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- ウーバー(Uber)のCEO、ダラ・コスロシャヒ(Dara Khosrowshahi)氏は5月13日(現地時間)、従業員にメールを送り、同社の厳しい株式市場デビューについて語った。
- コスロシャヒ氏は、市場はこれまでのところ、上場したばかりのウーバーに厳しいが、IPO直後の株価が必ずしも長期的な問題につながるわけではないことを従業員は心に留めておくべきだと述べた。
- メールの中で同氏は、アマゾン(Amazon)や2012年の上場直後に株価が暴落したフェイスブック(Facebook)を例に挙げた。
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ウーバーのCEO、ダラ・コスロシャヒ氏は5月13日、従業員宛てのメールで同社の厳しいIPO(新規株式公開)について語った。
コスロシャヒ氏は、ウーバーの上場は会社が望むような初日の結果を生まなかったが、複数のテック大手も上場直後には苦しみ、その後、大きく値上がりしたことを心に留めておくべきだと、従業員に語った。
「フェイスブックやアマゾンのIPO直後の株価が、これらの企業にとってかなり厳しいものだったことは覚えているだろう」
ニューヨーク・タイムズのマイク・アイザック(Mike Isaac)記者がツイッターに投稿した、コスロシャヒ氏の従業員宛てのメールにはこう書かれている。
「そこから彼らがどう成長したかを考えよう」
このメールについてウーバーに尋ねたところ、同社の広報担当はアイザック記者のツイートを示した。
ウーバーの株価は13日、12.4%下落し、36.43ドルで取り引きを終えた。10日には、8%近く値下がりしていた。配車サービス会社として2番目にアメリカで上場した同社は9日、そのIPO価格を45ドルに設定し、10日の初値は42ドルだった。
フロリダ大学の教授で、長年にわたってIPO市場を研究しているジェイ・リッター(Jay Ritter)氏の分析によると、ウーバーの初日の取り引きはアメリカのIPO史上、1日あたりの損失としては最大だった。
1997年5月に上場したアマゾンと、2012年5月に上場したフェイスブックを振り返ってみよう。
2.44ドルで始まったアマゾン株の初日の取り引きは、1.96ドルで終えた。株価はその年の7月1日までほぼ横ばいで、始値を取り戻すのに2カ月近くかかった(アマゾンはナスダックに1株あたり16ドルでデビューしていた)。
フェイスブックのデビューはさらに悲惨だった。ディールロジック(Dealogic)によると、フェイスブックは2012年、上場後、最初の1カ月の値下がり幅としてはアメリカの大型IPO史上最大を記録した。株価は21%下落し、始値を取り戻すのに約16カ月かかった。
IPO直後の株価に比べると、今の株価はフェイスブックで377%増、アマゾンで9万3542%増だ。
コスロシャヒ氏の従業員に対する"お願い"は、投資家に対する、初期の株価の動きを企業の長期的なストーリーを示すものだと考えないようにというアナリストや資産運用会社のアドバイスと変わらない。
コスロシャヒ氏は「我々の未来には高い利益と価値を生み出す多くのバージョンがあり、もちろんそれほどではない未来もある」とし、「市場のセンチメントがネガティブなときには、悲観的な声が大きくなり、楽観的な声が引いていくものだ」と書いている。
そして「我々の株が上場後、望むように取り引きされなかったことは明らかだ」と付け加えた。
(翻訳、編集:山口佳美)