ミレニアル世代が数多くの産業を消滅させているのは「お金がないから」 —— デロイトの最新調査

若者たち

Smith Collection/Getty Images

  • ミレニアル世代の若者たちは、上の世代が同じくらいの年齢だった頃に比べて「著しく経済的に困窮している」ことが、デロイト(Deloitte)の最新調査で分かった。
  • ミレニアル世代が食べ物や外食、アルコールといったものに使う金額がその収入に占める割合は親世代と同じで、単にそもそも使えるお金が少ないのだ。
  • デロイトの調査は国勢調査のデータを引用し、アメリカの35歳以下の消費者の純資産が1996年以降、3分の1以上減っていると指摘している。
  • 学生ローン債務が2004年から2017年で160%増える中、ミレニアル世代は非裁量支出により多くを割いている。

最新調査は、ミレニアル世代のお金の使い方は、実はジェネレーションXやベビーブーマーと変わらない —— 単にそもそも使えるお金が少ないのだと指摘する。

ミレニアル世代は近年、ゴルフやカミソリといったさまざまな産業を消滅させていると言われてきた。

先週、リリースされたデロイトのレポートは、「ミレニアル世代はしばしば、他のどんな上の世代よりもナルシストで、理想主義的で、社会的意識が高く、体験を重視する世代だとみなされてきた」といい、「彼らは映画から結婚まで、全てを破壊したと責められてきた! 」と指摘する。

ケイシー・ロボー(Kasey Lobaugh)氏、ボビー・スティーブンス(Bobby Stephens)氏、ジェフ・シンプソン(Jeff Simpson)氏によって書かれたこのレポートは、ミレニアル世代の消費者がこれまで言われてきたことの多くは誤りだと示そうとしているようだ。

デロイトの調査は4000人以上の消費者を対象に、4500億地点もの位置データや2000億以上のクレジットカードの取り引き、政府のデータをもとにし、ミレニアル世代のお金の使い方は30年前の親世代の使い方とほぼ同じであると結論付けている。

しかし、ミレニアル世代は、上の世代が同じくらいの年齢だった頃に比べて「著しく経済的に困窮している」とレポートはいう。1996年以降、アメリカの35歳以下の消費者の純資産は34%減っている。

金融危機と学生ローン債務が、ミレニアル世代のお金の使い方を変えている

アボカド・トーストを食べる女性

アボカド・トーストのせいではない。

Brendon Thorne/Getty Images for Virgin Mobile

ミレニアル世代の若者が食べ物やアルコール、外食に使う金額がその収入に占める割合は、1997年当時、同じような年齢の若者が使っていた金額の割合とほぼ同じだ。言い換えれば、デロイトの調査はミレニアル世代が家を買わないのは、アボカド・トーストにお金を使い過ぎているからではないと示している。

「多くの面で、消費者は根本的には変わっていない」と、デロイトのプリンシパルでチーフ・リテール・イノベーション・オフィサーのロボー氏は言い、「ただ、彼らの行動には非裁量支出の増加が関係していて、高所得者層と低所得者層の差が開いている」と指摘する。

消費者が住宅に使う金額は、2007年から2017年にかけて10%増えた。医療費は同じ期間で21%増えている。教育費は学生ローン債務が膨らむ中、65%増えた。学生ローン債務は2004年以降、160%増えている。

全体としては、2017年の時点で25~34歳の収入のうち、17%が非裁量支出にあてられていた。この割合は、1997年には12%だった。

卒業生

William Thomas Cain/Getty Images

そして、この非裁量支出の増加は、特に低所得者層のミレニアル世代に大きな打撃を与えている。アメリカの消費者の下層40%の可処分所得は10年前に比べて減少していると、デロイトの調査は指摘する。中間層の40%も大して変わらず、上層の20%だけが増加している。

年収10万ドル(約1100万円)以上の世帯グループと年収5万ドル以下の世帯グループの収入が同じ期間にどれだけ増えたかを見ると、その違いは明らかだ。デロイトの調査は、年収10万ドル以上のグループの収入の伸びが2007年から2017年で1305%増えていて、年収5万ドル以下のグループ以上に伸びているという。

デロイトの結論は、ミレニアル世代は金融危機のせいで経済的に後れを取ったとする連邦準備理事会の2018年の調査に同調するものだ。

デロイトは「収入も財産も少なく、ミレニアル世代は上の世代が若かった頃に比べて裕福ではない」とした上で、「彼らの年齢やその他の要素を考えると、ミレニアル世代は上の世代と比べて、それほど異なる消費に対する志向を持ってはいないようだ」と付け加えた。

同社の調査は、フルタイムで働く男性世帯の平均実質労働所得は、ミレニアル世代に比べて、若い頃のジェネレーションXで18%、ベビーブーマーで27%多かったとしている。若い女性の場合、その差はやや小さくなる —— ジェネレーションXで12%、ベビーブーマーで24%多かった —— が、それでも若い頃の上の世代の方が所得は多かった。

つまり、ミレニアル世代はベビーブーマーやジェネレーションXが同じくらいの年齢だった頃に比べて、使えるお金が少ないということだ。使えるお金が少ないということは、使い方にこだわらざるを得ないということだ。多くのミレニアル世代の若者にとって、車や家といった一部の買い物は、手の届かないものであり続け、彼らのお金の使い方はさらに変化せざるを得ないだろう。

ミレニアル世代は一部の産業の売り上げを大幅に減少させるかもしれないが、連邦準備理事会とデロイトの結論は同じだ:ミレニアル世代による"大虐殺"は、この世代の個人的な志向のせいではなく、経済のせいだ。

[原文:Millennials' habits are threatening countless industries — but a new report says it's only because they're poorer than their parents]

(翻訳、編集:山口佳美)

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