賛否両論でも…… ナイキが導入した「プラスサイズのマネキン」は、ビジネスとして見事な決断

プラスサイズのマネキン

ロンドンのナイキに登場したプラスサイズのマネキン。

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  • ナイキ(Nike)ロンドンの旗艦店にプラスサイズのマネキンを登場させたことが、議論を呼んでいる。
  • だが、この論争はナイキにとって最終的に"プラス"に働きそうだ。からだの大きな女性向けの選択肢がほとんどないアパレル業界で、ナイキのプラスサイズ商品に注目が集まるきっかけになったからだ。
  • ナイキがこの新たなマネキンを登場させて以来、イギリスのファッションECサイト「Love the Sales」では「ナイキ」や「プラスサイズ」の検索が387%、マネキンが着用しているタイツのクリック数が200%増えたという。

ナイキの「プラスサイズのマネキン」をめぐる論争は、インクルーシブであることがいかに"プラス"に働くかを示している。

ナイキがロンドンの旗艦店にプラスサイズのマネキンを登場させて以来、イギリスのファッションECサイト、Love the Salesによると、同サイト上の「ナイキ」や「プラスサイズ」の検索は387%増えた。話題のマネキンが着用しているナイキの「ワン・ラックス・タイツ(One Luxe Tights)」のクリック数も、今週に入って200%増えたという。

Love the Salesの担当者、リアム・ソロモン(Liam Solomon)氏は、「今回のナイキのようなニュース性のある話題は、ブランドの検索を急増させます」とBusiness Insiderに語った。ソロモン氏は「その結果、アディダス(Adidas)やアンダーアーマー(Under Armour)といった競合ブランドの検索が減り、それが売り上げ成長に影響を及ぼすことも多いのです」という。

多くの女性がフィットネス向けのプラスサイズのアイテムを見つけるのに苦労していて、小売業者もマーケティングでプラスサイズの女性に注目することはまずない。

「プラスサイズの服を押し出しているスポーツウェア・ブランドはあまりありません。だからこそ、ナイキはそれを非常に巧みに利用していて、プラスサイズをめぐる問題に注目が集まることは、売り上げという意味で、彼らにとって幸先の良いことでしかないのです」と、ソロモン氏は付け加えた。

マネキンたち

ナイキにはさまざまな体型のマネキンが。

Nike

ナイキがプラスサイズのコレクションを立ち上げたのは2017年。同社の担当者、サンドラ・キャレオン・ジョン(Sandra Carreon-John)氏によると、その次の年には「インクルーシブであることを示し、女性の消費者をインスパイアする」ため、北米の一部店舗でプラスサイズのマネキンを導入したという。

ロンドンの旗艦店に登場したプラスサイズのマネキンへの当初の反応は、人々を勇気づける選択であり、正しい方向へ向かう一歩だと、ポジティブなものが主だった。

しかし、ジャーナリストのタニヤ・ゴールド(Tanya Gold)氏はテレグラフの記事で、マネキンは太っていることを受け入れるよう奨励しているとして、これを批判した —— ゴールド氏は、マネキンが肥満に関連する健康上のリスクを否定するよう促していると主張、こうした動きは 危険だと考えている。

「ナイキの新しいマネキンは健康的なサイズ12ではなく、サイズ16ですらない —— がっしりはしているが、これは命にかかわるような体重ではない。マネキンは大きすぎる。彼女は脂肪であえいでいる」と、同氏は書いた。

ゴールド氏の記事は、プラスサイズでありながら健康的であることは不可能と主張するものだとして、ネット上で大きな批判を呼んだ。中には、体重を落とそうと呼びかけながら、スポーツウェア・ブランドがプラスサイズの消費者向けに宣伝する —— そうすれば、消費者はそれを着て運動できるはず —— ことを批判するゴールド氏は、非論理的だと指摘する声もある。

[原文:Nike's controversial plus-size mannequin is a brilliant business decision]

(翻訳、編集:山口佳美)

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