アマゾンは倉庫での作業をより面白くしつつ、生産性を向上させる方法を模索している。
Helen H. Richardson/Getty
- アマゾンは、アメリカ国内の5つの倉庫で、従業員が作業のゲーム化を選択できるプログラムを試験的に行っている。
- ゲームは、レトロなグラフィックに、従業員の作業を記録するアマゾン倉庫のテクノロジーを組み合わせ、従業員同士で競争させる。
- 高得点をあげた従業員は、アマゾンブランドの服や商品と交換できる「記念品」が与えられる。
- ゲーム化(ゲーミフィケーション)は、生産性を向上させ、退屈な作業を少し楽しいものに変える可能性がある。
アマゾンは、倉庫での作業の退屈さを少しだけ改善しようとしている。
現在、同社はアメリカ国内の5つの倉庫で、従業員が作業のゲーム化を選択できるプログラムを試験的に行っている。
従業員のワークステーションの小さなディスプレイには「ミッションレーサー(MissionRacer)」「ピックスインスペース(PicksInSpace)」「ドラゴン・デュエル(Dragon Duel)」「キャッスルクラフター(CastleCrafter)」といった名前のレトロなグラフィックのゲームが表示され、従業員の作業を記録する。このプログラムの存在については、ワシントン・ポストが先に伝え、Business Insiderは同社にその存在を確認した。
ゲームでは、個人あるいはグループで他の従業員と競争する。勝者にはアマゾンブランドの服や商品と交換できる「記念品」が与えられる。
このプログラムに参加するかどうかは、完全に従業員に任されている。バーチャルなバッジのようなインセンティブはあるが、給与や昇進には直接、結びついていない。
プログラムは2017年、ある倉庫で始まった。その後、現在の5カ所へと拡大した。
作業のゲーム化(ゲーミフィケーション)には2つの役割がある。1つ目は、スキルが不要な、単調な作業に携わる従業員を確保しやすくすること。2つ目は、生産性を高めるために、より自然に従業員がやる気になる方法を提供すること。
アマゾンは、プライム会員に対する2日以内の配送保証を1日以内に短縮した。そのため、アマゾン倉庫における生産性には、投資家、顧客、そしてあらゆる関係者が注視している。
アマゾンの倉庫では、すでに従業員の作業を記録している。何人かの従業員は今年はじめ、「残酷」な仕事の現実をBusiness Insiderに語った。一方、アマゾンは「素晴らしい職場環境、賃金、福利厚生、そしてキャリア形成の機会」を提供していることが誇りと述べた。
[原文:Amazon is trying to make working in its warehouses like playing a video game]
(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)