世界はアメリカよりも中国のリーダーシップを信頼している —— 最新レポート

トランプ大統領、習近平国家主席

アメリカのトランプ大統領(左)と中国の習近平国家主席(右)。

NICOLAS ASFOURI/AFP/Getty Images

  • 経済平和研究所(Institute for Economics and Peace)の最新レポートによると、アメリカのリーダーシップに対する信頼は、2016年から2017年の間に大幅に低下した。
  • 今では、アメリカよりも中国のリーダーシップを人々は信頼しているという。
  • 経済平和研究所の創設者で会長のスティーブ・キレリア(Steve Killelea)氏は、アメリカのリーダーシップに対する世界の信頼は、トランプ大統領が選挙で勝利したあと「急激に低下」したと、INSIDERに語った。
  • キレリア氏は、オバマ政権下ではアメリカのリーダーシップに対する世界の信頼は高かったものの、トランプ大統領は世界中で「否定的に報道されている」と指摘する。
  • レポートによると、アメリカのリーダーシップに対する世界の信頼は、2016年から2017年で11.2ポイント低下した。

経済平和研究所(IEP)の最新レポートによると、世界の人々は今、アメリカよりも中国のリーダーシップを信頼している。アメリカの信頼低下は、2016年から始まった。

「アメリカのリーダーシップに対する信頼はここ5年でロシア、中国、ドイツよりも低下していて、平均的に見て、今ではアメリカよりも中国のリーダーシップを人々は信頼している」と、IEPの2019年のレポート「世界平和度指数(Global Peace Index)」は述べている。

IEPによると、アメリカのリーダーシップに対する支持は2008年以降、17ポイント低下している。だが、大きく下がったのはここ数年のことだ。レポートによると、アメリカのリーダーシップに対する世界の信頼は2016年から2017年で11.2ポイント低下していて、2016年以降、世界のほぼ全ての地域でアメリカに対する支持が下がっている。

アメリカとそのライバルである中国の緊張は、トランプ大統領が就任して以来、これまでにないほど高まっている。国防総省が中国の軍事力と世界におけるプレゼンスの拡大を警告する中、アメリカは今、中国と貿易をめぐって激しく戦っている

中国は世界の中でも人権侵害のひどい国として頻繁にその名が挙がるが、一部の地域ではそれが中国のリーダーシップに対する評価を低下させてはいないようだ。

IEPの創設者で会長のスティーブ・キレリア氏は「ここ4年ほど、中国に対する信頼は高まっている」と、INSIDERに語った。「それは主に独裁主義的な、あまり平和とは言えない国で起きている。これらの国は中国により接近していくだろう」という。

キレリア氏は、もう1つ考慮に入れるべき要素として、アメリカのリーダーシップに対する信頼が、トランプ大統領が選挙に勝利したあと、2016年から2017年に「急激に低下」していることを挙げ、トランプ大統領が世界中で「否定的に報道されている」と指摘した。

「分かりやすく言うと、(オバマ前大統領は)国際的にものすごく人気が高かったが、オバマ政権の前の(ジョージ・W・ブッシュ大統領の)後半の支持率は…… 今とほとんど変わらない」と、キレリア氏は言い、ブッシュ政権下でアメリカのリーダーシップに対する信頼が低かったのは、2003年に始まったイラク戦争などが影響したと語る。

また、IEPのレポートによると、アメリカの平和度はここ1年で低下し、今回のランキングでは163カ国中128位に順位を落としている。平和度が下がったのは、「殺人や凶悪犯罪の増加および政治的不安の高まり、国際社会における軍事的関与、軍事費(対GDP比)や軍の人員の増大、国連平和維持活動への拠出額の減少」のせいだろう。

キレリア氏は「アメリカにおける政治プロセスはより対立的になっている」とし、大統領の弾劾をめぐる最近の議論に触れ、これが政治的不安につながっていると語った。

数々の問題で意見が対立し、「妥協点」がなく、アメリカの政治は「譲歩」をしない、より「過激」なものとなり、不安定さを増していると、キレリア氏は言う。

一方で、レポートによると、世界全体の平和度は10年前に比べると低いものの、ここ5年で初めて上昇した。世界の平和度の平均は2008年以降、約4%低下している。

レポートは、中東における紛争が「世界の平和を低下させている主な原因」だと指摘、2019年のランキングでは、世界で最も平和でない国は、シリアに代わってアフガニスタンだった。そして、米軍は世界で最も平和でない国ワースト5のうち4カ国 —— アフガニスタン、シリア、イラク、イエメン —— で活動している。

IEPの「世界平和度指数」レポートは世界の人口の99.7%をカバーし、平和度の評価にあたっては「紛争」「治安と安全」「軍事化」の3つのカテゴリー、23の質的、量的要素を考慮した。

[原文:The world is more confident in China's leadership than the US', according to a new report]

(翻訳、編集:山口佳美)

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