BBCのスタジオに登場した「トランプ・ベイビー」のレプリカ。
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- 6月3日(現地時間)、BBCはアメリカのトランプ大統領のイギリス訪問を受け、番組にトランプ大統領をやゆした巨大バルーン「トランプ・ベイビー」を登場させた。このバルーンについて、トランプ大統領は「歓迎されていないように感じる」とコメントしている。
- 番組のキャスターを務めるビクトリア・ダービーシャー(Victoria Derbyshire)氏は、抗議活動の一環として巨大バルーンを飛ばしている女性にインタビューした。
- 全長20フィート(約6メートル)の巨大バルーンを作るには、5000ポンド(約68万円)かかったという。前回、バルーンが上空を飛んだのは、2018年7月13日にトランプ大統領がロンドンを訪れたときのことだ。
- 当時、トランプ大統領は「わたしが歓迎されていないように感じさせるためにバルーンを飛ばすなら、ロンドンに行く理由はないだろう」と、イギリスのタブロイド紙『ザ・サン(The Sun)』に語っていた。
- バルーンを番組に登場させたことについて、BBCは「トランプ大統領の公式訪問に対して、イギリス各地で抗議が広がっていることを考えれば」正当だと、Business Insiderに語った。
- BBCの憲章は、BBCは中立であるべきと定めている。しかし、"反トランプ"の象徴であるバルーンを番組に登場させたことは、中立を破ったとして批判にさらされる可能性もある。
- トランプ大統領のイギリス訪問は6月5日まで。
イギリスの公共放送BBCは、トランプ大統領のイギリス訪問を受け、スタジオにトランプ大統領が嫌いだと発言していた「トランプ・ベイビー」のバルーンを登場させた。
バルーン —— 前回、ロンドンを訪れた際に「歓迎されていないように感じる」とトランプ大統領が語った巨大バルーンのレプリカ —— は、6月3日にBBC2チャンネルで放送されたビクトリア・ダービーシャー氏の番組スタジオに登場した。
このゴールデンタイムのカジュアルな政治トーク番組は、巨大バルーンの責任者アンナ・ビッカースタッフ(Anna Vickerstaff)氏とイギリスのトランプ支持の団体「Trump UK」の広報担当者ダニエル・マッケルヘニー(Daniel Mcelhinney)氏のインタビューを放送した。
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バルーンの飛行を計画している「ストップ・トランプ・コアリション(Stop Trump Coalition)」によると、全長20フィート(約6メートル)のオリジナルの巨大バルーンは、6月4日午前9時(日本時間6月4日午後5時)にウェストミンスターのパーラメント・スクエアで上空に飛ばされる予定だ。トランプ大統領はこの時間、ここから1マイルも離れていないセント・ジェームズ宮殿でメイ首相と会見することになっている。
トランプ大統領は2018年7月のザ・サンのインタビューで「わたしが歓迎されていないように感じさせるためにバルーンを飛ばすなら、ロンドンに行く理由はないだろう」と語っている。
2018年7月、ロンドンの街中に現れた巨大バルーン「トランプ・ベイビー」。
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この巨大バルーンの製作には5000ポンド(約68万円)かかっていて、ロンドン在住の36歳、マット・ボナー(Matt Bonner)氏のアイデアだという。トランプ大統領を追って、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたG20首脳会談に行ったこともある。
BBCの番組に登場したオレンジ色のバルーンは右手に携帯電話を握っていて、頻繁にツイートをしたがるトランプ大統領を示唆している。
6月3日には、トランプ大統領を20世紀のファシストと比較するなどして批判したロンドンのサディク・カーン市長をツイッターで攻撃、カーン市長を「とんでもない負け犬」と呼んだ。
BBCの憲章は、BBCは中立であるべきと定めている。しかし、"反トランプ"の象徴であるバルーンを番組に登場させたことは、中立を破ったとして批判にさらされる可能性もある。
BBCの広報担当者はBusiness Insiderに対し、次のようにコメントしている。
「予定されている抗議活動と、バルーンを上空に飛ばすことが許されるべきかどうかという議論のポイントの1つを示すために、我々は小さいバージョンのバルーンをスタジオに登場させた」
「バルーンは、巨大バルーンの責任者の1人で、抗議活動をしているアンナ・ビッカースタッフ氏と、トランプ大統領を支持する団体Trump UKのダニエル・マッケルヘニー氏へのインタビューの一部として登場した」
「トランプ大統領の公式訪問に対して、イギリス各地で抗議が広がっていることを考えれば、このトピックを報道することは適切だ」
トランプ大統領のイギリス公式訪問は6月5日まで。
(翻訳、編集:山口佳美)