アマゾンとの違いは明らか! 米小売り大手ウォルマートの新本社への移転計画

本社

アマゾンの第2本社とは全く違う。

Walmart/Youtube

ウォルマートは、新本社への移転計画を進めている —— だが、それはアマゾンの"第2本社の建設地探し"とは全く違う。

ウォルマートの新たな本社は、アーカンソー州北西部の300エーカー(約1.2平方キロメートル)の土地に建設される予定だ。完成は2024年頃の予定で、アーカンソー州で働いている本社従業員のほぼ全員がこの新キャンパスで働くことになる。

だが、ウォルマートの新本社はより広く、アップグレードされることは間違いないものの、オンライン小売りのライバルに比べると、はるかに控えめなアプローチをとっている。事実、今回の計画はウォルマートとアマゾンの違いを際立たせるものだ。

アマゾンの第2本社の建設地探しは、2017年9月に計画が発表されてから2018年に決まるまで、リアリティー番組のように大きな話題となった。各地の政治家たちがメディアを通じて、税制面での優遇措置やその土地ならではの特典をアピールし、アマゾンの気を引こうとした。

しかし、第2本社をバージニア州北部とニューヨーク市の2つに分けて設置するとのアマゾンの決定は、これらの建設地がすでに裕福な土地であったことから、がっかりする人々もいた。雇用を必要としている土地を選ぶことで、アマゾンがその評判を高めることができると指摘する声が多くあったからだ。

そして、ニューヨーク市での第2本社を建設する計画は大きな政治問題となり、最終的にはアマゾンが計画を撤回した。

ウォルマートは、いろいろな場所に目を向けるよりも、自身のルーツにこだわり、誕生の地であるアーカンソー州に残っている。この動きは、自らの成長を知らせるよりも、無秩序に広がりつつある組織をまとめようとするものだ。

アマゾンの「HQ2」をめぐる挑戦は、既成概念の枠を超えて、大きな注目を集め、金融界や政界で自らの力強い創造的破壊者としての地位を固めた。一方で、ウォルマートは比較的静かな、議論を引き起こさない手段を取った。これはアマゾンとウォルマートがいかに企業として異なるかを示すものだ。

[原文:Walmart's move to a new headquarters highlights just how different it is from Amazon (AMZN, WMT)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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