株式会社ポケモンは、ゲーム「ポケモンクエスト」の中国進出や新サービス「ポケモンスリープ」などを発表した。
株式会社ポケモンは5月29日、記者発表会で、中国大手ゲーム会社網易(ネットイース)と提携し、中国初の公式ゲーム「ポケモンクエスト」を提供すると発表した。
ポケモンGOの中国進出は未定
発表会の登壇者。ポケモン社長の石原恒和氏(中央)、Niantic CEOのジョン・ハンケ氏(石原氏右)、網易 ゲーム部門パブリッシュ責任者のワン・イー氏(石原氏左)。
「今回のポケモンクエストのパワーアップは、日本では考えられないほどのスピードで進んでいる」。
ポケモン社長の石原恒和氏はこう切り出した。
ポケモンクエストは2018年、Nintendo Switchとスマートフォンアプリ向けに配信されたゲームで、アメリカの調査会社Sensor Towerの2019年1月の発表によると、世界累計ダウンロード数が1000万ダウンロードを突破している。
「ポケモン」ブランドを冠した中国初の公式ゲームということで、「(中国国内の)ファンからの期待も非常に高く」(網易のゲーム部門パブリッシュ責任者、ワン・イー氏)、事前予約はすでに170万件を突破しているという。
任天堂は、中国でのNintendo Switchの発売について、騰訊(テンセント)社と共同で取り組んでいると2019年4月に発表したばかり。
「ポケモンはもともと、9言語で展開できるように準備している。言語としてはローカライズができあがっているため、これから中国メインランドでの挑戦も取り組んでいきたい」(石原氏)
気になるのは、すでに全世界で8.5億ダウンロード以上を突破し、2000億円を売り上げているといわれる「Pokémon GO」(ポケモンGO)の中国向けの動向だ。
ただ、ポケモンGOの中国進出については、ポケモンクエストとは全く別のゲームということもあり、「網易に任せており、この場でお話しできることは何もない」(石原氏)と回答するにとどめた。
「睡眠」そのものをエンターテインメントに
「ポケモンスリープ」発表を受け、「ポケモンGO」では寝ているカビゴンが大量発生するクエストが。
さらに、AndroidとiOSで2020年に配信される新たなゲームアプリ「Pokémon Sleep」(ポケモンスリープ)も発表された。「睡眠をエンターテインメントに」を掲げ、寝た時間、起きた時間、睡眠時間を計測し、ゲームに反映するという。
詳しい内容は「まだ内緒」だが、「起きたらちょっとうれしいことが起きるゲームです」(石原氏)。この睡眠時間を計測するデバイスとしてポケモンと任天堂は、新デバイス「Pokémon GO Plus+」を発表。
Pokémon GO Plus+のロゴ。
周囲にポケモンがいる、ポケストップがあるなどの情報をランプと振動で知らせてくれるというPokémon GO Plusの機能に加えて、睡眠計測も対応する。
その他の主な発表は以下の通り。
- ニンテンドー3DSソフト「名探偵ピカチュウ」の完結編をNintendo Switch向けに開発中
- 渋谷PARCO(2019年秋にオープン予定)に最新技術を活用した新ポケモンセンターの出店を決定
- Nintendo Switch、ニンテンドー3DS、スマホアプリのポケモンGOなどで捕まえたポケモンを預けたり引き出したりすることができるクラウドサービス「Pokémon HOME」(ポケモンホーム)の発表
- DeNAと提携した新作アプリゲーム「ポケモンマスターズ」の発表
DeNAと提携した新作アプリゲーム「ポケモンマスターズ」。
リリース内容の一覧。
出典:ポケモン
ポケモンの次の展開を感じさせる大型発表にツイッターは大きく盛り上がり、「ポケモンマスターズ」「Pokemon Sleep」「カビゴン」(居眠りポケモン。「ポケモンスリープ」発表直後から「ポケモンGO」で大発生クエストが展開されている)などがツイッターの世界トレンドランキング入りしている。
(文・写真、西山里緒)