日本人の「消費行動」最新事情:みんなが「パルス型消費」で物を買い始めた

グーグルが6月28日、都内で開催したセミナーで登壇した小林伸一郎 マーケットインサイト統括部長(日本・韓国)。

グーグルが6月28日、都内で開催したセミナーで登壇した小林伸一郎 マーケットインサイト統括部長(日本・韓国)。

撮影・大塚淳史

現在の日本人が、消費行動を起こすきっかけはどのようなものか。

グーグルは6月28日、都内で「ショッピングに関する調査のメディアセミナー」を開催し、日本国内におけるオンラインでの一般消費財購入の普及や動向について調査。その結果を報告した。未知の商品であっても、ちゅうちょ無く購入する人々が増えていることがわかった。

これをグーグルは「パルス型消費行動」(後述)と呼ぶ。

グーグルは半年に1回はECサイトを通じて消費財や耐久材を購入する、15〜64歳の男女1万人を過去6カ月に渡って調査した。

グーグルが開催した「ショッピングに関する調査のメディアセミナー」の資料

現在の日本人は未知の商品でもちゅうちょ無く購買するようになった。

撮影・大塚淳史

スマートフォンの普及で、人々の消費行動は大きく変わってきた。例えば、InstagramなどSNSを活用し、投稿画像に写るモデルの服が気に入れば、そのままスマホ画面に触れて商品の購入がすぐできるなど、より購買に対する垣根が低くなっている。

パルス型消費行動とは「瞬間的に“買いたい”と感じ購買に至る行為」

グーグルが開催した「ショッピングに関する調査のメディアセミナー」の資料

パルス型消費行動とは、未知の商品でもちゅうちょ無く購買する。

撮影・大塚淳史

グーグルの小林伸一郎 マーケットインサイト統括部長(日本・韓国)は、調査結果から見えた、現在の日本人の購買活動の特徴を「パルス型消費行動」と定義づけている。

「例えば、人々がスマホを眺めている時、偶然見た商品をその場でちゅうちょ無く買ってしまう。今は24時間、買い物のタイミングがあって、暇を見つけてはスマホを使う。一連の行動の中で、瞬間的に買いたいと思うことがあって、(実際に直後に)買うことがある。これが『パルス型消費行動』です」(小林氏)

これまでは、人々が何かを購買する際にはある程度時間をかけて、買いたい気持ちを醸成させていく消費行動が中心だった。こうした考え方と、パルス型消費行動は対照的だ。

さらに、グーグルが行った調査によると、人々の購買行動の変化は、購買目的にも見られるという。これまでの購買行動の基本は、具体的に買いたい商品があるから店やECサイトを訪れていた。

「今の人々は何かを買うために店やECサイトにいる時は、具体的にまだどの商品を買うとは決めていないことがわかってきました。シャンプーが必要だとは思っているが、(ブランドや商品名など)何のシャンプーかまでは決めていません」(同)

なんとなくスマホを眺めて、情報を検索していく中で、偶然行き当たった情報を目にする。それがきっかけで突然、購買意欲が刺激されて、その刺激が十分であると一連の流れで買ってしまう。

パルス型消費行動というのは、商品を買い物する意識が無い状態から始まっている。

パルス型消費行動のキー「6つの直感センサー」

ここで鍵となってくるのが、そのパルスを発生さえるきっかけをどうやって見極めるか。商品を売る側にとっては非常に重要だ。

小林氏は「6つの直感センサー」が鍵になるという。

  1. セーフティ:「より安心安全なもの」に反応する直感センサー
  2. フォーミー:「より自分にぴったりだと思うもの」に反応する直感センサー
  3. コストセーブ:「お得なもの」に反応する直感センサー
  4. フォロー:「売れているもの」や、「第三者が推奨するもの」に反応する直感センサー
  5. アドベンチャー:「知らなかったもの」や「興味をそそるもの」に反応する直感センサー
  6. パワーセーブ: 「買い物の労力を減らせること」に反応する直感センサー

グーグルが開催した「ショッピングに関する調査のメディアセミナー」の資料

6つの直感センサー。

撮影・大塚淳史

「誰にでも、この6つのセンサーがあります。一般的な価値観とも違います。直感センサーというのはヒューリスティック(経験則的)なもので、一貫性はありません。そのときの状況、環境によっても変化する。

例えば、真夏の炎天下で働いていて、のどが渇いていくとしましょう。1キロ先でドリンクが80円で買えるとしても、目の前の自動販売機で120円のドリンクを買ってしまいます。直感センサーはそのシーンに反応します。

現在の日本人が買い物行動に影響を与えているか直感センサーは、セーフティやセーフやフォーミーが反応しやすかったです」(同)

マーケター向けには、次のような提案もあった。

「それまでの“知って・調べて・歩く(店に行く)”から、“知って・調べて・ヒット(購入したい商品に出会う)”に変わって、購買までのスピードが早くなりました。そのスピードにいかに自分たちの商品をあわせていくか、マーケティングしていくことが重要になってきます」(同)

パルス消費されやすいモノは、商材によって差がありそうだが、特に消費財メーカーなどには関係が深い調査といえる(あるいは、すでに「パルス消費」に着目してマーケティングを組み立てている可能性もあるが……)。

いかに直感センサーを刺激するか? ネット時代の「仕掛け方」は常に新しく変化し続けている。

(文・写真、大塚淳史)

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