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香港では6月9日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモが行われた。
主催者側は100万人超、住民の7人に1人がデモに参加したとウォール・ストリート・ジャーナルに語った。警察は、約24万人が参加したとしている。
改正案に反対する人々は、住民が中国の透明性の低い司法制度に直面することになると主張している。中国はこれまで、香港が1997年にイギリスから返還されて以来、香港が独自の司法制度を維持することを認めていた。
ロイターによると、警官隊は10日朝も立法会(議会)包囲を続けた。逃亡犯条例改正案は、12日から立法会で審議が始まる予定。
香港の人々はなぜこれほど強く反発するのか? デモの様子をとらえた写真とともに見ていこう。
香港では6月9日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモが行われた。主催者側は100万人超がデモに参加したと話しているが、警察は約24万人としている。
Associated Press
Source: The Wall Street Journal
改正案に反対する人々は、香港の住民が中国本土で不公正な裁判にかけられ、必要な法的保護が受けられなくなると批判している。
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Source: South China Morning Post
香港は中国の特別行政区だ。約150年にわたってイギリスの植民地だったが、1997年に中国に返還された。香港には返還から50年後の2047年まで、「1国2制度」の下で独自の司法制度を維持することが認められている。
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Source: Vox
だが、中国政府は香港の主権を弱めようとし、その結果、香港ではここ10年でさまざまなデモが起きている。2014年には、行政長官の選挙に関して、中国政府が事前に自由な立候補を阻む選挙制度を決定したことで反政府デモ「雨傘革命」が起きた。
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改正案に反対する人々は、行政長官である林鄭月娥氏のリーダーシップの欠如も批判している。行政長官が改正案を示したのは2月、香港在住の男性が2018年に台湾で交際中の女性を殺害し、香港に戻ったあとのことで、その後、一部の圧力を受け、改正案を修正している。
Associated Press
Source: South China Morning Post
改正案に反対する人々の中には、中国が香港の司法制度の独立性を脅かし始めていると懸念する声もある。ある香港のビリオネアは1月に中国本土で身柄を拘束されたあと、消息不明となっている。共産体制を批判する出版物に関与したある書店関係者も一時、行方不明になっていた(その後、中国で身柄を拘束されていたことが判明した)。
Reuters
Source: The New York Times, The New York Times
「声を上げなければならない」と、あるデモ参加者はウォール・ストリート・ジャーナルに語った。「次の世代のために、わたしたちはふるさとを守らなければならない」
Reuters
Source: The Wall Street Journal
(翻訳、編集:山口佳美)