シーメンス・eハイウェイの初めてのテスト。2018年12月。
YouTube/Hessen Mobil - Road and Traffic Management
- ドイツで、6マイル(約10キロメートル)の「eハイウェイ」区間が開通した。
- eハイウェイは、屋根の上にパンタグラフを備えた電気トラックの専用レーン。ドイツ政府は建設に1400万ユーロ(約17億円)を投入、2022年までテストが行われる。
- 電気トラックは架線に流れる670ボルトの電気で走行可能。
- ドイツ政府はまた、電気トラックの開発に7000万ユーロ(約86億円)を投入した。
ドイツは、パンタグラフ付きのハイブリッド・トラックが走行中、バッテリーに充電できる「eハイウェイ(eHighway)」区間を初めて開通させた。
5月7日(現地時間)、フランクフルト近くのアウトバーンに6マイル(約10キロメートル)のeハイウェイが開通。道路上に設置された架線には670ボルトの直流電流が流れ、ハイブリッド・トラックは電気を使って走行したり、走行しながらバッテリーへの充電ができる。
エリーザ(Elisa:electrified innovative heavy traffic on the Autobahn)と名付けられたこの実験は、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全省が支援、電機大手のシーメンス、実験が行われるエッセン州が参加している。
パンタグラフを備えたトラック。
hessenschau
トラックはキャビン上部にパンタグラフを備え、架線から給電しながら、時速56マイル(時速約90キロメートル)で走行できる。
給電区間ではトラックは電力のみで走行可能。ハイウェイの通常区間では、ハイブリッド・エンジンに切り替える。
eハイウェイはシーメンスが手がけた。
Siemens
シーメンスによると、6万2100マイル(約10万キロメートル)走行した場合、40トントラックで2万2000ドル(約240万円)の燃料コストを節約可能。
また同社は、架線と接続中にはドライバーが左右にハンドルを切っても、架線から離れることはないと述べた。
アウトバーンの6マイル(約10キロメートル)を使った実験は2022年まで続けられ、その後、プロジェクトを拡大するか否かが決定される。現在までにドイツ政府はeハイウェイの建設に1400万ユーロ(約17億円)を投入した。
またドイツ政府は大型トラックメーカーのスカニア(Scania)、フォルクスワーゲンとの専用ハイブリッド・トラックの開発に7000万ユーロ(約86億円)を投入した。
シーメンスが制作した動画では、専用ハイブリッド・トラックとeハイウェイを使って、港と都市を結ぶ構想が解説されている。
ドイツの国際放送ドイチェ・ヴェレによると、ドイツ運輸省は最近、同国のトラックの80%は間もなく電動化される可能性があるという研究を発表した。
ドイツ政府は、温室効果ガスの削減目標を1990年と比較して、2020年までに40%、2030年までに55%、2050年までに95%とするとしている。
シーメンスは2017年11月にもカリフォルニア州カーソンでeハイウェイのデモンストレーションを行った。
[原文:Germany opens first electric highway that lets trucks draw power from overhead cables]
(翻訳、編集:増田隆幸)