ビル・ゲイツ、現代の大手テック企業はMSの独禁法裁判の過ちに学んでいる

ビル・ゲイツ、現代の大手テック企業はMSの独禁法裁判の過ちに学んでいる

2018年4月18日、ロンドンでで開催された「マラリア・サミット」でスピーチするビル・ゲイツ氏。

Jack Taylor/Getty Images)

  • マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏は、現在のテック企業は、1990年代から2000年代はじめにかけて、同社が独占禁止法に違反した疑いで訴えられた件から、教訓を得ていると語った。
  • またゲイツ氏は、現在のテック企業は社会の中で極めて重要な役割を果たしていることから、さらなる規制の必要と述べた。
  • 今回のゲイツ氏の発言は、アップル、フェイスブック、グーグルといった大手テック企業が、その規模と市場に対する影響力、さらにはユーザーデータの収集・保護の方法について厳しい視線を向けられている状況を受けたものだ。

アマゾン、フェイスブック、グーグル、アップルといった大手テック企業は、その規模と影響力の巨大さゆえに、近年、厳しい視線が向けられている。民主党所属の上院議員で、2020年の大統領選に候補者として名乗りをあげたエリザベス・ウォーレン氏は、新たな規制の必要性を訴え、大手企業の一部を分割するとともに、自社が運営するマーケットプレイスのなかでの事業に制限を加えようとしている。

マイクロソフトの共同創業者で、現在は慈善活動家のビル・ゲイツ氏は、20年以上前に同様の独占禁止法違反問題に取り組んだ。そしてシリコンバレーの大手企業は法廷闘争に失敗したマイクロソフトの経験から学んでいると語った。

「私は創業間もない時期に、ワシントンD.C.にオフィスを作らないことを自慢した。だがその後、自らの発言を後悔した。なぜなら、ワシントンD.C.をバカにするような行為になってしまったから」とゲイツ氏はエコノミック・クラブ・オブ・ワシントンDCで語ったとCNNは伝えた

「今では(他のテック企業は政界に)積極的に関与している」

1998年、アメリカ司法省はマイクロソフトがPC市場での独占的な地位を強化するために不公正な戦略を用いているとして同社を訴追した。裁判所はマイクロソフトをOS部門とソフトウエア部門の2つに分割することを命じたが、その後この決定は差し止められ、その後、控訴審で分割の必要なしとの判断が下された。

グーグル、フェイスブック、アップルといった企業が、独占禁止法違反の疑いから、ユーザーデータの収集・保護の方法に至るまで、多くの議論を呼び、批判されている今、ゲイツ氏は大手テック企業の規制強化を求めている。

特にここ数年、フェイスブックはプライバシー関連の不祥事が次々に浮上している。なかでも最大のものは2018年、トランプ大統領の選挙運動にも関わっていたデータ分析企業のケンブリッジ・アナリティカが、フェイスブックの膨大なプロフィール情報から密かにデータを収集していたことが発覚した件

CNNによると、ゲイツ氏は「テクノロジーがこれほどまでに中心的なもととなったことで、各国の政府は『これは選挙にどのような影響を与えるのか?』と考えざるを得なくなっている」と語った。

「いじめについてはどんな影響があるのか? 当局の通信を盗聴して、財政面での動きをつかんだり、薬物の取り引きで得た金のロンダリングに利用することについての影響は? そう考えると、政府の関与は必要になる」

ゲイツ氏はさらに、テクノロジーが有益な方法で使われるためには、政府による規制が重要になるだろうと続けた。

「人々がメディアを消費する方法の現状を見ると、プラス面がマイナス面を上回るよう、なんらかの関与が必要な領域に達している」と同氏は述べた。

一方、マイクロソフトの訴訟において、専門家として裁判官に助言を行う特別補助裁判官に任命されたローレンス・レッシグ(Lawrence Lessig)氏は、マイクロソフトの訴訟は「21世紀はじめのシリコンバレー・ブームを生み出すための絶好の環境を作り出した」と以前、Business Insiderのインタビューで述べた。

「我々はこの教訓を学ぶべき」

[原文:Bill Gates says today's big tech companies have learned from Microsoft's mistakes in its big antitrust battle

(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:増田隆幸)

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