WeWork、利益にはほど遠い ── 1時間に3000万円の赤字

WeWorkのアダム・ニューマンCEO。

WeWorkのアダム・ニューマンCEO。

Jackal Pan/Reuters

  • コワーキングスペースを提供するWeWorkの企業評価額は470億ドル、だが同社はお金を失い続けている。
  • 同社は1時間あたり、約3000万円を失っている。2018年、WeWorkは損失、売り上げ、ともに倍増し、純損失は19億ドル、売上高は18億ドルとなった。
  • IPOに向け同社は、巨額の損失にもかかわらず、長期投資に値し、景気低迷にも耐えられると投資家を納得させる必要がある。

WeWork(ウィーワーク)は470億ドル(5兆円超)という巨額の企業評価額を誇っているかもしれないが、お金を失い続けている。フィナンシャル・タイムズによると、2019年3月までの12カ月間、同社は毎日1時間あたり21万9000ドル(約3000万円)を失い続けた。WeWorkは2010年に創業、現在はThe We Company傘下の企業として運営されている。

フィナンシャル・タイムズによると、2018年、WeWorkは損失、売り上げ、ともに倍増し、純損失は19億ドル、売上高は18億ドルとなった。同社は3月、2019年通期の売上高として30億ドルを見込んでいたが、2018年第1四半期の売上高は7億ドルとなった。

4月、アダム・ニューマンCEOはThe We Companyは2018年12月に非公開で上場申請書を提出していたことを発表した。The We CompanyはWeWorkのほか、コリビング事業のWeLive、「未来の起業家を育てる小学校」WeGrowを運営している。IPOに向け同社は、巨額の損失にもかかわらず、同社の大幅な成長は長期投資に値するものであると投資家を納得させる必要がある。

ソフトバンクの孫正義CEOはWeWorkの主要投資家であり、ニューマンのメンター(ニューマンの妻、レベッカは孫のことを「ヨーダ」に例えた)。

孫はWeWorkに100億ドル以上を出資している。2018年12月、ソフトバンクはWeWorkに160億ドルを投資すると見られていたが、最終的には60億ドルにとどまった。うち10億ドルは既存の株式への投資であり、同社のビジネスモデルに対する新たな精査が行われた。

WeWorkの不確実性は次の3点に要約できる。

  • ビジネスモデルの安定性(長期間のオフィスリースと短期間の利用者の組み合わせ、および不況時にはそれがどうなるか)
  • カテゴリー(WeWorkはテック企業なのか、不動産企業なのか?)

そして、3つ目の不安要素は

  • ニューマン自身、だ

ニューヨーク・マガジンのIntelligencerは2019年6月、ニューマンの紹介記事を掲載、面白いく理想主義的な人物として描いた。ニューマンは2018年夏、従業員に肉を含んだ食事を取ることを禁止した。2017年、ニューヨーク市立大学バルーク校で行った卒業記念スピーチでは、自身のニューヨークでの若い日々を振り返った。当時、彼はクラブに通い、「街中の女の子に声をかけた」。

自身の優れた能力について聞かれたとき、ニューマンはテレビ番組の登場人物を例にあげた(「ニューマンは、それが人を殺してパワーを奪う悪役であることには触れなかった」とニューヨークマガジンは記した)。

サーフィン好きのニューマンは、個人的な興味とWeWorkの境界線を曖昧にしているように見える。

人工波の施設でサーフィンを楽しめるようにするスタートアップ「Wavegarden」と、有名サーファーのレアード・ハミルトン(Laird Hamilton)が手がける「スーパーフード・スタートアップ」に会社を代表して投資している。スーパーフード・スタートアップは、ビーツとターメリック、カフェインを豊富に含んだコーヒー入のココナッツウォーター粉末「パフォーマンス・マッシュルーム」などを販売している。

だが、ニューマンの野心とセールスマンシップはWeWorkをわずか10年以内に評価額500億ドル近い企業へと急成長させた原動力と言える。

「世界中に数百のコワーキング企業があるが、WeWorkをそれらからはるかに際立たせてきたものは、WeWorkはもっと大きな何かだというニューマンの主張にほかならない」とニューヨーク・マガジンは記した。

WeWorkのウェブサイトによると、同社は743のコワーキングスペースをオープンしており、さらに36カ国以上の124都市にコワーキングスペースをオープンする。フィナンシャル・タイムズはWeWorkは2019年第1四半期には105都市に485のオフィスを有していると伝えた。ニューヨーク・マガジンによると、スタッフの数は1万2000人にのぼる。

またWeWorkは民間のオフィステナントとしてはマンハッタンで最大規模となった。

※敬称略


[原文:WeWork isn't even close to being profitable — it loses $219,000 every hour of every day

(翻訳、編集:増田隆幸)

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