両親の亡命から33年…… 73歳の韓国人男性、北朝鮮に亡命

北朝鮮

Jorge Silva/Reuters

  • 韓国の元外務部長官の息子、チェ・イングク氏(73歳)は7月6日、北朝鮮に亡命した。
  • 韓国から北朝鮮への亡命は、非常にまれだ。
  • チェ氏の両親も5人の子どもたちを残して、1986年に韓国から亡命している。
  • チェ氏は6日、「わたしの残りの人生を、南北統一の実現のために捧げる」と語ったと、北朝鮮メディアは報じた。
  • 朝鮮半島は1948年に南北に分断され、厳密に言えば両国は今も戦争状態にある。

73歳の韓国人男性が、北朝鮮に亡命した。これは非常にまれなケースだ。

チェ・イングク氏が平壌に到着したのは、7月6日。チェ氏は北朝鮮に永久に住むつもりだと語ったと、北朝鮮の国営プロパガンダ・ニュースサイト「ウリミンゾッキリ(わが民族同士)」が報じた

チェ・イングク:韓国人亡命者の息子が北朝鮮に亡命

ウリミンゾッキリは、スーツにハンチング帽姿で平壌空港に到着し、花束を受け取るチェ氏の写真を投稿した。

NKニュースによると、毎年1000人を超える人々が北朝鮮から韓国に亡命するために命を危険にさらしている。だが、韓国から北朝鮮への亡命は、非常にまれだ。

北朝鮮の人々

川沿いでくつろぐ北朝鮮の人々(2017年7月)。

Wong Maye-E (Associated Press)

チェ氏の両親は、同氏を含む2人の息子と3人の娘を残して、1986年に韓国から北朝鮮に亡命していると、韓国の英字紙「コリア・タイムス」は報じた

チェ氏は、北朝鮮に亡命したのは南北統一のためだとし、自身の家族に対する金王朝の「大きな愛と気遣い」に感謝すると述べた。

その上で、「わたしの残りの人生を、金正恩委員長のリーダーシップの下で、南北統一の実現のために捧げるつもりだ」と語った。

金日成氏、金正日氏、金正恩氏

左から、北朝鮮の歴代最高指導者、金日成氏、金正日氏、金正恩氏。

AP; Getty; KCNA via Reuters

朝鮮半島は1948年に南北に分断され、その結果、多くの家族が離れ離れになった。

1950年には、武力によって南北を統一しようと北朝鮮が韓国に侵攻、戦争となった。その後、北朝鮮と韓国は休戦協定に調印したもものの、正式な講和条約を結んでいないため、厳密に言えば両国は今も戦争状態にある。

板門店

板門店(2017年7月)。

Chung Sung-Jun/Getty Images

韓国人が北朝鮮に入る場合、政府の許可を得ることが義務付けられている。ところがチェ氏は今回、韓国政府に許可を申請していないと、韓国の朝鮮日報は報じた

ソウルに拠点を置くNKニュースのオリバー・ホサム(Oliver Hotham)氏は、「チェ氏がどのように亡命したのか、具体的にはまだ分かっていない」と、BBCに語った

「だが、いったん中国に入ってから北朝鮮の支援を受ければ、韓国人が北朝鮮に入国するのはさほど難しいことではない」と、ホサム氏は言う。

コリア・タイムズは、チェ氏が母親の葬儀に参列するため、2016年に北朝鮮を訪れた際、韓国政府はチェ氏に許可を与えていたと報じている

ただ、チェ氏は今回、政府の許可を得ておらず、韓国に戻れば、違法行為で逮捕される可能性もあると、BBCは指摘している。

平壌

平壌(2017年8月)。

Reuters/KCNA

ニューヨーク・タイムズによると、チェ氏の父親であるチェ・ドクシン氏は、1960年代に韓国の外務部長官や西ドイツ大使を務めていた。

チェ氏の父親チェ・ドクシン氏と母親リュ・ミヨン氏は1977年にアメリカで亡命を申請し、1986年に正式に北朝鮮に亡命したと、同紙は報じている

夫妻はその後、北朝鮮で政治的な役割を果たした。

同紙によると、チェ・ドクシン氏は祖国平和統一委員会の副委員長などを務めたといい、韓国のKBSワールドラジオによると、リュ・ミヨン氏は北朝鮮の政党「天道教青友党」中央委員会の委員長だったという。リュ・ミヨン氏は最高人民会議のメンバーでもあったと、コリア・タイムズは報じている。

[原文:A South Korean man just defected to North Korea in an extremely rare case, 33 years after his parents did the same thing]

(翻訳、編集:山口佳美)

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