わたしたちの国は"世界のゴミ捨て場"じゃない! 東南アジアが先進国のゴミに「ノー」を突き付け始めた

マニラの港。

マニラの港。

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  • フィリピンは5月31日(現地時間)、カナダに1500トンのゴミを送り返した。このゴミは、二国間の外交問題にまで発展していた。
  • これらのゴミに対し、フィリピンの外務大臣は「バイバーイ」「涙が出る。とても寂しくなるよ」と皮肉を込めてツイート。
  • ゴミは2013年頃からフィリピンに置かれていたもので、カナダ側が家庭ゴミを"リサイクル可能"と誤って表記し、送っていた。
  • 西側諸国がアジアの国にゴミを送る現象は数十年前から広まっていて、数百万トンものゴミが長距離を移動してきた。
  • フィリピンが駐カナダ大使を召還したあと、カナダ政府は5月30日を締め切りとするゴミの引き取りに合意していた。
  • マレーシアも、"世界のゴミ捨て場"になることを拒否し、西側諸国に3300トンのゴミを送り返す考えを示している。

フィリピンは5月31日、1500トンのゴミに別れを告げた。ゴミはコンテナ船でカナダへ送り返された。

これは、裕福な西側諸国から船で運ばれてくるゴミの受け入れに疲れたアジア諸国による激しい抵抗の最も最近の事例だ。

フィリピンのドゥテルテ大統領はカナダに対し、これらのゴミを引き取らないなら、こちらから送り返すと警告、これを受け、カナダはゴミを引き取ることに合意したと、

コンテナ船は5月31日、カナダのバンクーバーの港を目指し、20日間の旅に出たと、フィリピンの港湾を管理するウィルマ・エイスマ(Wilma Eisma)氏はガーディアンに語った。コンテナ船は、ゴミでいっぱいのコンテナ69個を積んでいるという。

BBCによると、ゴミの輸送にかかる費用は全額カナダが負担する。

フィリピンのテオドロ・ロクシン外務大臣は、バンクーバーへ向かうコンテナ船の写真に「バイバーイ」とコメントを付けて、ツイートした

また、別のツイートでは、コンテナ船の動画を掲載し、「涙が出る。とても寂しくなるよ」とジョークを言った。

グリーンピースといった環境保護活動家たちも、スービック湾の港周辺でこれを祝った。その小さなボートには「フィリピンはゴミ捨て場ではない」と書かれた横断幕が掲げられていたと、ガーディアンが報じている。

同紙によると、ゴミは2013年もしくは2014年頃からフィリピンに置かれていた。カナダが家庭ゴミをリサイクル可能なプラスチックと誤って表記していたことをフィリピン当局が突き止め、緊張が高まった。

フィリピンのニュースサイト「Rappler」によると、フィリピンはカナダ政府に対し、5月15日を締め切りにゴミの引き取りを求めたが、カナダがこれを守れず、フィリピンは駐カナダ大使を召還。その後、両国は5月30日を締め切りとすることで合意していた。

カナダの環境大臣政務官シーン・フレイザー(Sean Fraser)氏は、「これは、カナダに由来するゴミに対し、我々が国際的な義務を果たすことを示すものだ」と、BBCに語った。

抗議

マニラの港で、ポスターを掲げて抗議活動をする人(2015年5月)。

J Gerard Seguia/Pacific Press/LightRocket via Getty Images

西側諸国は25年以上にわたり、自国のゴミをアジアの国に送ってきた

中でも中国は、2018年にプラスチックゴミの輸入を禁止するまで、最大の"世界のゴミ捨て場"だった。以降、そうしたゴミの多くはマレーシアやフィリピン、ベトナムといった新興国に送られるようになった。

これらの国では、環境規制が比較的緩やかなため、ゴミを引き取る側にとってはきちんと処理するより放置したり、焼却する方が簡単で、安く済むということだ。

今回のフィリピンのケース同様、ゴミに誤った表示がされていることも多いという。

アジアの国は今、抵抗し始めている。マレーシアはすでに、ゴミの詰まったコンテナ5個をスペインに送り返したといい、カナダやアメリカ、イギリスといった国から送られてきた3300トンのリサイクルできないプラスチックゴミについても、今後対応していく計画だ。

[原文:The Philippines is shipping 1,500 tons of trash back to Canada, the latest move in Southeast Asia's rebellion against Western garbage]

(翻訳、編集:山口佳美)

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