ボリス・ジョンソン氏。
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- ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏がイギリスの首相になると、スコットランドでは独立に賛成する声が高まりそうだ。
- 最新の世論調査によると、有力候補であるジョンソン氏が保守党党首になれば、スコットランドの人々はイギリスからの独立に賛成票を投じるだろう。
- スコットランドでは、ジョンソン氏は"争いの種"だ。その支持率は、不支持率を37%下回る。
- 雑誌『スペクテイター(Spectator)』で編集者として働いていたとき、ジョンソン氏は「害虫のような」スコットランドの人々を「駆除する」というジョークの詩を掲載していた。
最新の世論調査によると、スコットランドの人々は、ボリス・ジョンソン氏がイギリスの首相になれば、イギリスからの独立に賛成票を投じるだろう。
イギリスのオンライン調査会社「パネルベース(Panelbase)」がスコットランドの有権者を対象に実施した世論調査によると、現在は過半数を占めているスコットランド独立に反対している人々は、元外相のジョンソン氏がイギリス首相になれば、その意見を変えそうだ。
イギリスからの独立を支持するかどうか尋ねたところ、51%が独立には反対と回答し、わずかに賛成(49%)を上回った。
しかし、ジョンソン氏がイギリス首相になったらどうかと尋ねると、53%が独立に賛成、反対は47%と逆転した。
世論調査の結果
緑が独立に賛成、赤が反対。上がメイ首相の政権下、下がジョンソン氏の政権下での考え。スコットランド人有権者1024人が回答した。
Business Insider
この世論調査の結果、ジョンソン氏がスコットランドでは"争いの種"であることが分かった。同氏の支持率は、不支持率を37%下回った。これまでの共和党党首の候補で、これほど不支持率が高い候補はいなかった。
Business Insiderが報じたように、ジョンソン氏は雑誌『スペクテイター』で編集者として働いていたとき、「害虫のような」スコットランドの人々を「駆除する」というジョークの詩を掲載していた。
また、スコットランド人がイギリス首相になるのを阻止すべきとのコラムも書いていた。
スコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード(Ian Blackford)議員は6月19日の首相への質問でこの記事を引用し、メイ首相に対し、ジョンソン氏の詩について尋ね、同氏を「人種差別主義者」と批判した。
ジョンソン氏のスコットランドに対する見方について尋ねられたメイ首相は……
週末に報じられた別の世論調査では、ジョンソン氏のプライベートな生活が明らかになるにつれ、その支持率が低下していることが分かった。
イギリスの日曜紙『メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)』の世論調査によると、ジョンソン氏がイギリス首相に最適と考える有権者は29%、同氏と保守党党首の座を争うジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)氏が最適と考える有権者は32%だった。
スコットランド国民党はこの調査結果を歓迎している。
「これは(スコットランドの)独立が手の届く距離にあることを示す、素晴らしい調査結果だ」と、同党のキース・ブラウン氏は述べた。
「ボリス・ジョンソンがイギリス首相になるという悪夢のようなシナリオが現実にならなくても、国民投票が実施されるのは間もなくだろう —— だが、彼が予想通り勝てば、独立を支持する声は急激に高まるだろう」
[原文:Scottish people would vote to leave the United Kingdom if Boris Johnson becomes prime minister]
(翻訳、編集:山口佳美)