ファーウェイのコンシューマー事業部門CEO、リチャード・ユー氏。
REUTERS/Hannibal Hanschke
- ファーウェイは独自OS「鴻蒙(HongMeng)」のリリースに全力で取り組んでいる。
- ロイターは、ファーウェイはヨーロッパ、および少なくとも9カ国で「鴻蒙(HongMeng)」の商標登録を申請したと伝えた。
- また国営の英字新聞チャイナデイリーは、ファーウェイは独自OSを搭載した端末を100万台準備したと伝えた。
- 同社は2020年はじめの独自OSリリースを目指している。
ファーウェイは、グーグルが同社とのすべての関係を断つ可能性があるという深刻な問題の中、独自OSを市場に送り出す努力を続けている。
トランプ大統領が同社をブラックリストに載せ、アメリカ企業との取り引きを事実上禁止したことを受け、グーグルはファーウェイへのアンドロイドOSへの提供を打ち切ると発表した。
その対応策として、世界第2位のスマートフォンメーカーであるファーウェイは独自OSに注力、コンシューマー事業部門CEO、リチャード・ユー氏によると、同社は2020年はじめまでにリリースする計画を掲げている。
「現在、ファーウェイはマイクロソフト・ウィンドウズ、グーグル・アンドロイドにコミットしている」と同氏は5月、CNBCに語った。
「だが使用できないなら、ファーウェイは独自OSを使用するプランBを用意している」
そして今、2つのニュースを見ると、ファーウェイが「鴻蒙(HongMeng)」と伝えられた独自OSに全力で取り組んでいることが分かる。
ロイターは、同社は、ヨーロッパと、ペルー、カンボジア、カナダ、韓国、ニュージーランドなど少なくとも9カ国で「鴻蒙(HongMeng)」の商標登録を申請したと、国連の世界知的所有権機関(WIPP)のデータを引用して伝えた。同社はすでに中国では商標登録を完了していると見られている。
OSの商標登録に加えて、ファーウェイはまたテスト機の出荷も行っている。投資銀行Rosenblatt Securitiesが出した数字を引用して、国営の英字新聞チャイナデイリーは、ファーウェイは独自OSを搭載した端末を100万台準備したと伝えた。独自OSはすべてのアンドロイドアプリとの互換性を持つとされている。
我々はファーウェイにコメントを求めたが、返答はまだない。
仮にファーウェイが無事に独自OS「鴻蒙(HongMeng)」をリリースできたとしても、同社は世界有数のスマートフォンメーカーの座をかけた戦いに直面する。
サムスン、アマゾン、マイクロソフトといった大企業がこれまでにアンドロイド、iOSに挑み、破れている。
(翻訳、編集:増田隆幸)