【米大統領選】世論調査の数字の変化で見る、"民主党期待の星"ベト・オルーク氏の苦戦

ベト・オルーク氏

ベト・オルーク氏。

AP Photo/Charlie Neibergall

  • 2020年の米大統領選を目指すベト・オルーク(Beto O'Rourke)氏は、メディアツアーと連日の選挙活動で自身のキャンペーンを盛り上げようとしている —— だが、世論調査の結果を見る限り、効果は出ていないようだ。
  • INSIDERの調査によると、オルーク氏の認知度は12月から1%上がった。その一方で、同氏に民主党候補になってもらいたいと考える民主党支持者の割合は18%減った。
  • 3月には、民主党支持者の43%が本選挙でオルーク氏がトランプ大統領に勝つだろうと考えていて、27%が負けると考えていた。
  • しかし5月の調査では、オルーク氏がトランプ大統領に勝てると考える民主党支持者は34%で、30%が負けると考えていることが分かった。

テキサス州選出の元下院議員で、2020年の大統領選を目指しているベト・オルーク氏は、ABCの『ザ・ビュー(The View)』やMSNBCの『レイチェル・マドー・ショー(Rachel Maddow Show)』への出演を含むメディアツアーと連日の選挙活動で自身のキャンペーンを盛り上げようとしている —— だが、世論調査の結果を見る限り、効果は出ていないようだ。

下院議員を3期務めたオルーク氏は、2018年の中間選挙でテキサス州の上院議員の座をめぐり、現職のテッド・クルーズ候補(共和党)に僅差で敗れたものの、その過程で記録的な額の選挙資金を集めたことで、一気に"民主党期待の星"になった。

モーニング・コンサルトの調査によると、オルーク氏が2020年の大統領選を目指すと発表したとき、民主党を支持する有権者の8%がオルーク氏を支持すると答えた。この数字は、直近の調査では5%に下がっていて、4月28日以降この水準にとどまっている。

オルーク氏は最近まで、ゴールデンタイムの報道番組やトークショー形式のインタビューを控える一方で、街に出て、できるだけ多くの有権者に会い、その全てをソーシャルメディアで発信する「反メディア」戦略をとっていた

この慣例にとらわれないキャンペーン戦略が、中間選挙では予想を上回る成果につながり、オルーク氏を数カ月の間、"全国メディアのお気に入り"にした。だが、2020年の大統領選を目指して20人以上が民主党候補に名乗りを上げる中、有権者の注目と支持を集めるには、うまく機能していないようだ。

Business Insiderが2018年12月に調査を始めたとき、民主党支持者の59%がオルーク氏を認識していた。直近の5月10日の世論調査では、60%が同氏を認識していると答えたが、これは大統領選への立候補が同氏の認知度アップにすら役立っていないということだ。

一方で、インディアナ州サウスベンドの市長で、出演依頼のあったメディアにはほぼ全てに登場することにしているピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)氏の認知度は、INSIDERの調査では2018年12月の4%から2019年5月には47%に上がっている。

オルーク氏は認知度を上げることに失敗しているだけではない。民主党支持の有権者の間では、オルーク氏が民主党候補になることを望ましいと考える人の割合が減り、本選挙でトランプ大統領には勝てないと考える人の割合が増えている。

オルーク氏が民主党候補になることを望ましいと答えた民主党支持者の割合は、12月が58%、立候補を発表した次の週が47%、5月は42%だった。一方で、同氏が民主党候補になることを望ましくないと答えた割合は、12月が9%、5月は20%で、倍以上に増えた。

オルーク氏が立候補を発表する直前の3月上旬には、民主党支持者の43%が、オルーク氏が本選挙でトランプ大統領に勝つだろうと考えていて、同氏が負けると考えていたのは27%だった。

ところが、オルーク氏が立候補を発表して以降、この数字は悪化。5月10日の調査では、オルーク氏が勝つと考えていたのは34%、30%が負けると考えていた。

モーニング・コンサルトが4月25日から5月12日にかけて、ネバダ州の民主党を支持する有権者を調査したところ、オルーク氏を支持すると答えたのはわずか2%で、7位だった。

大統領選までまだ1年以上あるとはいえ、オルーク氏が民主党候補指名を受けられるかどうかは、サンベルト(注:カリフォルニア州からノースカロライナ州に至る、北緯37度線以南の温暖な地域)とヒスパニック系の有権者をいかに多く取り込めるか次第だ。後者を取り込めたことが、同氏の中間選挙での善戦につながった

オルーク氏の支持が広がらない理由はいくつかある。雑誌『バニティ・フェア(Vanity Fair)』の記事でジャーナリストのピーター・ハンビー(Peter Hamby)氏が指摘したように、中間選挙で戦ったテッド・クルーズ氏のような誰からも嫌われる共和党上院議員が相手なら、オルーク氏は容易に民主党の救世主になれる。

しかし、民主党の中で20人以上の候補者と指名争いをするには、明確なメッセージもしくは数多くのユニークな政策(または政策スタンス)がなければ、オルーク氏の魅力は低下する。

早い候補者は12月や1月に立候補を表明した一方で、オルーク氏は中西部をドライブしたり、Mediumへのブログ投稿を書くなどして数週間を過ごしていて、一部のコメンテーターは、こうした振る舞いを女性の政治家が享受することのないような特権に浸るものだとみなし、同氏が真剣に大統領を目指していない証拠だと指摘した。

だが、オルーク氏にはこうした数字をひっくり返す時間がまだ残されている。

民主党のストラテジスト、ジェス・マッキントッシュ(Jess McIntosh)氏は「誰もが初めからうまくいくわけではない。修正する時間が彼らには必要だ」とバニティ・フェアに語った。

[原文:Beto O’Rourke’s shaky polling looks like it’s not going to get any better, and it's a bad sign for his 2020 prospects]

(翻訳、編集:山口佳美)

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