80年後、2100年までに水没しそうなアメリカの都市とランドマーク

2012年、ハリケーン・サンディによってニューヨークでは河川が氾濫し、道路に水が溢れた。

2012年、ハリケーン・サンディによってニューヨークでは河川が氾濫し、道路に水が溢れた。

Getty Images/Andrew Burton

  • 2018年、地球の海水温はこれまでで最も高く、地表面の温度は観測史上4番目の高さとなった。
  • 科学者はグリーンランドと南極の氷床は、これまで考えられていたよりもずっと早いスピードで溶けていることを発見した。
  • 氷河が溶け、海水温が上昇することは、今後80年、壊滅的な海面上昇をもたらす。最悪のケースが現実になれば、サンフランシスコやニューヨークといったアメリカの都市、そして有名なランドマークは、2100年までに水没する可能性がある。

海面上昇の研究を行う科学者が増えれば増えるほど、沿岸部の都市についての将来予測はより暗いものになっている。

数年前、国連の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)は、2100年までに世界の海面は現在よりも3フィート(約90cm)上昇すると予測した。だが2019年5月下旬、アメリカ科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences:PNAS)に掲載された研究によると、この最悪のケースとされた数値は2倍以上になる。つまり、海面は2100年までに6.5フィート(約2m)まで上昇すると予測された。

ニューヨークやサンフランシスコといった海抜の低い都市にとっては悪いニュース ── そして、そこにある数多くのランドマークにとっても。

気候研究機関クライメート・セントラル(Climate Central)が開発したGoogle Earthプラグインを使うと、海面が最大限に上昇した場合、アメリカの都市がどうなるかを見ることができる。ここで紹介した画像は海面が8フィート(約2.4m) ── アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Agency:NOAA)による最悪の予測値 ── まで上昇した場合、2100年までに各都市のどのエリアが水没する可能性があるかを示している。

今後80年で水没する可能性が高いアメリカの主要都市とランドマークを見みよう。

※画像はすべて、Climate Central Google Earth Plug-Inより

地球温暖化の影響を受けない都市はない。だが、より大きな影響を受ける都市がある。例えば、地下水の過剰な汲み上げにより地盤沈下が発生しているサンフランシスコにとって、海面上昇は大きな脅威。

フィッシャーマンズ・ワーフ現在

Google Earth/Climate Central


今世紀末までには、代表的な観光地「フィッシャーマンズ・ワーフ)」は水没する可能性がある。

フィッシャーマンズ・ワーフ水没

Google Earth/Climate Central


フェリービルディング(Ferry Building)は、19世紀末に建設された。

フェリービルディング現在

Google Earth/Climate Central


しかし、観光客や地元客に人気のエンバーカデロ地区もろとも、2100年までに無くなるかもしれない。

フェリービルディング水没

Google Earth/Climate Central


ニューヨークの「自由の女神」も持ちこたえられそうにない。

リバティ島現在

Google Earth/Climate Central


高さ154フィート(約47m)の台座のおかげで、女神像が水に浸かることはなさそうだが、リバティ島は水没するだろう。

リバティ島水没

Google Earth/Climate Central


マンハッタンのワールド・トレード・センターは最終の仕上げ工事が行われており、あと数年で完成する見込み。

ワールド・トレード・センター現在

Google Earth/Climate Central


しかし80年後には、ボートなしでは行けなくなるだろう。

ワールド・トレード・センター水没

Google Earth/Climate Central


ボストンの歴史的地区「ノースエンド」も2100年までになくなるだろう。

ノース・エンド

Google Earth/Climate Central


海面が最大レベルで上昇すると、歴史的建造物の「ファニエル・ホール」はボストンの他のエリアとともに水没するだろう。

ノース・エンド水没

Google Earth/Climate Central


ワシントンD.C.のモニュメントの多くも危険に晒されている。

リンカーン記念堂リフレクティングプール

Google Earth/Climate Central

リンカーン記念堂リフレクティングプールは水没するが、記念堂自体は難を逃れそう。

リンカーン記念堂リフレクティングプール水没

Google Earth/Climate Central


ワシントンD.C.のトーマス・ジェファーソン記念堂はより危険な場所にある。ポトマック川に隣接する入り江「タイダルベイスン」沿いにある。

トーマス・ジェファーソン記念堂

Google Earth/Climate Central


記念堂の土台全体が水没するだろう。

トーマス・ジェファーソン記念堂水没

Google Earth/Climate Central


サウスカロライナ州のチャールストンは、ほとんどのエリアが2100年までに水没する可能性がある。1861年に南北戦争の端緒となったサムター要塞を含めて。

サムター要塞

Google Earth/Climate Central


今後100年、チャールストンに住む約6万4000人は洪水のリスクに晒される。

サムター要塞水没

Google Earth/Climate Central

出典 :Climate Central

ニュージャージー州アトランティックシティのほとんどは(ニューヨーク市の一部とともに)2012年、ハリケーン・サンディの際に水没した。2100年の予測はさらに深刻。

スチール・ピア遊園地

Google Earth/Climate Central


スチールピア遊園地を含めて1000フィート(約300m)にわたって広がるボードウォークは80年後には水没するだろう。

スチール・ピア遊園地水没

Google Earth/Climate Central


ニューオーリンズも海面上昇の問題から無縁ではない。2005年、ハリケーン・カトリーナでは、市の80%が水没した。

ニューオーリンズ

Google Earth/Climate Central


2100年までに、市の全域が上昇する水面の下に消え、約50万人が恒久的な避難を余儀なくされるだろう。

ニューオーリンズ水没

Google Earth/Climate Central


ハリケーン・カトリーナの時には、何万人もの人がニューオーリンズ・セインツの本拠地メルセデス・ベンツ・スーパードームに避難した。

メルセデス・ベンツ・スーパードーム

Google Earth/Climate Central


だが、このスタジアムですら、最悪のケースからは逃れられない。

メルセデス・ベンツ・スーパードーム水没

Google Earth/Climate Central


フロリダ州は特に海面上昇の影響を受けやすい。グリーンランドの氷床がすべて一気に溶けた場合、ウェストパームビーチの南側がすべて水没するだろう。

パーム・ビーチ

Google Earth/Climate Central


グリーンランドの氷床が溶けなかったとしても、2100年までにはパームビーチ全域が水没するとNOAAは予測している。

パーム・ビーチ水没

Google Earth/Climate Central


ときに「冬のホワイトハウス」と呼ばれるトランプ大統領の別荘「マー・ア・ラゴ」にとっても悪いニュース。

マー・アー・ラゴ

Google Earth/Climate Central


最悪のケースだと、マー・ア・ラゴの植栽や建物は80年以内に完全に水没する。

マー・アー・ラゴ水没

Google Earth/Climate Central



[原文:Disturbing before-and-after photos show how US cities — and their famous landmarks — could be underwater in 80 years

(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)

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