27歳の"リテール界のエアビーアンドビー"CEOが狙う、小売業の革命とは?

ロス・ベイリー氏

Appear Hereの創業者兼CEO、ロス・ベイリー氏(27歳)。

Courtesy of Appear Here

  • "リテール界のエアビーアンドビー(Airbnb)"と呼ばれる「Appear Here」は、企業にポップアップ・ストアの場所をレンタルするスタートアップだ。
  • ロンドンに拠点を置くAppear Hereは2013年の創業以来、2000万ドル(約22億円)以上の資金を調達。以降、パリやニューヨークでも展開している。
  • CEOのロス・ベイリー(Ross Bailey)氏は、ブランドに今、必要なものは何か、企業は店舗にどうアプローチすべきか、Business Insiderに語った。

Business Insiderがイギリス、ロンドンのクラーケンウェルにあるおしゃれなオフィスを訪ねると、ロス・ベイリー氏はすぐにナイキ(Nike)について語り始めた。

「Just Do It」のキャップをかぶり、ナイキの創業者フィル・ナイト(Phil Knight)氏の自伝『シュードッグ(Shoe Dog)』がコーヒーテーブルに置いてあることから、ベイリー氏はナイキのファンなのかもしれないとすぐに分かった。実際、同氏はファンだ。

ベイリー氏は、ナイキの幹部らが自身のオフィスに集まったときのことを語った。

「彼らがものすごく腹を立てていたことを覚えている」と、ベイリー氏。「『わたしたちは十分な仕事をしていない。勇気が足りない』と彼らは言うんだ。ぼくは『おお、素晴らしい』と思った」という。

ベイリー氏は、世界をリードするブランドであるにもかかわらず、自分たちに問いかけ、批判さえする彼らの能力に感心したのだ。そして同氏は、これが時代に取り残されることなく、今日の消費者に興奮を与えられるブランドに欠かせない能力だと指摘する。

こうしたブランドのあり方を、ベイリー氏は自身の会社Appear Hereを通じて支援したいと考えている。「リテール界のエアビーアンドビー」と呼ばれるAppear Hereは、ロンドン、パリ、そしてニューヨークで、期間限定のポップアップ・ストアのための場所をレンタルしている。

2013年の創業以来、20万を超えるブランドがAppear Hereを通じて短期利用のスペースを見つけてきた。リース期間は3~6カ月だと、ベイリー氏は言う。

同社は、デザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane von Furstenberg)氏やシモン・プロパティ・グループ(Simon Property Group)のCEOデビッド・シモン(David Simon)氏、ネッタポルテ(Net-a-Porter)の創業者ナタリー・マスネ(Natalie Massenet)氏といった投資家から、これまでに2140万ドルを資金調達している。

ベイリー氏のミッションは、ロンドン、パリ、ニューヨークといった都市を、買い物をするのによりエキサイティングな場所にすることだ。

「ぼくたちがやろうとしていることは不動産ではなく、エンターテインメントであり、体験なんだ」と、同氏は言う。

小売業の"体験"にフォーカスする

Awayの店舗

旅行かばんのスタートアップ「アウェイ」も、Appear Hereを利用したブランドの1つだ。

Courtesy of Appear Here

小売業が直面している問題をチャンスとして利用するには、いいタイミングだ。

ベイリー氏は「(アメリカのデパートは)"都会"を郊外へ持っていくことだった。今、デパートに入ると、正直言ってダサい」と言い、「小売業の最大の根本的な問題は、会計士によって経営されていることだ。経営はショーマンがすべきだ」と語った。

店舗に体験という要素を取り入れる重要性を指摘したのは、もちろんベイリー氏が初めてではないし、最後でもないだろう。それでも同氏は、eコマースの時代にユニークな体験を提供することは、ブランドにとって最大のアドバンテージだと固く信じている。

同氏は、定評のあるブランドが価格でアマゾン(Amazon)に勝つのは難しいかもしれないと指摘した上で、ブランドはアマゾンにはできない何かをその店舗で提供することに集中すべきだという。

柔軟なレンタルスペースを利用し、店舗をより一時的な方法としてみなすことで —— ベイリー氏が「都度払いの小売業」と呼ぶモデル —— ブランドは何かに縛られることなく、常にフレッシュでいられるのだ。

「これが柔軟なレンタルの素晴らしいところだ —— 登場して、客を引き込み、みんなが退屈する前に消える」

店舗は商品を売るだけの場所というより、ブランドにとってのマーケティングの最前線と見なされるべきだと、同氏は言う。客は店に来て、ブランドを知り、ブランドを体験して、オンラインで購入、ソーシャルメディアで拡散させるのだ。

旅行かばんの「アウェイ(Away)」やランジェリーの「ライブリー(Lively)」、ビューティー&スキンケアの「グロッシアー(Glossier)」といった新興ブランドは、すでにこれを実践している。

「これは、小売業を固定費から変動費へと変えるものだ」と、ベイリー氏は言う。

「そうすると突然、それが新たなチャンネルとなって、そのチャンネルはオンライン広告に匹敵するものになる」

[原文:The CEO of the 'Airbnb of retail' reveals his plan to revolutionize stores and why Nike should be an inspiration for brands]

(翻訳、編集:山口佳美)

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