2019年6月26日の気温分布。
TropicalTidbits.com
- フランス、ドイツ、スペイン、スイス、ポルトガルなどの国々では26日水曜日からサハラ砂漠からの熱い空気を伴った大規模な熱波の襲来が予想されている。
- 予報によると、今週、気温は45℃まで上がる。
- スペイン人気象学者は「地獄が来る」とツイートした。
- 2003年8月、同じような熱波によってフランスでは約1万5000人が死亡。パリ市当局はすでに警戒態勢に入った。
- 科学者たちは、熱波は地球温暖化が原因で、各国が温室効果ガスの排出量を今すぐ削減しなければ、さらなる熱波に襲われると警告している。
西ヨーロッパは今週、猛烈で危険、そしておそらく命にかかわるほどの熱波に襲われ、気温は摂氏40度(華氏104度)まで上昇すると見られている。
フランス、スペイン、ポルトガルなどでは、26日水曜日から記録的な高温が予想されている。一方、他のヨーロッパ諸国も例年よりもはるかに高い気温になるだろう。
熱波がいつ終わるのかは分からない。
科学者たちは、サハラからの熱風を呼び込んでいる、大西洋上の暴風雨と中央ヨーロッパの高気圧の組み合わせが原因としている。
「6月27日までに、熱波はピークを迎えると予想され、ヨーロッパを覆う高温は多くの地点で36℃を超え、40℃を超える地方もある。火災の危険を避け、健康に注意してください」
各地の予報は以下のとおり。
- フランスの一部の地域では、26日水曜日に39℃に達する可能性があると、フランス気象局は伝えた。
- フランス南部では28日金曜日に45℃に達すると予想されていると気象学者ギヨーム・ウォズニカ氏はツイートした。
- BBCによると、ベルリンは27日木曜日までに38℃になると予想されている。フランクフルト、ハンブルクなどでも30℃台半ばになる。
- スペインの国立気象庁は、スペインの大部分の地域は26日水曜日に少なくとも36℃になると予想している。
- スイス気象庁は、26日水曜日からスイスの大部分は30℃を超え、ジュネーブでは26日水曜日と27日木曜日に37度に達すると予想している。
- ポルトガルの気温は30℃台半ばを超え、40℃を超える可能性もあるとAXIOSは伝えた。
- ポーランドの一部地域でも今週、気温は少なくとも35℃から40℃まで上昇すると見られている。これは例年を11〜17℃上回る気温とワシントンポストは伝えた。
スペイン国営テレビ「RTVE」の気象学者シルビア・ラプラナ氏は今週、「El infierno is coming.」というコメントとともに予想気温の画像をツイートした。Infiernoはスペイン語で地獄の意味。
「地獄がやってくる」
この地域の人々はこのような高温に慣れていないため、突然の気温の急上昇によって熱中症などの病気になる恐れがあるとAXIOSは伝えた。
France24によると、2003年8月、今回と同様の熱波でフランス南部の気温が44.1℃を記録したときには、フランス全体でおよそ1万5000人が死亡した。
パリ市当局はすでに警戒状態に入っており、病院や介護施設に警戒態勢を敷き、学校は試験を遅らせているとBusiness Insiderのシネアド・ベイカーは伝えた。
エッフェル塔のすぐ近くにある噴水池には、涼を求める観光客やパリジャンの姿が。2019年6月24日。
Samuel Boivin/NurPhoto via Getty Images
ヨーロッパでは熱波は珍しくないが、今回は異常に早い時期にやってきた。専門家は、気候変動が熱波を頻発させていると考えている。
「この極端な気温の上昇は、石炭、石油、天然ガスの燃焼による温室効果ガスの増加が引き起こす地球温暖化の結果として、まさに科学的に予測されたもの」とポツダム気候影響研究所の気候学者ステファン・ラームストーフ氏はAPに語った。
各国が温室効果ガスの排出量をすぐに削減しなければ、今回のような熱波は悪化し続けると科学者たちは警告している。
ローマのパンテオンの前にある噴水で涼をとる観光客。
REUTERS/Yara Nardi
最近、世界中で起きている熱波は命にかかわるものであることは証明されている。
CNNによると、インドでは30日以上続く熱波で少なくとも36人が死亡した。
インド西部のチュルーでは6月1日、気温は50℃を超えたとCNNは伝えた。
(翻訳:Toshihiko Inoue、編集:増田隆幸)