ドコモ2019夏モデルで狙うべき3機種「おかえしプログラム」対応 —— P30 Pro、Xperia1、Galaxy S10+

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NTTドコモから令和元年夏の新型スマートフォンが発表された。

ソニーモバイル「Xperia 1」、シャープ「AQUOS R3」、サムスン「Galaxy S10/S10+」など、ハイエンドモデルにはすでに発表済みのソフトバンク、auの新製品と重なるものも多い。

そんな中で特に注目度が高いのは、前モデルに続いて今回もドコモ独占の取り扱いとなった、ファーウェイの「HUAWEI P30 Pro」だ。

“最強級”カメラスマホが安い、ドコモ版P30 Proが話題

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ドコモ版のファーウェイ「P30 Pro」。スマホおかえしプログラム適用時で5万9616円(税込)。国内キャリアで取り扱うのはドコモだけだ。

アメリカでの米中貿易摩擦の余波を受けて、一時は「大手キャリアでの取り扱いがなくなるのでは?」との懸念も広がった。それでもドコモが独占販売を手放さなかったのは、HUAWEI P30 Proにそれだけの魅力があるからとの見方もできる。

発表会の質疑でも、アメリカ政府がファーウェイに対する事実上の部品輸出規制を発表したことを受けて、「リスクはないのか」との質問が寄せられた。ドコモ社長の吉澤和弘氏は「状況を見ながら適切に対処したい」と答えるにとどめている。

端末の安定調達に関する将来の雲行きは何とも言えないが、気になるのはやはり、P30 Proの性能だ。HUAWEI P30 Proのカメラ性能は、今回発表されたハイエンドモデルの中でも抜きん出ている。

ライカと共同開発による2000万画素の超広角、4000万画素の広角、800万画素の光学5倍ズームのトリプルレンズに、背景ボケ写真用の深度センサーも搭載。35mm換算で16mm相当の超広角から135mm相当の光学5倍、さらにマクロからデジタル50倍まで、これまでのスマホでは撮れなかった幅広い画角をカバーする。

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P30 Pro(写真はグローバル版)

撮影:小林優多郎

特にペリスコープ(潜望鏡)構造の採用によって実現した望遠撮影は、スマホでここまでズームできるのかと驚かされるレベルだ。さらに、最大ISO409600の高感度撮影も可能で、肉眼ではほとんど何も見えないような真っ暗な環境でも、まるで日中のように明るく撮影できる。

ちょっとやり過ぎではと思えるほど、カメラではライバル達の一歩先を行っているのは確かだ。

それでいて価格は、ドコモが新たに提供を開始する「スマホおかえしプログラム」適用時に5万9616円(税込)。グローバル版とは内蔵ストレージなどの構成が異なるとはいえ、発表時の価格が999ユーロ~(約12万2000円~)だったことを思えば、半額以下。端末の性能を考えても、かなりお買い得だ。

スマホおかえしプログラムとは:

スマートフォンを36回の割賦払いで購入する際、24カ月時点で機種変更し、該当のスマートフォンを返却した場合は、残り最大12カ月分の割賦代金を免除する新たなプログラム。「P30 Pro」の場合、元々の価格である8万9424円(この金額も、グローバル版から考えるとかなり安く設定されているが……)から、端末返却と引き換えに2万9808円分が割り引きされる計算だ。

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HUAWEI P30 Pro(左)は最大50倍までのデジタルズームに対応。手ぶれ補正も備えていて、遠くの被写体も捉えられる。

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「スマホおかえしプログラム」の適用によって、ハイエンドモデルも買いやすいとアピールするドコモの吉澤和弘社長。

ただしHUAWEI P30 Proは、ドコモの次期高速通信サービスに非対応となっている点に注意が必要だ。

ドコモでは来たる5G時代を見据え、今春から下り最大速度が1Gbps超の高速通信サービスを開始した。冬には東名阪で最大1.57Gbpsまで高速化する計画だが、HUAWEI P30 Proは対応していない。実際の体感速度に大きな違いはないかもしれないが、気になるポイントだ。

「スマホおかえしプログラム」対象の注目ハイエンド端末

「HUAWEI P30 Pro」以外にも、同様に「スマホおかえしプログラム」の適用対象モデルとなっている、「Xperia 1」(適用時6万8688円)や「AQUOS R3」(適用時5万9616円)、「Galaxy S10」(適用時5万9616円)や「Galaxy S10+」(適用時6万7392円)も、他キャリアやグローバルモデルと比較して、いずれも割安感のある価格設定になっている。

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ソニー製の最新フラッグシップモデル「Xperia 1」。同シリーズの勝負カラーとも言えるパープルを採用。ブラックと2色から選べる。

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「Xperia 1」のディスプレイは映画館と同じアスペクト比。広いディスプレイを活用したマルチタスクも可能だ。

たとえば「Xperia 1」は、6.5インチかつ21:9の超ワイドな4KHDRディスプレイを搭載し、1220万画素の広角、標準、光学2倍ズームの「瞳AF」対応カメラを搭載。

また「Galaxy S10/S10+」は、絞りを切り替えられる1200万画素の広角、1600万画素の超広角、1200万画素の光学2倍ズームカメラに、ディスプレイ内指紋認証などの最新機能も備えている。

いずれも高い基本性能に、幅広い画角をカバーするトリプルレンズカメラ、最新の高速通信サービスにも対応と三拍子が揃った、非常にバランスのとれた製品。中でも、フロントカメラにもWレンズを搭載し、4000mAhの大容量バッテリーを搭載しつつ、重さを感じさせない「Galaxy S10+」には、発売は少し先になるものの、ドコモ限定の東京オリンピックモデル「Galaxy S10+ Olympic Games Edition」(適用時7万6464円)もリリース予定となっており、注目度は高い。

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東京2020の公式スポンサーであるドコモ&サムスンだから実現した製品。1万台の限定販売でBluetoothヘッドフォン「Galaxy Buds」も同梱される。

さらに動画撮影機能に着目すれば、録画中の静止画自動撮影や、自動編集機能を備える「AQUOS R3」も捨てがたいが、静止画の撮影性能では一歩及ばない。

やはり、ドコモの2019夏モデルで選ぶべき筆頭は、抜きん出たカメラ性能を試したいなら、ドコモでしか買えない「HUAWEI P30 Pro」、高速通信サービス対応でかつ、幅広い画角をカバーするなど、カメラの満足度も高いハイエンドモデルなら「Xperia 1」か「Galaxy S10+」という選択になりそうだ。

コスパで勝負するミドルレンジ機がアツい

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グーグルスマホ「Pixel 3a」。ドコモ版は、大画面の「XL」は用意されない。直販価格は4万6656円。背景をぼかすポートレートモードや、暗所で明るく撮れる夜景モードなど、上位機「Pixel 3」と同等のカメラ機能を備える。

一方、「スマホおかえしプログラム」の適用対象とはならないものの、今回のドコモ夏モデルのラインナップにはミドルレンジにも、魅力的なスマートフォンが揃っている。

中でもお買い得度で人気を集めそうなのが、グーグルが発売するミドルレンジモデル「Pixel 3a」だ。

ソフトバンクに加えてドコモでも発売されることになったが、カメラ性能は上位モデルである「Pixel 3」と同等。それでいて価格は半分以下となる4万6656円と、ミドルレンジでもカメラには一切妥協したくないというニーズに応える端末となっている。

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手頃な「Xperia」として人気を集めそうな「Xperia Ace」。5インチのコンパクトサイズでカメラ性能も十分。使い勝手の良い一台と言える。

また「Xperia」ブランドのミドルレンジモデルとなる5インチの「Xperia Ace」も、ヒットの予感を感じさせる製品のひとつ。光学式+電子式の手ぶれ補正や超広角撮影のできるセルフィーカメラなど充実した機能を備えつつ、4万8600円という絶妙の価格設定だ。

ハイエンドモデルが注目を集めつつも、実際に多くのユーザーに選ばれるのはミドルレンジモデルといのうが最近のスマートフォンの売れ行きの傾向ではあるが、今夏のドコモのハイエンドモデルは、「スマホおかえしプログラム」の適用と、ドコモいわく「端末が高騰しないよう粗利の部分でも努力した」ことによって、なかなかお買い得感がある。

分離プラン導入の今こそ、実はスマートフォン購入のチャンスなのかもしれない。

(文、写真・太田百合子)

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