故宮とコラボしたウェットティッシュ(80枚入り)は30元。名創優品は「6歳の名創優品と600歳の故宮のコラボ!」と誇らしげ。
アリババのECサイト「天猫商城」より
「ユニクロと無印良品とダイソーを足して3で割った」日本風味の中国雑貨チェーン「名創優品(メイソウ、MINISO)」が7月3日、北京の故宮博物院の直轄企業「故宮宮廷文化」とコラボした新商品を発表した。
アロマグッズや香水など、「故宮」のイメージを帯びた高級感漂う商品を、10~50元(約160円~800円)の名創価格で販売。4日に微信のアプリやアリババのECサイトなどで予約注文を開始したところ、つながりにくくなるほど注文が殺到した。
暴動騒ぎになった「ユニクロ×カウズ」に続く、「高級ブランドとリーズナブルブランドのコラボ」の成功事例になりそうだ。
故宮宮廷文化は自社の商品開発のほか、ライセンスを供与し他社ともコラボしているが、これまでは高級ブランドとのコラボが中心だった。
「故宮×名創」のコラボ商品は、アロマ、雨傘、紙ナプキン、アイマスク、アクセサリーなど159商品で展開。最も安い10枚入りのウェットティッシュが10元で、最も高いアロマポットとスティックのセットが49.9元。オンライン予約の商品は7月末に消費者に届けられ、8月以降は実店舗でも販売する計画。
脱「パクリ」企業の道を着々と
故宮とコラボしたアロマ商品。ダイソー、ユニクロ、無印良品の影はない。
アリババのECサイトより
名創優品は日本に本社を置く日本ブランドの雑貨チェーンとして2013年ごろから店舗を拡大。だが実質的には中国企業で、商品やロゴにユニクロ、無印良品、ダイソーのテイストを取り入れた「パクリ」企業として長らく認知されてきた。
日本の色々な風味が混じっている名創優品
shutterstock.com
だが、店舗数が拡大するにつれ(現在は80カ国に3500店舗を展開している)、品質も向上し、最近は株式公開(IPO)の準備も進めている。
現地メディアの報道によると、名創優品は商品開発に年間1億元以上を投資。商品開発には1000人以上が携わり、プロジェクト立ち上げからわずか50日で新商品が店頭に並ぶという。
故宮宮廷文化とは6月10日に提携を発表。6月末まで「宮廷テイストの新商品」のアイデアをネット上で募っていたが、1カ月と経たずに商品発表にこぎつけた。
名創優品によると、同社はハローキティなど著名なキャラクターとのコラボを多く手掛けており、現在、コラボ商品が全体の3割前後を占めている。
(文・浦上早苗)