ウォークマン誕生40周年、1800年代から現代までの音楽の聞き方を振り返る!

ウォークマン40周年

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  • ウォークマンは1979年にソニーが発売したポータブルカセットテーププレーヤー。今年、誕生40周年を迎えた。過去、何十年にもわたって音楽業界を支配した。
  • レコード音楽は蓄音機とともに、およそ150年前に始まった。トーマス・エジソンが発明した蓄音機は、薄い金属箔を取り付けたシリンダーを回転させ、そこに音楽を記録した
  • もちろん、音楽の聞き方はその時から大きく変わっている。我々はどのように音楽を聞いてきたのか、1800年代から振り返ってみた。

80年代の映画を見れば、皆が腰に留めているか、手に持っている“モノ”に気づくだろう。

ウォークマンだ。

発明されたのは40年前の1979年だが、ウォークマンはレッグウォーマーとレーガノミクスがアメリカを支配していた時代を象徴するものだった。ウォークマンの登場によって、人々は音楽を外に持ち出せるようになった。

以来、我々はCDやiPod、そして今ではSpotifyやApple Musicのようなストリーミング・サービスの時代へと進化してきた。ウォークマンの登場が当時、どれほど革命的なものだったか、そして、およそ150年の歴史を持つレコード音楽が大きく変わった瞬間だったことを思い返すことは難しい。

だからこそ、我々はどのように音楽を聞いてきたのか。1800年代から現代までを振り返ってみた。

1877年、エジソンが蓄音機を発明。ニューヨーク・タイムズは、蓄音機の発明は「我々の社会的習慣に重要な変化をもたらすだろう」と伝えた。だが1877年には蓄音機はまだ、完璧とはほど遠いものだった。エジソンはその後、50年以上にわたって改良を続けた。

エジソンと蓄音機

Hulton Archive/Getty Images

出典 :The New York Times,The New York Times

蓄音機は、薄い金属箔を取り付けたシリンダーをハンドルやギアを使って回転させ、角笛のような部分から音を吹き込んで、録音した。振動が針を動かし、金属箔に音を記録した。これが「レコード音楽、あるいは録音の始まり」だったとニューヨーク・タイムズは伝えた。しかし、録音できるのは1回だけ、音質も良いものではなかった。

蓄音機を使う人物

Rischgitz/Getty Images

出典 :The New York Times,The New York Times

その後すぐに、エジソンのライバル、グラハム・ベルが蓄音機を完成させたように思えた。1886年、ベルは「グラホーン(Graphophone)」の特許を取った。エジソンのアイデアを使っていたが、シリンダーをワックス・シリンダーに変えた。何回も録音できるようになった。

グラハム・ベルのグラホーンの広告

1902年、コロンビア・ディスク・グラホーンの雑誌広告。広告は2つの特徴をアピールしている。グラホーンの携帯性と「平らで、壊れないレコード盤」。

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出典 :The New York Times,The New York Times,Britannica

1888年、エミール・ベルリナーは、平らな円盤に録音するレコード盤蓄音機を発明、「ワッフル焼き器を使ってワッフルを焼くように」レコードを複製することが可能になったとニューヨーク・タイムズは伝えた。

エミール・ベルリナーが発明したレコード盤蓄音機

SSPL/Getty Images

出典 :The New York Times

当初、レコードはガラス製だった。レコードの発明は、その後、数十年にわたって音楽を聞く、そして音楽を録音するための主要な方法となった。

1922年、ロンドンのデパート「ハロッズ」で行われた蓄音機のデモンストレーションで踊るプロのダンサー。

1922年、ロンドンのデパート「ハロッズ」で行われた蓄音機のデモンストレーションで踊るプロのダンサー。

Photo by Topical Press Agency/Getty Images

出典 :Smithsonian Institute

1940年代までに、ラジオが音楽やニュース、さらには大統領の演説を聞く、最もポピュラーな方法になった。ラジオはすぐに情報を伝え、エンターテイメントを提供する最も良い手段となった。40年代にはトークショーが人気となった。米公共放送のNPRによると、アメリカ人は「毎日3〜4時間」ラジオを聞いた。

ラジオを聞く一家、1940年代。

Lambert/Getty Images

出典 :NPR

1950年代には、ジュークボックスが人気となった ── 最盛期には、ダイナー、カフェ、ナイトクラブなど、アメリカ国内に70万台以上のジュークボックスがあった。しかし、10年ほどでジュークボックスの人気は急激に下がった。

ジュークボックスは1950年代に大人気となった

H. Armstrong Roberts/ClassicStock/Getty Images

出典 :The New York Times

ラジオは依然として高い人気を誇っていたが、レコードが20世紀半ばまでに人々が音楽を聞く主な方法となっていった。当初はガラスやワックスのような素材で作られていたが、すぐにビニル樹脂を使って、より簡単に作られるようになった。そしてレコードは、音楽を聞くことを社交の場や家族で聞くものから、より個人的な趣味に変えた。

レコードは20世紀半ばまでに人々が音楽を聞く主な方法となっていった。

Debrocke/ClassicStock/Getty Images

出典 :The Smithsonian Magazine

8トラックの人気は長くは続かなった。1964年にビル・リアが発明した「ステレオ8」フォーマットの人気はすぐにカセットプレーヤーに奪われた。1970年代はじめ、カセットプレーヤーの登場により、人々は自分で好きな音楽を録音できるようになった。

8トラックのテープ・プレーヤー。

8トラックのテープ・プレーヤー、1974年。

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出典 :The New York Times

1981年、ニューヨーク・タイムズは、カセットプレーヤーは「最も欲しがられている贈り物」と伝えた。人々は録音された音楽を聞くだけでなく、自分で簡単に録音もできるようになった。ミックステープ時代の始まりだ。人々はラジオに流れる音楽を録音できるようになった。

カセットプレーヤーを手にする「ディープ・パープル」のボーカル、デイヴィッド・カヴァデール。1974年。

カセットプレーヤーを手にする「ディープ・パープル」のボーカル、デイヴィッド・カヴァデール。1974年。

Fin Costello/Redferns

出典 :The New York Times

おそらく視覚的に最も象徴的なデバイスである大型のラジオカセットプレーヤーは、どこでも大音量で音楽を再生できるデバイスとして70年代半ばに人気を集めた ── 約「150デシベルの重低音」が特徴とNPRは伝えた。だがNPRによると、80年代にはニューヨークなどの都市で騒音条例が導入された。すぐにポータブルカセットプレーヤーの時代がやってきた。

70年代半ばに人気を集めた大型のラジカセ。

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出典 :NPR

40年前の1979年7月1日、ソニーのウォークマンが発売された。世界初のポータブルカセットプレーヤーとして、人々の音楽の聞き方に革命を起こした。当時、価格は150ドル、すぐにソニーのベストセラー商品となり、400万台が売れた。

ウォークマンで音楽を聞く人たち。

Dick Lewis/NY Daily News Archive via Getty Images

出典 :Business Insider

だが、古典的なブルーとシルバーのウォークマンはすぐには売れなかった。当初、販売は低迷した。マーケティングキャンペーンとして、ソニーの社員は日本で道行く人に、ウォークマンで音楽を聞くなら、どんな音楽を聞きたいかを聞いた。キャンペーンは大きな成果を出した。

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初代ウォークマン、ソニーTPS-L2、1979年。

Kim Kyung-Hoon / Reuters

Vergeによると、ソニーは2010年、カセットテープ・ウォークマンの生産を停止した。

出典 :History,The Verge

ウォークマンは大人気となり、1983年にカセットテープはついにレコードの売り上げを上回り始めた。だが、新しい音楽フォーマットが登場した。コンパクト・ディスク(CD)だ。

ウォークマン40周年

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出典 :Time

1982年、コンパクト・ディスク、いわゆるCDが登場した。ギズモードによると、CDのアイデアは1979年、フィリップスとソニーの会議から生まれた。2社は小さくて薄く、約74分の音楽を持ち運びできるものを求めていた。

コンパクトディスク(CD)を持つ女性

Bettmann

だが、最初のCDプレーヤーは平均的な消費者には高すぎたようだ。価格は1000ドル、現在の価格に換算すると約2600ドル。一般に浸透するまでには時間がかかった。

出典 :Gizmodo

ソニーが最初のポータブルCDプレーヤーを発売したのは、CD登場の2年後。ディスクマンは「これまでで最も小さく、軽いCDプレーヤーであり、そのサウンドは、そのサイズにかかわらず、ほぼすべてのモデルに匹敵する」とニューヨーク・タイムズは伝えた。1984年、価格は200ドル以下だった。

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初代のソニー・ディスクマン、D50、1984年。

Wikimedia Commons

出典 :The New York Times

ライターのグレッグ・ミルナー氏によると、CDはすぐに「歴史上、最も早く成長したホームエンターテインメント製品」となった。CDセールスは1988年にレコードを抜き、1991年にカセットテープを抜いた。ピークは2000年、世界中で約25億枚のCDが売れた。

CDはすぐに「歴史上、最も早く成長した。

Fairfax Media/Fairfax Media via Getty Images

出典 :The Guardian

だがデジタル時代がCDの終わりの始まりを告げた。ナップスター(Napster)の登場によってMP3が人気となり、インターネットユーザーは初めて、無料で音楽をダウンロードし、共有できるようになった。ナップスターはアメリカレコード協会(Recording Industry Association of America:RIAA)からの批判を受け、2001年に閉鎖を余儀なくされた。

だがデジタル時代がCDの終わりの始まりを告げた。

Portland Press Herald via Getty Images

出典 :The Daily Beast

デジタル時代は2001年11月、アップルのCEOスティーブ・ジョブズが最初の音楽プレーヤーを発表したときにさらに進展した。iPodの登場だ。iPodは399ドル、マックのように簡単で使いやすいと言われた。1000曲を持ち運ぶことができた。

iPod

Justin Sullivan/Getty Images

出典 :The New York Times

2001年、アップルは5種類のiPodを展開した。クラシック、ミニ、ナノ、シャッフル、タッチだ。アップルはまたデジタルメディアプレーヤー「iTunes」を発表した。

さまざまなタイプのiPod

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アップルは2019年5月、MacOSの次のメジャーアップデートでiTunesを廃止すると発表した。ワーナーミュージックグループの元エグゼクティブ・バイス・プレジデントはiTunesは「デジタル音楽ビジネスを発明した」と2013年、Vergeに語った

出典 :Business Insider

21世紀になると、YouTubeをはじめ、Pandoraなどのインターネットラジオ、Apple Music、Tidal、Spotifyのようなストリーミングサービスが人気となった。最も人気のストリーミングサービス、Spotifyは1億人以上の有料ユーザーを抱えている。毎年、デジタルミュージックのセールスは伸びているが、物理的なモノからデジタルへの移行により、音楽業界は大きな金額を失っている。

毎年、デジタルミュージックのセールスは伸びているが、物理的なモノからデジタルへの移行によって、音楽業界は大きな金額を失っている。

Mairo Cinquetti/NurPhoto via Getty Images

出典 :Reuters,The New York Times

未来は誰にも分からない。だが、レコード音楽はその慎ましいスタートから大きく違ったものになっていることは間違いない。

未来は誰にも分からない。だが、録音された音楽はその慎ましいスタートから大きく違ったものになっていることは間違いない。

Ian Waldie/Getty Images




[原文:The Walkman is turning 40 this year — here's how listening to music has changed over the years

(翻訳、編集:増田隆幸)

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