トヨタ、インドネシアでのEV開発に20億ドル投資する理由

トヨタがインドネシアでのEV開発に20億ドルを投資する理由

トヨタのEVコンセプトカー、チェコ・プラハ、2019年4月13日。

REUTERS/David W Cerny/File Photo

  • この記事は、Business Insiderのプレミアム・リサーチ・サービス「Business Insider Intelligence」の調査レポートをもとにしています。詳しくは、こちら

ロイターによると、トヨタはEV(電気自動車)への取り組みを強化、今後4年間にインドネシアでのEV開発に28.3兆ルピア(20億ドル、約2200億円)を投資する。トヨタは詳細を明らかにしていないが、この投資は当初はハイブリッドカーの開発にあてられ、最終的にはフルEVの開発に移行すると見られている。

トヨタがEV開発拠点としてインドネシアを選んだ理由

  • インドネシアはEV用バッテリーの中核素材の主要生産国。EVに不可欠なリチウムイオンバッテリーの原料となるニッケル・ラテライト鉱石の埋蔵量が豊富。欧州トヨタの研究開発担当バイスプレジデント、ジェラルド・キルマン(Gerald Killmann)氏がカーアンドドライバーに語ったところによると、トヨタの現在のバッテリー生産能力は、年間にEV約2万8000台分、あるいはハイブリッド車150万台分。トヨタは2020年に新EV6車種の発売を計画しているため、すぐにバッテリー生産能力と原材料の調達能力を高める必要がある。
  • インドネシアはEV開発に積極的、トヨタは「規模の経済」の恩恵を受けることができる。三菱自動車現代自動車など、他の自動車メーカーもインドネシアに投資している。EVテクノロジーを開発している他の自動車メーカーに近接して開発作業を進めることは、バッテリーのような部品のコストを下げること以上に、サプライチェーンとインフラストラクチャーの効率化につながる。アメリカエネルギー省によると、2018年のリチウムイオンバッテリーの平均的な製造コストは1kWhあたり約175ドル、EVをガソリン車よりも安くするために必要な価格よりも1kWhあたり約50ドル高かった。さらにトヨタはすでにインドネシア国内で十分に認知されており、複数の生産施設とサプライチェーンを持っている。
  • インドネシアをはじめとする東南アジア地域の消費者は、EVの購入に関心を示している。トヨタのEV施設は、需要が高い市場への参入を容易にする可能性がある。日産自動車の調査によると、シンガポール、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンの消費者の3分の1以上(37%)がEVの購入を前向きに考えている。インドネシアだけで見ると、関心はさらに高い(41%)。

全体像 : トヨタのインドネシアへの投資は、同社のEV販売目標の達成と、急成長するEV市場で大きなシェアを得ることを可能にするだろう。

トヨタは、EVについての野心的な目標を前倒しし、その取り組みを加速させる方法を模索している。2017年、トヨタは2030年までに自動車セールスの半数をEVにするという目標を修正し、2025年までの目標達成を目指している。

トヨタはEVの発売に向けて準備を進めている。豊富な天然資源の入手を可能にするEV専用施設は、同社の生産計画を加速し、より多くのEV生産が可能になる。成功すれば、トヨタは急成長しているEV市場での地位を確固たるものにできる。

国際エネルギー機関によると、全世界でのEV台数は2018年の500万台強から、2030年には1億3000万台に達する。



[原文:Why Toyota is investing $2 billion to develop electric vehicles in Indonesia

(翻訳:Toshihiko Inoue、編集:増田隆幸)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中

あわせて読みたい

Popular

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み