貧困率40%、平均寿命が20年短いノースフィラデルフィアの現実 ── 高校生33人が撮影

プロジェクトに参加した生徒たち

プロジェクトに参加した生徒たち。4月25日、写真を展示した会場で。

Thomas Jefferson University Photography Services

  • 33人の高校生が、ノースフィラデルフィアの一画に住むラテンアメリカ系住民の健康ニーズを評価するプロジェクトの一環として、数百枚の写真を撮影した。
  • 写真には、ごみ、廃虚、捨てられた注射器が写っていた。希望に溢れた写真もあった。
  • 「思いもよらない形で影響を及ぼす物を探した」と生徒の1人は述べた。

18歳のヤリエル(Yariel)は毎日、ごみが投げ捨てられた場所のそばを歩いて仕事に行く。

だから、ノースフィラデルフィアでの健康的な生活の、最大の障壁を撮影するプロジェクトに参加したとき、何を撮るべきかはすぐに分かった。

「とにかく汚くて、ごみ捨て場のようだった」と彼は職場のプロビデンス・センター(Providence Center)でインタビューに答えた。プロべデンス・センターはコミュニティー組織、彼はそこで植樹や地域の清掃などのプロジェクトに従事している。

「全体的に地域にとって良くない」

「仕事に行くとき、毎日見かける。あなたは見たいですか? 」

「仕事に行くとき、毎日見かける。あなたは見たいですか? 」

Yariel N./Philadelphia Collaborative for Health Equity

ヤリエルの写真は、ノースフィラデルフィアの一画に住むラテンアメリカ系住民の健康ニーズを評価する目的で行われた、フィラデルフィア・コラボレーティブ・フォー・ヘルス・エクイティ(Philadelphia Collaborative for Health Equity)による取り組みの一環。この一画は、アメリカで6番目の大都市フィラデルフィアの中でも、とりわけ貧しい地域。総勢33人の生徒たちが、このプロジェクトのために数百枚の写真を撮影した。そして4月、各自の最高傑作を展示した。

「ティーンたちは人生のエキスパート」

ティーンたちを、健康ニーズの評価、標準的な定量分析、コミュニティーグループのインタビューに加えようというアイデアは、このコミュニティーが直面する問題をより完全に把握するためと、生徒たちとともにプロジェクトに取り組んだ同組織の主任研究員、ケイレブ・ダフィーロ(Caleb Dafilou)は語った。ダフィーロは最終レポートも執筆した。

「子どもたちはさまざまな経験を乗り越えている。一人ひとりが自分の人生のエキスパート。我々にとって、ここへ来て子どもたちから学ぶことは非常に重要だった」

フィラデルフィア・コラボレーティブ・フォー・ヘルス・エクイティは、ジェファーソン・ヘルス(Jefferson Health)病院の組織で、2017年に100万ドル(約1億1000万円)の寄付を受けて設立された。健康評価を行った後、同組織は特定した重要課題に対処するための提案を募集する。メンタルヘルス、トラウマ、安全、暴力、住居、建築整備などが重要課題。60万ドル(約6600万円)の予算を年間12のプロジェクトに出資する。

「基礎から1歩ずつ、地域に足を運び、耳を傾け、コミュニティーとの信頼を築くという原則に従いたかった」と同組織のエグゼクティブ・ディレクター、ジャック・ルドミル(Jack Ludmir)は語った。

「フィラデルフィア市の健康指標の結果を見ると、こうしたコミュニティーは最低レベル」

研究対象となったノースフィラデルフィアでは、約40%の収入が貧困ラインを下回っているとフィラデルフィア・インクワイアラー(The Philadelphia Inquirer)はこの取り組みについて伝えた

同紙によると、全般的にノースフィラデルフィアの一部地域で生まれた子どもの平均寿命は、フィラデルフィア市のより裕福な地域で育った子どもに比べて20年短い。

※プライバシー保護のため、記事ではインタビューした生徒の名字は省略した。

18歳のジェラン(Jeran)は、彼が暮らすコミュニティーにおける健康的な食べ物の不足、廃虚の増加といった問題を強調したいと述べた。

18歳のジェラン(Jeran)は、彼が暮らすコミュニティーにおける健康的な食べ物の不足、廃虚の増加といった問題を強調したいと述べた。

Jeran A./Philadelphia Collaborative for Health Equity


多くの写真が捉えたもう1つの問題は薬物使用、とダフィーロ。排水溝に捨てられた使用済みの注射器の写真。

多くの写真が捉えたもう1つの問題は薬物使用、とダフィーロ。排水溝に捨てられた使用済みの注射器の写真。

Ashanti and Anthony/Philadelphia Collaborative for Health Equity


フェリペ(Felipe)は自分の街には、ごみ、注射器、ホームレスというイメージ以上のものがあることを知ってほしかった。

フェリペ(Felipe)は自分の街には、ごみ、注射器、ホームレスというイメージ以上のものがあることを知ってほしかった。

Felipe C./Philadelphia Collaborative for Health Equity


以下、タイトルは生徒自身によるもの。この写真のタイトルは「My city no matter how it looks(どんな見た目であれ私の街)」。

My city no matter how it looks(どんな見た目であれ自分の街)

Ahmiir/Philadelphia Collaborative for Health Equity


A dangerous walk(危険な歩道)

A dangerous walk(危険な歩道)

Anonymous/Philadelphia Collaborative for Health Equity


Alley of creativity(創造力の路地)

Alley of creativity(独創力の路地)

Sergio N./Philadelphia Collaborative for Health Equity


Community destruction(地域の崩壊)

Community destruction(地域の崩壊)

Ashanti and Anthony/Philadelphia Collaborative for Health Equity


Home!(ホーム!)

Home!(ホーム!)

Sergio N./Philadelphia Collaborative for Health Equity


Wall art(ウォール・アート)

Wall art(ウォール・アート)

Anonymous/Philadelphia Collaborative for Health Equity


Neglect(ほったらかし)

Neglect(ほったらかし)

Jeran A./Philadelphia Collaborative for Health Equity


Overwhelming(どうしようもない)

Overwhelming(どうしようもない)

Jasmin N./Philadelphia Collaborative for Health Equity


Parking lot(駐車場)

Parking lot(駐車場)

Jasmin N./Philadelphia Collaborative for Health Equity


Save the neighborhood(地元を救え)

Save the neighborhood(地元を救え)

Anonymous/Philadelphia Collaborative for Health Equity


Secret garden(秘密のガーデン)

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Anonymous/Philadelphia Collaborative for Health Equity


The memorial(追悼)

The memorial(追悼)

YT/Philadelphia Collaborative for Health Equity


The public garden(公園)

The public garden(公園)

YT/Philadelphia Collaborative for Health Equity


Inspired(感動)

Inspired(感動)

Ahmiir/Philadelphia Collaborative for Health Equity


※敬称略

[原文:33 high-school students took photos to capture the everyday reality of living in North Philadelphia, where the poverty rate is 40% and life expectancy is 20 years shorter

(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)

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