テスラ「Model3」国内試乗会を開催、東京・東雲の新サービス拠点も見てきた

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国内4つ目のサービス拠点になる「テスラサービスセンター 東京ベイ」。5月10日から営業開始している。

テスラジャパンは5月9日、プレス向けに5月から右ハンドル仕様のオーダーが始まったばかりの普及価格モデル「テスラ Model 3」の試乗イベントを開催。あわせて、東京のベイエリア、江東区・東雲にオープンした新たな「テスラサービスセンター 東京ベイ」(以下、SC東京ベイ)を公開した。SC東京ベイは、横浜、名古屋、大阪に続く、国内4つめのサービス拠点で、5月10日から正式オープンしている。

Model 3の右ハンドル価格発表は近々、「日本価格は目下調整中」

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テスラModel 3。バンパーに国内のナンバーがついていることからもわかるように、公道走行ができるもの。ただし、当日あったのは左ハンドル仕様のみだった。

5月の10連休中、テスラに注目する人にとって大きなニュースだったのは、5月1日からイギリスで右ハンドル仕様のオーダーが開始されたことだった。これに続き、日本向けのオーダーも近々始まる。

10連休後半の5月5日には「テスラ ラゾーナ川崎プラザ」などにModel 3が展示(ただし左ハンドル仕様)されるなど、日本仕様のオーダー開始が近いことを感じさせる演出が始まっている。テスラの担当者によると日本向け価格は「目下調整中」とのことだが、早い人は今年中に納車が始まる見込みだ。

Model 3の体験試乗は、こうした「日本でのオーダー開始目前」というタイミングを狙って実施されたわけだ。

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テスラ Model 3の白と赤。陽の下で見ると、赤は深みとメタリック感のある独特のカラー。白もパールが美しく、ボディーの複雑な曲線がよくわかる。

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背後から。ルーフ全体がガラスルーフになっていることがわかる。

Model 3はテスラとして4機種目の車両で、普及価格帯を狙った戦略車だ。これまででもっとも安価なモデルを用意していることが特徴。テスラの資料によると、5月時点のアメリカ仕様のラインナップは3種類ある。

  • 「スタンダードレンジプラス」3万9500ドル=約434万円、航続距離384km、0-60マイル加速5.3秒、後輪駆動
  • 「ロングレンジ」4万9500ドル=約544万円、航続距離498km、0-60マイル加速4.4秒、4輪駆動
  • 「パフォーマンス」5万9500ドル=約654万円、航続距離498km、0-60マイル加速3.2秒、4輪駆動

テスラのEVの直線加速は、とにかく速い。これはModel 3でも同じで、パフォーマンスモデルの0-60マイル加速3.2秒(日本でいう0-100km加速に相当)という数値は、実に最新型のポルシェ911 カレラS(0-60マイル加速3.5秒、価格1660万円)より速いほどだ。

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テスラModel 3の日本版公式サイト。5月11日時点ではオーダーはまだ始まっていない。

戦略的な価格もあって注目度が高く、Model 3は大量のバックオーダーを抱えていると言われる。担当者に聞いたところでは、右ハンドル仕様にはオーダー時期が左ハンドルに比べて遅くなっていることへの一定の配慮はあるようだ(左ハンドル仕様と別のリストに並ぶ形になるのかは不明)。

また、これまでのテスラはオーダー生産が主体だったが、Model 3は製造済みの仕様から選んでもらうパターンを主体にすることで、納車をなるべく早めようともしている。


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コストダウンのためもあって、非常にシンプルなインパネ。ディスプレイはセンターの横置き15インチタッチパネルのみ。このディスプレイがスピードメーターも兼用する。写真はタッチ操作で自在にエアコンの風向きを変えているところ。

今回の試乗イベントは、テスラスタッフがハンドルを握り、助手席や後部座席に同乗するもの。ハンドリングや加速、オートパイロットなどを試せなかったのは残念だが、EVならではのエンジン音のない静かな乗り心地と、Model 3の15インチタッチスクリーンの操作などを体験することができた。

発表当時は外観デザインのためか「少し小さいテスラ」だというイメージがあったが、アメリカでの発売後にさまざまな人が指摘しているように、実物のModel 3も決して「小さい」クルマではない。

フロントを正面から見ると横幅はずいぶん立派で、US仕様のスペックでは全幅1849mmある(日本仕様では変わる可能性がある)。セダンのModel Sの1950mm(日本仕様)や、SUVのModel Xの2070mm(同)ほどではないものの、たとえばマツダのSUVのCX-5(1840mm)と同じくらい、と考えると、だいたいのサイズ感がわかる。

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こちらはSUVタイプのModel Xのインパネ。ディスプレイが縦型で、ハンドルの前にはメーター用のディスプレイもある。Model 3がいかにシンプルな設計かわかる。

乗り込むと、前席は当然として、後席も十分に広い。身長166cmの自分が座って、膝の前に拳1つと少しの空間があく状態。

Model 3は全機種がエアサスペンションではなく一般的なスプリングのサスペンションだが、一般道での後席の乗り心地も申し分なかった。ヨーロッパ車のような少し固めの足回りが好きな人なら、何も違和感はないはずだ。

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普通に座って、膝前に拳1つと少しの余裕がある。床面が普通の自動車より高く感じるのはModel Sなどと同じ。床はフルフラットなので室内で左右に移動するのは抜群にしやすい。

最後に、デモで「ドッグモード」も見せてもらった。これは、ペットを一時的に室内に置いておくときに使うもの。エアコンを動作したままにしておけるほか、画面表示で動作を知らせる。ここもしっかり日本語化されているんだと妙に感心してしまった。

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ドッグモード。画面に室温と、ドッグモードが動作中であることを表示する。

テスラSC東京ベイで見た、特別仕様「働くModel S」

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最後に、テスラSC東京ベイについて。同店は江東区東雲にある「A PIT オートバックス東雲」(旧スーパーオートバックス東京ベイ東雲)の敷地内に、施設の一部を間借りする形で入居している。受付前に光っている「TESLA」ロゴが目印だ。

オートバックスのA PITは、これまでの郊外型店舗とは全く違うコンセプトでつくられた店舗だそうで、TSUTAYA BOOKSTOREやスターバックス、子供が遊べる有料施設の などがある。家族連れで訪れても退屈しないような、居心地の良さを考えているようだ。

テスラ関係者によると、急速充電設備の「スーパーチャージャー」の開設も予定しており、完成した際には、首都圏数カ所の拠点と同じように、テスラユーザーが急速充電を行えるようになる。具体的な時期について明言はなかったものの、スタッフの口ぶりを聞くと、年内にも設置されそうな雰囲気だ。

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ピットの設備。2台のリフトのほか、写真にうつっていない右手に平置きで1台分の作業スペースがある。充電器は家庭用のもので、急速充電には対応しないメンテナンス用。

テスラSC東京ベイの公開に合わせて、通常はあまり見られない車両も展示された。テスラの出張修理用に改造されたモバイルサービス仕様のModel Sがそれだ。

運転席・助手席はほぼそのままだが、後部座席を構造変更して、工具類の運搬スペースに改造してある。定員は2名乗車に変更してある。

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大きなテスラロゴ、助手席ドアには「MOBILE SERVICE」とあるが、街中を走っていても外観は試乗車と間違うくらい普通だ。

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後部座席のドアを開いてみたところ。座席を取り外し、フラットな空間を活かして修理道具などの格納スペースになっている。前席との間には立派な隔壁もつくられていて、まさに「働くEV」という雰囲気。

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工具類はリアゲートから取り出せる。レール式の大型トレーがスライドする仕組みだ。

EVだから通常はエンジンがある位置は空っぽ。テスラオーナーが「フロンク」(フロント+トランクの造語)と呼ぶスペースにも工具を収納している。

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フロンクを開いたところ。銀色の大型のものは、車を持ち上げるジャッキ(通称:ウマ)だ。

出張修理はかなり活用されているようで、ほぼ毎日、首都圏の各所に出張して調整や修理をしているという。

テスラはエンジンを持たないEVのため、構造がエンジン車に比べてシンプルで、上部からアクセスできる部分が多い。スタッフに聞いたところ、バッテリーの載せ替えやモーターの修理などの大型修理はさすがに難しいということだったが、多くの修理がこの出張修理で完了できてしまうという。自宅や職場などに(車を)置いておけば直してくれる、というのはなかなかない体験だ。

(文、写真・伊藤有)

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