけ。こんな時期に出かけようなんて人の気が知れない、家でゆっくりするのが一番……今回ばかりはそんな選択が正しいのかもしれない。
「豪邸をまるごと貸し切り」がスタンダードになる
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ところで、最近脚光を浴びている「バケーションレンタル」をご存知だろうか。
「プライベートプールや豪華なキッチンが付いた高級別荘、日本の伝統建築が残る古民家や町家を改装した宿、たくさんの広いお部屋がある一棟貸し切りで楽しめるヴィラなど、ホテルでは味わえない個性豊かでプライベート感の高い物件」
をまるごと借りるのが、バケーションレンタル。通称「バケレン」だ。最近は、大人数で泊まれる物件を友人の家族たちと一緒に借りたり、バーベキューサイトの付いた物件で会社のアイデア合宿をしたり、活用の幅が広がってきている。
これこそが日本のバケーションの新たなスタンダード(のひとつ)になる —— 記者はそう見ている。
観光立国ニッポンを目指す我が国は、これからも多くの外国人観光客を受け入れ、典型的な観光地はもちろん、日本人があまり知らない風光明媚な田舎の景観地まで、観光客の姿が絶えない時代がやってくる。「週末遊びに行ってみたい」と誰かが思うようなところには、日本人であれ外国人であれ、ますますたくさんの人が詰めかけるだろう。
摩天楼から夜景を見下ろす高級ホテルや、名勝の瀟洒な温泉宿は、外国人観光客との奪い合いになってなかなか予約が取れない。人気だけに宿泊料金も高い。運良く泊まれたとしても、一歩部屋を出れば、買い物から飲み食いから何かと混雑に巻き込まれ、素敵な宿泊施設の記憶も帰途につくころには薄れてしまう……よくある話だ。
その点、バケレンは宿泊する時間と空間の質の高さに喜びの主眼が置かれているため、予約さえ取れれば、他の観光客を気にすることなく宿泊施設とその周辺環境をすべて独り占めできる。それだけ上質な宿泊施設であるにもかかわらず、家族や気のおけない友人たちと一緒に借りることで、高級ホテル・旅館より安く済むことも少なくない。
また、これからバブル時代に財を成した方々の豪邸や別荘が次々に売りに出され、そのなかにはバケレンに転用できる物件も多いだろうから、供給される戸数もバリエーションもますます増える、というのが記者の予想だ。
日本で最もバケレンを知る男が厳選
そんなバケレンを、バケレンという略称が生まれる前から追い続けてきた男性がいる。
高級ホテル・旅館予約サービスで知られる「一休.com」のバケーションレンタルチームリーダー、森隆(もり・たかし)さんだ。サービス責任者兼営業担当として、北海道から沖縄まで日本全国津々浦々の施設をめぐって物件の掘り出しを続けた結果、同サイトの物件掲載施設は650以上に増えた。間違いなく、いま日本で最もバケレンに詳しい人物と言っていい。
「バケレンというくくりでの宿泊サービスの提供は、オーナー(不動産所有者や施設運営者)の方々にとっても新しい試み。二人三脚で物件の魅力アップや販売を行ってきた甲斐あって、最近ではバケレン施設をつくる構想段階からアドバイスを求められることも増えてきました」
そんな「ミスター・バケレン」森さんに、初夏のさわやかな空気、みずみずしい新緑を存分に味わえる「ゴールデンウィークに泊まるならココでしょ」のオススメ12物件を選んでもらった。
Cairns House(ケアンズ・ハウス)千葉・館山
提供:一休.com
地元食材を活かしたアイランドキッチンでの料理、開放的な庭でのバーベキューなど、ワンランク上のグルメ体験を味わえる。都心から車で90分というアクセスの良さにもかかわらず、本格的なバケーションレンタルで、ヘビーユーザーも多い。家具や調度品の一つひとつが選び抜かれており、敷地も広々。心身ともに贅沢な時間を過ごせること請け合いだ。
Monterey House Point Pinos(モントレーハウス・ポイント・ピノス)千葉・館山
提供:一休.com
「ザ・バケレン」的な非日常を味わえる高級別荘。デザインは外観から内装まで海外スタイルとなっており、海外在住が長かった方からは「懐かしさを感じる」という声も。大きな窓から一面に広がるオーシャンビューを眺めることができるのが最大の特徴。
同敷地内に2棟目となる「Monterey House The earl(モントレーハウス・ジ・アール)」も4月にオープン。こちらは海沿いに立地し、ベッドに寝ころんだときに目線の高さから水平線が望めるようになっているため、最高の朝を迎えられる。併設されたガゼボ(洋風の東屋)は、オフサイトミーティングや出張シェフを派遣してのプライベート会食に利用できる。
THE HOUSE Chigasaki masterpiece(ザ・ハウス・チガサキ・マスターピース)神奈川・茅ヶ崎
提供:一休.com
葉山を中心とした人気施設「THE HOUSE(ザ・ハウス)」の新棟が茅ヶ崎にオープン。リビングとウッドデッキからは茅ヶ崎の海を一望することができる。JR茅ヶ崎駅から徒歩やバスでのアクセスも便利。
Villa Mon Temps Awaji(ヴィラ・モンタン・アワジ)兵庫・淡路島
提供:一休.com
専用のプール、ジャグジー、サウナが付いた淡路島の豪邸。何もかもが贅沢なつくり。開放的なリビングの大きな窓から臨める絶景は、何日でも滞在したくなってしまう。驚くほど広いリビングは、出張シェフを派遣してのウェディング、ラグジュアリーなホームパーティーに最適。日中は結婚式の二次会パーティー、新郎新婦とゲストはそのままお泊り、という利用もアリ。
yl&Co.Hotel in Mt.Fuji(イルアンドコー・ホテル・マウントフジ)山梨・河口湖
提供:一休.com
富士山のふもとに立地する宿泊施設兼ハウススタジオ。新緑に囲まれた3141平方メートルのすべてがプライベート空間に。標高は約1000メートル、都会の喧騒から離れて澄み切った空気を味わい、リフレッシュできる。気温も上がってくるゴールデンウィークは、広い庭でキャンプファイヤーなどのアクティビティもオススメ。「ノルディスク」のテントが備え付けられているため、庭でグランピング(グラマラス×キャンピング)体験も。
MAOIQ(マオイク)北海道・空知
提供:一休.com
広大な自然に囲まれた静謐(せいひつ)な空間でプライベートステイ。すぐそばに牧場があり、のどかな世界と一体となった滞在を楽しめる。朝、一杯のコーヒーを片手に何もしない贅沢な時間を過ごすのがオススメ。
感性が磨かれる空間で執筆に集中したり、敷地内の専用アトリエで作品づくりに没頭したりできるのは、ここならではの過ごし方。「一休.com バケーションレンタル」掲載物件の中でも旅慣れたヘビーユーザーからの支持が厚く、リピーターが多い。
MAOIQ komfort(マオイク・コンフォート)北海道・空知
提供:一休.com
MAOIQ(マオイク)のすぐそばに完成した新棟。北欧家具などに深いこだわり。
コテージ シーサイド手結-Seaside Tei-高知・香南
提供:一休.com
2018年5月にオープン。高台に位置し、太平洋を眺めることができる。付近には海鮮などの地元食材を楽しめる道の駅など、レジャースポットが点在。近くにあるサイクリングターミナルで自転車を借り、海沿いをサイクリングしたり、観光地をめぐったりするのもオススメ。近くにゴルフ場もあり、大人の休日を楽しむことができる。
フェリスヴィラスイート伊良部島・佐和田~離れ~ 沖縄・伊良部島
提供:一休.com
「一休.com バケーションレンタル」で人気の「フェリスヴィラスイート」シリーズのなかでも、隣接する棟のない「離れ」として人気の宿。「日本の渚100選」に選ばれた佐和田の浜が目の前にあり、綺麗な海を見ながら贅沢なプライベートステイを楽しめる。島内の市場で宮古牛を買い、ラグジュアリーなプライベート・バーベキューを満喫するのがオススメ。2019年3月に開業したばかりの下地島空港が至近。東京から直行便でのアクセスが可能に。
Aquaholic Iritahama(アクアホーリック・イリタハマ)静岡・伊豆下田
提供:一休.com
2019年4月にオープン。東京から車で2時間、海外のようなバケレンを楽しむことができる。入田浜のエメラルドグリーンの海と白い砂浜を独り占め。ラグジュアリーなのにどこか懐かしさを感じるつくりのヴィラで、我が家のような居心地の良さ。首都圏からこの距離で、ここまでの非日常感を味わえるバケーションレンタルはなかなかない。
伊豆下田の周辺施設でも、砂浜直結はアクアホーリックだけ。「アクアホーリック(水中毒)」の名の通り、海、ジャグジー、さらにテラスには備え付けの五右衛門風呂。滞在中は入田浜の水を楽しみ尽くせる。「一休.com バケーションレンタル」のクチコミでは「本当は人に教えたくないスポット」と評されている。
Villa El Cielo(ヴィラ・エルシエロ)長野・白馬
提供:一休.com
ゲレンデシーズンに人気の白馬だが、実はグリーンシーズンも素晴らしい。トレッキングやハイキングなどを楽しんで、食事はこの別荘に帰ってのんびりと。
COTON(コトン)香川・観音寺
提供:一休.com
2019年も瀬戸内国際芸術祭が始まり、瀬戸内エリアはいまイチオシスポット。なかでもこのCOTON(コトン)は、瀬戸内海を一望できるラグジュアリーなバケレン。広々としたウッドデッキでバーベキューを楽しみ、「日本のウユニ塩湖」と評される父母ヶ浜や紫雲出山(いずれも三豊市)など話題の観光スポットツアーの拠点としてもオススメ。
(文・森隆、川村力)