ある残酷な一文が表す、アメリカの悲惨なまでの貧富の差

富裕層

アメリカでは、納税者のトップ0.1%が国の富の20%をコントロールしている。

Alan Crowhurst/Getty Images

  • ある残酷な一文が、アメリカの悲惨なまでの貧富の差を表している。
  • ブルームバーグのベン・スティバーマン(Ben Steverman)氏は、最近の記事の中で「アメリカ人の下層半分を合計すると、その純資産はマイナスだ」と書いた。
  • スティバーマン氏のこの一文は、富の不平等を研究しているフランスの経済学者、ガブリエル・ズックマン(Gabriel Zucman)氏らの研究をベースにしている。
  • アメリカでは、富裕層はますます裕福になる一方で、中間層や貧困層はより貧しくなっている。

ある残酷な一文が、アメリカの悲惨なまでの貧富の差を表している。

ブルームバーグのベン・スティバーマン(Ben Steverman)氏は、最近の記事の中で「アメリカ人の下層半分を合計すると、その純資産はマイナスだ」と書いた。

この一文は、富の不平等を研究しているフランスの経済学者、エマニュエル・サエズ(Emmanuel Saez)氏とガブリエル・ズックマン(Gabriel Zucman)氏の研究をベースにしている。

サエズ氏とズックマン氏の研究によると、アメリカでは納税者のトップ0.1%、約17万世帯が国の富の20%をコントロールしている。全体としては、アメリカ経済は成長が続いているにもかかわらず、トップ1%が国の富の約39%をコントロールし、下の90%が国の富に占める割合はわずか26%だ。

アメリカでは「パイは大きくなっていない」とズックマン氏はブルームバーグに語った。「ただ、より大きなスライスが上の層に行っているだけだ」という。

これらの数字は、いかに多くのアメリカ人が多額の学生ローン負債に悩まされているかを考えれば、驚きではない。Business Insiderが報じたように、若い世代は1兆ドル(約110兆円)を超える負債を抱えている

そして、苦しんでいるのは若い世代だけではない。60歳以上の300万人を超えるアメリカ人が今も学生ローンの返済に追われている

クレジットカード負債も増えている。アメリカでは40%以上の世帯がクレジットカード負債を抱えていてValuePenguinのレポートによると、その平均の負債額は5700ドル(約63万円)だ。

そして、Bankrateの調査によると、アメリカ人のほぼ5人に1人は貯金ゼロだ。

アメリカの急速に拡大する貧富の差に警鐘を鳴らす経済学者たち

フランスの経済学者でズックマン氏の師でもあるトマ・ピケティ氏は、自身が共著者を務めた2018年のWorld Inequality Reportの結果を強調している

同レポートは、アメリカの納税者のトップ1%の所得が国民所得に占める割合は、1980年に11%だったのが、今では20%を超えていると指摘。

そして、下層半分のアメリカ人の所得が国民所得に占める割合は、1980年は20%だったが、今では12%に減っている。

言い換えれば、アメリカでは富裕層はますます裕福になり、中間層や貧困層はより貧しくなっているということだ。

貧富の差はヨーロッパでも拡大しているが、ここまでの差が開いているのはアメリカだけだ

ズックマン氏とサエズ氏のデータを参考にしたバーニー・サンダース上院議員や、エリザベス・ウォーレン上院議員といった政治家たちは、こうした格差を是正するため、実質上の富裕層への増税を提案している。他にも、経済学者らは育児手当の充実や大学無償化、社会保障の大幅拡大、最低賃金の引き上げといった解決策を示している。

[原文:One brutal sentence captures what a disaster money in America has become]

(翻訳、編集:山口佳美)

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