食べ物や住まいを確保できない学生もいる。
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- 驚くほど多くの大学生が食べ物が買えない、あるいは家もない状況に陥っている。非営利団体のHope Centerの調査を引用して、パシフィック・スタンダードが伝えた。
- 4年制大学に通う回答者の30%がお金に余裕がなかったため、空腹の時も食べられなかったと回答した。また14%が住むところが不安定と回答した。
- これらは大学の授業料が高騰していることが原因。学生ローンの借入額は過去最高額となっている。
「貧乏学生」の典型的なイメージは変わった。
アメリカではあまりにも多くの大学生が空腹に耐えたり、ホームレスになっている。非営利団体のHope Center for College, Community, and Justiceが行った調査を引用して、ウェブメディアのパシフィック・スタンダード(Pacific Standard)が伝えた。調査は2年制大学101校、4年制大学68校に通う学生16万7000人以上を対象に行われた。
回答者の半数近くが調査前の1カ月、食べ物に対する不安を感じていた ── 調査レポートによると、食べ物に対する不安とは「栄養価が十分で安全な食べ物の入手に制限がある、あるいは入手できるかどうか分からないこと、またはそのような食べ物を社会的に許容される方法で入手する能力の必要性」のこと。
調査では、2年制大学の約50%、4年制大学の約44%の学生が次に買い物に行ける金銭的な余裕が生まれるまでに食べ物がなくなることを心配していた。またどちらのグループでも30%の学生がお金に余裕がなかったため、空腹の時も食べられなかったと回答した。
住居も問題だった。2年制大学の18%、4年制大学の14%の学生がホームレスだったことがあると回答した。親戚や友人宅に泊まったり、知り合いのところを転々としたという学生、野外や一時避難場所、キャンピングカーで暮らしたという学生もいた。
これらは高騰する授業料が原因 ── 授業料は1980年代から2倍以上になっている。その結果、学生ローン借入額は過去最高額になり、学生ローン情報サイトのStudent Loan Heroによると、全米の学生ローン借入額の総額は1兆5000億ドル(約165兆円)以上、2018年の卒業生1人あたりの借入額は2万9800ドル(約330万円)となった。
[原文:An astounding number of American college students are going hungry or homeless]
(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)