名刺アプリのSansanが明日19日にマザーズ上場、知っておくべき組織・ビジネス・成長戦略

Sansan創業者の寺田親弘氏

Sansan創業者の寺田親弘氏。

法人向け名刺アプリ「Sansan」で国内トップシェアをもつベンチャー、Sansanが6月19日、東証マザーズに上場する。

創業者の寺田親弘社長は現在42歳。

2007年の創業から丸12年、ベンチャーキャピタルなどから総額100億円以上の資金を調達し、「それ、早くいってよぉ」でおなじみのテレビCMを展開するなど、積極的なマスマーケティングを仕掛け、認知を獲得してきた。

広告宣伝費は、直近第3四半期までの累計で22億3707万円(有価証券報告書より)。売上高100億6900万円(2019年5月期業績予想)の企業としては、マーケティングに相当にアクセルを踏んでいるといえる。

SansanのようなSaaS型ビジネスの重要指標の1つとされる「月次解約率」は0.73%(2019年5月期 第3四半期末時点/目論見書より抜粋)。Sansan関係者は、月次解約率の低さは業界トップの水準だという。契約件数は、2019年5月期 第3四半期末時点で5738件と公表している。

公開情報から読むSansanの「組織とビジネス」

Sansan 最新業績予想

2019年5月期の業績予想。売上高ははじめて100億円を超える見通し。

Sansanは2019年3月31日時点(有価証券報告書より)で従業員数477人。主要事業には法人向けの「Sansan」と個人向けの「Eight」があるが、稼ぎ頭のSansan事業は269人、Eight事業は62人がかかわっている。

直近1年で社員数は105人増加(同)したとするが、とりわけ営業人員については積極的な採用を続けていく方針だ。

寺田社長のBI独占インタビュー(2019年3月掲載)では、今後の方針として、3月時点で80人ほどだった営業人員を、「今後1年半で約3倍(230人)ほどに拡大させる予定」と語っている。

Sansan創業者の寺田親弘氏

Sansanの技術的強みについて、寺田氏は「我々が創業から取り組んできたのは、(中略)名寄せの技術を作ること」だと語る。社内には、約30人のデータサイエンティストがおり、“その人物といつどこで出会い、誰とつながりがあるか”といった情報を、法人顧客の資産として使えるようなサービス強化を進めている。

「MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)などに入っている情報も、Sansanのもとに統合できるようにしていこうとしています」(寺田氏)という発言には、Sansanがユーザー企業から預かった名刺データを、外部サービスとも連携させてさらに「価値化」することを成長戦略に据えていることが端的に表れている。

なお、5月16日時点の公開資料によると、筆頭株主は寺田氏(持ち株比率は37.10%)で、1092万株を所有。続いて、DCM Ventures China Fundの6.9%、INCJ(旧産業革新機構)5.91%と続く。公募・売り出し価格は4500円。

気鋭ベンチャーの大型上場としては2018年にメルカリがおなじく東証マザーズに上場したが、初日に5300円の終値がついたものの、直近は3000円前後の取引が続く状況になっている。

(文・伊藤有、撮影・岡田清孝)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中