バイト先店長でも友達でも!就職面接に“助っ人”連れて来てオッケー企業の理由

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就職の面接に、誰か一人助っ人を連れて行けるとしたら…あなたはだれを、連れていくか(写真はイメージです)。

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就職面接で、あなたのいいところを紹介してくれる「助っ人」を連れて来てもオッケーです——。

IT企業のガイアックスは2019年7月から、採用選考の一次面接の際に、入社希望者本人が、自分の長所を理解して売り込んでくれる第三者の同席を認める「面接助っ人」枠を開始する。連れてくる「助っ人」は、頑張ってきたアルバイト先の店長や、打ち込んで来たサークルの仲間、親でも友達でも彼氏でもいいという。ただし、人数は1人まで。

ガイアックスは新卒・中途を含む自社の採用選考で、毎月の受験者・合格者の数や学歴の内訳といったあらゆるデータを公開するなど、これまでも「採用の透明化」に力を入れてきた。面接の際に助っ人を頼むことで、就活生はじめ入社希望者は、客観的な視点を取り入れつつ、自分を最大限にアピールできるチャンスが得られる。

ガイアックスにとっても、より入社希望者が「分かる」面接にすることで「優秀な人材の獲得や、選考の効率化につながる」と見ている。

エントリーシートに推薦文、一次面接で応援者

ガイアックスが「面接助っ人」枠を設けるのは、新卒を含む30歳未満を対象とする「ポテンシャル採用」。同社の選考過程では、人事担当者による面接→事業部ごとの責任者による面接→役員面接の3つのステージがあり、それぞれの段階で、複数回の面接が行われるという。このプロセスで以下が加わる。

  • エントリーシートに第三者の推薦文を入れる枠が加わる。
  • 人事担当者による一次面接に、第三者を連れて来てもいい。

あくまで、「希望があれば推薦文を入れてもいい」「希望があれば連れて来ていい」という意味であり、推薦文がなかったり、助っ人を連れて来なかったりしたとしても、減点対象にはならない。

仮に連れて来た場合も、面接時間が長くなるわけではないので、自分が話す時間も考慮して、どう組み立てるかは入社希望者の自由だ。

求職者の本当の価値が分かる人

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面接で自分をアピールするのは難しい。企業も、その価値の評価は難しい。

Reuters/Yuya Shino

どうして、ガイアックスはこんな制度を始めるのか。同社の採用担当者で「面接助っ人」枠の発案者である流拓巳さんは、その背景をこう説明する。

「面接でアピールする『がんばってきたこと』は、人によってさまざまだと思うのですが、その内容によって伝わりやすいものと伝わりにくいものがある。

例えば、物理学のすごい研究をしたと言われても、面接官が文系で正確に理解することができないとすると、入社希望者にとって不利になります。それなら、その価値を理解できる第三者に、証明してもらうチャンスを作りたいと考えました」

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「助っ人面接枠」を考案した、ガイアックス採用担当の流拓巳さん。

撮影:滝川麻衣子

また、流さんは「本人の考えるアピールポイントと、周囲から見たアピールポイントは違うことも結構ある」と指摘。例えば、今の就活生の間では、「人気企業で長期インターンをした」「起業した」といった体験が、「面接に強い」と思われがちな傾向がある。

しかし、ガイアックスの実際の選考で、就活生が飲食業のアルバイトをしていたケースでは、こうだ。

「本人は飲食業のバイトは平凡だと思い込み、引け目を感じていたようですが、よくよく聞くと、アルバイト全員にモチベーションが上がるポイントをヒアリングした上で、会社の昇給基準と照らし合わせた指導をして、育成につなげていた。

例えば、この就活生の働くバイト先の店長を面接に連れて来たら、この就活生の真価がよく分かるだろうと考えたのです」(流さん)

連れてくる助っ人は、職業や年齢はとくに問わず「反社会的な存在でなければ基本、誰でもいい」という。ただし、面接は日本語対応だ。

面接で本質が出なければ、お互いに時間のムダ

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テクニックで取り繕った面接をするのはお互い、時間のムダ。

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さらに流さんは言う。

「こういう風に話したら面接でウケるというようなテクニックを磨くのではなく、本当にその人を表現できる面接をして、マッチングを検証する方が、本人にとっても企業にとっても一番いい」

だからこそ、面接自体に自由度を持たせて、就活生や転職希望者の本当のその人らしさが表れるような「チャンス」を作るのだという。

ガイアックスは、採用活動の多様化と透明化を進めており、すでに通年採用、毎月の選考状況のデータ公開、就活セクハラやパワハラ対策として6月には「ガイアックスの選考において不快だったこと」というアンケートを、同社の選考を受けた人たちに実施し、全容を公開している(有効回答数39のうち、「不快だったことがある」は4だった)。

採用選考を透明化し、就活や転職にまつわる疑心暗鬼や固定観念を取り払うことで、本当に効率的なマッチングができるとしたら、求職者にとっても、企業にとってもベストなはずとの考えだ。

(文・滝川麻衣子)

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