自動化を進める企業に朗報? 「キョロキョロと動く目玉」は、人間のお金の使い方を大きく変える

目玉のクラッチバッグ

「目」は消費を促す?

JB Lacroix/ Getty Images

  • 2012年のある論文によると、キョロキョロ動く「目」があるだけで人はもっとお金を出そうという気になるという。
  • この研究は、スーパーに小さな「目玉」の付いた募金箱を設置したところ、「目玉」のない募金箱に比べ、48%も多くお金が集まったというもの。
  • 一般的に、目のイメージは人により良い行動を促す —— これは、人間がこれまで担ってきた仕事を自動化する企業にとって、役立つ情報と言えそうだ。

「目」は、わたしたちにもっとお金を出そうという気にさせるようだ。

Ethology: International Journal of Behavioral Biology』に掲載された2012年の論文によると、スーパーに小さなキョロキョロと動く「目玉」の付いた募金箱を設置したところ、「目玉」のない募金箱に比べ、48%も多くお金が集まったという。

この論文は5月初め、ツイッターで改めて話題になったもの。研究者たちは、募金箱に小さな「目玉」を加えただけだが、11週間にわたって募金箱を置いておいたところ、「目玉」のある募金箱には「目玉」のない募金箱よりも183.86ポンド(約2万7000円)多くお金が入っていた。実験は、イギリス北東部にある混み合ったスーパーマーケットで実施された。

研究者のケイト・L・パウエル(Kate L. Powell)氏、ギルバート・ロバーツ(Gilbert Roberts)氏、ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)氏は、「進化の過程で社会的な結果を伴ったことから、わたしたちが敏感になった"目のイメージ"というきっかけは、現代の環境においても、例えそれが人工的なもので、見られているという感覚が錯覚だとしても、十分なものだ」と結論付けた。

この論文は、目のようなイメージがあることで、人はより社会性のある行動を取りがちだという複数の研究をもとにしている。

2005年のある研究では、目のようなものがあることで、人は経済ゲームでお金に対してより寛大になることが分かった。また、2006年のある研究では、コーヒー代を自己申告で料金箱に入れるシステムで実験したところ、目の描かれたポスターが貼られている方が、花のポスターが貼られているよりも、多くのお金が集まった。この研究では、目の描かれたポスターが近くに貼られていると、自分のごみを片付ける人が増えることも分かった。

企業がこれまで人間の担ってきたタスクを自動化する中で、「目」のイメージが与える影響に関する研究は、ビジネスの世界でますます重要になっている。

マーティ

ジャイアント・フード・ストアの「マーティ」。

Giant Food Stores

例えば、食料品チェーンの「ジャイアント・フード・ストア(Giant Food Store)」では、「マーティ(Marty)」という名前の6.3フィート(約1.9メートル)のロボットを導入する際、キョロキョロと動く目を付けた

同社の社長、ニック・バートラム(Nick Bertram)氏は2019年1月、「ただの6.3フィートのロボットではなく、わたしたちはもう少し人間っぽく作りました。キョロキョロと動く目が見えるでしょう」「そして、彼らは店内を回るんです」と語った。

この「目」が、客にロボットを魅力的に見せるのに役立っているのだ。そして、同社がそれを意図したかどうかは分からないが、ロボットが店内を回っていることで、買い物客により良い振る舞いを促している。巨大な目玉に感謝だ。

[原文:A pair of googly eyes could radically change how people spend their money]

(翻訳、編集:山口佳美)

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