エアバスは2021年までにA380の生産を終了すると発表した。
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- スーパージャンボと呼ばれ、エアバスの主力旅客機と期待されたA380は、ロイターによると現在、数機が部品を確保するために解体されている。
- 発注数の減少したため、エアバスがA380の生産を終了すると発表してから、まだ数カ月しか経っていない。
- フォーブスのコラムニストは、A380はそれ自体が高価なだけではなく、運用にもコストがかかると述べた。
スーパージャンボと呼ばれ、エアバスの主力旅客機と期待されたA380は、2007年から就航している。
最も高価で、豪華なジェット旅客機の1つであるA380は、もともとボーイング747に対抗し、リプレースする機体として設計され、最大800人を乗せることができる。
ロイターによると、2機のA380が現在、貴重な部品を確保するために解体されている。エアバスが2021年までにA380の生産を終了すると発表してからわずか数カ月しか経っていない。
記事によると、2機のA380の解体は2018年12月に始まった。想定された耐用年数はまだ半分に過ぎない。
シンガポール航空が10年間使用した2機の解体は、フランス南部にあるタルブ・ルルド・ピレネー空港で進められている。
A380は235機が製造され、現在も233機が就航している。
Traveller.comによると、エールフランスも2018年11月、リースで導入しているA380のうち、5機をエアバスに返却し、保有機数を削減すると発表した。
「元シンガポール航空の2機のA380の解体がタルブ・ルルド・ピレネー空港で始まった……」
ソーシャルメディアの画像には、エンジンが取り外され、ノーズコーン(通常はレーダーが設置されている)のない機体が写っている。客室と貨物室の扉も取り外されていた。
スーパージャンボの終わり
残念ながら、A380はエアバスが望むような利益を生み出すことはできなかった。A380の就航を望む航空会社は想定より少なかった。
フォーブスのコラムニスト、マイケル・ゴールドスタインによると、A380はそれ自体が高価なだけではなく、運用にもコストがかかる。
「膨大な数の乗客を搭乗させ、大量の荷物を積み込むために空港の改修が必要であることに加え、高価な運用コストを賄うために乗客をいっぱいにする必要がある」と同氏は2018年に述べた。
非効率であるばかりでなく、多くの航空会社にとっては、大きすぎて多くの路線で利益を上げることはできない。
多くの航空会社にとって、A380は大きすぎた。
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News.com.auによると、航空会社は航空機を買い取るか、もしくはリースしている。
A380を買い取って、別の航空会社に売却することもできるが、価格は3億ドル(約330億円)〜5億ドル(約550億円)にのぼる。
一方、リースの場合は、ある航空会社が使い終えた機体は引き取られ、別の航空会社に再リースされる。
しかし、一部の航空会社は、A380の発注をエアバスの他の機体、主にA350とA330neoに変更している。そしてここに問題がある。
中古の、安くなったA380を使用することに興味を示す航空会社はほとんど存在しない。
2018年12月末時点でA380の受注数は321機、引き渡し数は243機、受注残は87機。日本では5月、ANAがホノルル線にA380を就航させた。
すでに200機を超えるA380が作られ、耐用年数が20年以上であることを考えると、しばらくの間、A380が空から完全に消えることはなさそうだ。
(翻訳:Toshihiko Inoue、編集:増田隆幸)