米連邦準備理事会が報告した、アメリカの深刻な人手不足を表すエピソード

ダイナー

ワシントンD.C.にある昔ながらのダイナー「Jimmy T's Place」のカウンターでサンドイッチを用意するスタッフ。

AP/Beth J. Harpaz

  • アメリカの労働市場はこれまでになく引き締まっている。
  • 企業は労働力の確保に苦労している。
  • 連邦準備理事会は、6月5日(現地時間)に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)の中で、リッチモンド地区連銀の地区内のあるレストランでは、少ないスタッフで営業を続けていくために「カウンターサービスと使い捨ての食器を導入した」と報告している。

引き締まった労働市場は、さまざまな形でその姿を見せる。

小売大手のターゲット(Target)コストコ(Costco)といった一部企業では、労働者を引き付けるため、最低賃金をアップさせている。新たな従業員特典を与える企業もある。そして、リッチモンド地区連銀の地区内のあるレストランでは、フォークやナイフを使い捨てし始めた。

連邦準備理事会(FRB)が6月5日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)の中で、リッチモンド地区連銀は「一部の接客業が、人手不足のためサービスを縮小したと話している」と報告した。

「さらに、あるレストランでは少ないスタッフで営業を続けていくため、カウンターサービスと使い捨ての食器を導入した」という。

このレストランのエピソードは、失業率が低いアメリカで、企業がいかにして競争力を維持しようと努力しているかを示すものだ。アメリカの4月の失業率は3.6%と、1969年12月以来の低水準だ。ブルームバーグの調査によると、6月7日に発表される予定の最新の失業率は、これよりさらに低い3.5%と見込まれている。

リッチモンド地区連銀は、サウスカロライナ州チャールストンでは複数のレストランが「十分なスタッフが確保できず、閉店した」とも書いている。

他の地区連銀も同様の調査結果を報告している。

セントルイス地区連銀は、商業用不動産建設が「やや改善」したものの、地元企業の人手不足は続いていると報告。

一方、カンザスシティ地区連銀は、企業の「半数以上が」低スキル、中スキルの労働者が不足し続けていると報告した。

「回答者の中には、医師やパイロット、会計士、ITのプロといった高スキルの人材が不足していると答えた者もいた」と、カンザスシティ地区連銀は述べ、賃金が上がるだろうとの見込みも示した。

ベージュブック全体としては、アメリカ経済を比較的健全な状態として描いている。だが、労働力不足は依然として大きな課題だ。

「小売業、サービス業、テクノロジー、製造業、建設業における雇用の需要は高い」とFRBは指摘する。「しかし、地区連銀が高スキル、低スキル両方の労働者不足を報告していて、雇用成長は引き続き、引き締まった労働市場の制約を受ける」という。

[原文:The job market is so hot that one restaurant 'moved to counter service and disposable utensils' to stay open]

(翻訳、編集:山口佳美)

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