ベネズエラのマクドナルド。ハッピーミールの価格は、1カ月の最低賃金よりも高かった。
Jesus Yepez
- ハイパーインフレが続くベネズエラでは、3月の時点でマクドナルドのハッピーミールの価格が1カ月の最低賃金よりも高かった。
- INSIDERはベネズエラの首都カラカスで暮らしているJesus Yepezさんから、マクドナルドのメニューを撮影した写真を入手した。メニューにはハッピーミールの価格が「1万8500ボリビア・ソべラノ」と書かれている。
- Yepezさんは、マクドナルドにはほとんど客がいなかったと話している。ベネズエラでは、外食は贅沢になっているという。
- 「この危機がいかに深刻か、目の当たりにすると、わたしたちにできることは『ハッピーでいること』だけだ」と、Yepezさんは言う。
ハイパーインフレが深刻なベネズエラでは、2019年3月の時点でマクドナルドのハッピーミールの価格が1カ月の最低賃金よりも高くなっている。
INSIDERは首都カラカスで暮らしているJesus Yepezさんから、ハッピーミールの価格が「1万8500ボリビア・ソベラノ」と書かれたマクドナルドのメニューを撮影した写真を入手した。
これは当時の1カ月の最低賃金よりも高い。ベネズエラの最低賃金はその後、4万ボリビア・ソベラノまで上がった —— これはハッピーミールまたはスペイン語で「Cajita Feliz」 の価格の2倍強だ。
建築家のYepezさんは娘にアイスクリームを買うためにマクドナルドに立ち寄った際、この価格表示を目にし、写真を撮ろうと決めた。このとき、マクドナルドにはほとんど客がいなかったと話している。ベネズエラでは、外食は贅沢になっているという。
「この危機がいかに深刻か、目の当たりにすると、わたしたちにできることは『ハッピーでいること』だけだ」と、Yepezさんはマクドナルドのブランディングに引っ掛けて語った。
ベネズエラの人々はなんとか自分たちの生活を続けようとしているが、深刻なハイパーインフレで食料や医薬品が不足し、停電や暴動が続いている。これまでに300万人が国を去った。
ベネズエラの通貨「ボリバル」は、2013年以降、99%以上その価値を失った。ガーディアンは、ベネズエラの人々が物々交換をしたり、他の通貨を使うようになった(手に入れば)と報じている。
Yepezさんは他にも、ベネズエラ人がほとんど価値のなくなったお金 —— 中にはボードゲーム「モノポリー」のお金まで —— を街中の「お金の木」に刺している写真などを提供してくれた。
「多くの人が、これこそわたしたちの通貨の成れの果てだとコメントしている。モノポリーのお金だ」と、Yepezさんは言う。「これは、わたしたちが経験している常軌を逸したインフレへの巧みな抗議なのだ」と。
(翻訳、編集:山口佳美)