Dan/Flickr
- 世界最大の映画館運営会社、AMCエンターテインメントは映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のおかげで、2日間で2800万ドル(約31億円)相当のソフトドリンクやポップコーン、その他のフードアイテムを売り上げた。
- 同社は『アベンジャーズ』を4日間で6万3000回上映し、同社の最上位の会員サービスへの申し込みも増えた。
- 『アベンジャーズ』の利益を最大化するため、同社はロンドンのある映画館でダイナミック・プライシング(変動価格制度)を導入し、座席によって15~51.63ドル(約1600~5700円)の間で料金設定をした。
- 第1四半期は業績が振るわなかったAMCだが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』と複数のディズニー映画が2019年の利益を押し上げるだろうと見ている。
- AMCエンターテインメントの最新の株価情報はこちら。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のファンが映画館に求めていたのは、壮大な戦闘シーンだけではなかった。AMCエンターテインメントは、映画の公開初日に1300万ドル相当という記録的な量のソフトドリンク、ポップコーン、その他のフードアイテムを売り、その翌日には1500万ドル相当とさらに記録を更新した。同社が第1四半期の決算発表で明らかにした。
「今年はスローなスタートだった」と、AMCエンターテインメントのCEO、アダム・アーロン(Adam Aron)氏は決算発表で述べた。「だが、記録破りのアベンジャーズ/エンドゲームの公開で全てが変わった」と同氏は言う。
AMCはアメリカで、上映時間が3時間を超えるこのマーベル映画を4日間で6万3000回上映。同作品は、AMCの最上位の会員サービスへの申し込みの増加にも貢献している。今年初めに約18万人だった同サービスの会員数は、78万7000人以上に増えた。同会員の75%近くが『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観ている。
同社は『アベンジャーズ』の利益を最大化するため、価格が変動するダイナミック・プライシングと複数の料金を設定するティアード・プライシングを使用した。決算発表でアーロンCEOは、イギリスのロンドンにある映画館「オデオン・レスター・スクエア(Odeon Leicester Square)を例に挙げ、「劇場のどこに座るかによって、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開週末の料金を15~51.63ドル(約1600~5700円)の間」で設定し、チケットの半数以上の料金が40ドル(約4400円)近かったと述べた。
AMCエンターテインメントの決算報告によると、第1四半期の観客動員数は12%減の8000万人弱で、その少なくとも1つの要因として、大ヒット映画がなかったことが挙げられる。同社の為替変動の影響を除いた売り上げは11%減の12億ドル、調整後EBITDAは57%減の1億800万ドルだった。
しかし、アーロンCEOは『アベンジャーズ/エンドゲーム』や、これから公開される『アラジン』『ライオン・キング』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』といったディズニー映画が同社の第1四半期の業績不振を補って、「記録的な年」を刺激し、通年の調整後利益を押し上げるだろうと見ている。
アーロンCEOは、「AMCオデオンが世界中のどの映画館よりもディズニー映画で興行収入を上げていることを、我々は心に留めておくべきだ」とし、「ディズニーが勝てば、AMCも勝つ」と語った。
[原文:'Avengers: Endgame' fans spent almost $30 million on AMC's cinema snacks in 2 days (AMC)]
(翻訳、編集:山口佳美)