アマゾンはレンタル業に参入する可能性がある。洋服レンタルサービスRent The Runwayで貸し洋服を選ぶ女性。
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- 所有よりもレンタルに関心を持つ若い世代が増えるにつれ、レンタル市場は拡大している。
- アマゾンは教科書のレンタル以外は、まだほとんどレンタルを行っていない。
- だが、アマゾンのウェブサイトに掲載された2つの求人情報は、それがもうすぐ変わる可能性があることを示している。
洋服や家具、道具などをレンタルしようと思ったとき、アマゾンを最初に思い浮かべることはない。2番目や3番目に思い浮かべることもないだろう。
というのも、アマゾンはまだレンタルサービスをそれほど提供していないから。学生向けに教科書をレンタルしてはいるが、その程度。
2019年はじめ、アマゾンは教科書に加えて、楽器のレンタルも開始した。だが、楽器のレンタルは現在は利用できない。すでにサービスは中止されたようだ。
Business Insiderはアマゾンにコメントを求めたが、返答はまだない。
だが、アマゾンがレンタルを行う可能性がないというわけではない。
最近、「Rentals by Amazon」というプログラムのために、アマゾンは2つのポジションの求人を出した。現在、まだ求人を受け付けているのは1つだけで、2018年12月に掲載された。もう1つは、2019年はじめに掲載されたが、すでに削除されている。
「このポジションでは、あなたはレンタルチームのソフトウエアエンジニアとしてチームに加わる」と求人情報には記載され、Worldwide Returns & ReCommerceというチームであることが示されていた。
「このチームに参加することは、リーダーとしての役割を果たす機会となり、拡張性、機能性の高いウェブサイトを定義し、構築する機会となる。またバックエンド(サービス)の業務をメインとしながら、フロントエンド(ウェブサイト)の業務にも取り組み、ビジネスのステークホルダーと直接やり取りを行う機会にもなる」
注目すべきは、この求人情報が「Amazon Rentals」のウェブサイトにあるロゴとは違う名称を用いていること。このポジションの拠点はワシントン州シアトルとなっているが、アメリカを拠点とした仕事なのかどうかは具体的になっていない。
アマゾンがレンタル事業の拡大を図っている決定的な証拠とは言えないが、同社にとっては最終的にはそうせざるを得ない可能性がある。顧客 ── 特に若い顧客 ── は従来の購入方法の代わりとなる選択肢を求めている。
「現時点でレンタルのウェブサイトは教科書だけを扱っているが、求人情報での表現や、複数の別のリンク先からたどった情報を見ると、アマゾンがもっと広い領域をカバーするために求人を行ったことが分かる」とJDA Softwareのジム・フール(Jim Hull)氏は語った。
実際、アマゾンが成長著しい業界を長期にわたって静観していることはない。特に、そこにチャンスを見い出しているならなおさら。
「アマゾンがこの方向性について検討したことがないと考えるのは浅はかだろう。なぜなら、同社はいわば全方向性を検討している」とレンタル企業オムニ(Omni)の創業者兼CEO、トム・マクロード(Tom McLeod)氏は語った。
「だが、アマゾンがこの分野への最初の参入者となるだろうか? 私はそうとはとても思えない」
[原文:Amazon job listings suggest the company may be ready to tackle a big new industry]
(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)