シロフクロウ。
Photo by Stefan Sauer/picture alliance via Getty Images
- ロシアの首都モスクワで毎年開催されているロシア国防省の展示会に、ものすごく疲れた顔をしたシロフクロウのような戦闘監視ドローンが登場した。モスクワ・タイムズが6月25日に報じた。
- この無人ドローンは敵に見つからずに、相手を追跡することができる。レーザーを装備していて、ロシア軍の爆弾を特定の場所に誘導することもできる。
- 近年、その見つかりにくさから、多くの国が生物を模倣したドローンの実験を行っている。
ロシアは、猛禽類を模倣した新たな戦闘監視ドローンを開発した —— フクロウだ。モスクワ・タイムズが6月25日に報じた。
口いっぱいの電子機器を喉に詰まらせたシロフクロウのようなこのドローンは、ロシア国防省が毎年開催している展示会に登場した。この無人ドローンはレーザーを装備していて、ロシア軍の爆弾を誘導することもできるという。
重さはわずか5キログラムで、1人で運用することが可能だと、開発者はロシアの国営通信社イタルタス通信に語った。この会社ではハヤブサ型のドローンも開発している。同社によると、ドローンは最大で40分間、20キロメートル飛ぶことができるという。
鳥のように見えるドローンの開発は、ロシアの無人航空機の開発者が近年、集中して取り組んでいるコンセプトだ。例えば、ジュコフスキー・ガガーリン空軍士官学校は2018年、フクロウ型のドローンを発表している。
Center for Naval Analysesのリサーチ・アナリスト、サミュエル・ベンデット(Samuel Bendett)氏は当時、「興味深いのは、ロシアのデザイナーたちが無人航空機を創造的に考えていることだ」とC4ISRNETに語った。ベンデット氏は「生物模倣 は『一般的な見た目の無人航空機なら発見、排除されていたであろう』場所で無人航空機の運用を可能にする」と説明した。
同氏は、「フクロウやハヤブサ、ワシが多いロシアの一部地域では、鳥のように見える無人航空機はかけがえのない情報収集、警戒監視及び偵察(ISR)活動のアセットになる」と指摘、「風景の中に『隠れる』ことができる」と語った。近くで見ればドローンだとすぐに分かるが、遠くから見れば飛んでいる鳥と見分けるのはかなり難しくなる。
2018年の展示会のデザイン目標は、戦車やその他の乗り物を追跡し、直接攻撃することだった。
生物を模倣したドローンは風変りだが、新しいコンセプトではない。
2016年には、ソマリア政府のものと見られる鳥のような形のドローンが首都モガディシュで墜落した。カナダでは、空港から鳥を追い払うため、鳥型ロボットを使ったテストが行われた。中国も国内の監視のため、ハト型の偵察ドローンを開発している。
[原文:Russia's new drone looks like a snowy owl, and it has a deadly purpose]
(翻訳、編集:山口佳美)