1969年7月20日、アポロ11号で人類は初めて月面に降り立った。
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- NASAのアポロ計画は、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、初めて人類を月に送り込んだ。
- 以来50年近く、人類は月に行っていない。しかしNASAは2022年までにロボットを月に送り、、2024年には有人ミッションを行うことを目指している。
- 1号〜17号まで、アポロミッションを振り返ってみよう。
50年前の今月、人類は初めて月面に立った。
1969年7月16日、NASAのアポロ11号は宇宙飛行士のニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズを乗せて大胆な冒険に出発した。
4日後の7月20日、アームストロングとオルドリンは月着陸船を月面に着陸させ、月面を歩き、アメリカ国旗といくつかの科学機器と彼らの足跡を月面に残した。
アポロ11号はしばしば歴史の教科書を独り占めする。だが、それ以前に行われた多くのミッションの成果で月面着陸は実現した。そして、その後のミッションも数々の成果をあげている。
NASAは月面に12人の宇宙飛行士を送り込んだ。以来およそ50年、アメリカの宇宙船は月に行っていない。
だが、まもなく変わるかもしれない。
2019年3月、マイク・ペンス副大統領は、アメリカは2024年までに宇宙飛行士を再び月に送ると述べた。初年度の予算は16億ドルと見込まれ、最終的には恒久的な月面基地を建設し、クレーターから氷を採掘し、火星探査のような、より野心的な宇宙探査のために水を分離して燃料を取り出すことが目的だ。
2018年11月、NASAは2022年までに月にロボット探査機を着陸させることができる9つのアメリカ企業と最大26億ドルの契約を結ぶと発表した。NASAは、月着陸船を購入したり、打ち上げや着陸などの責任を負わず、代わりに民間企業がこれらの課題に取り組み、NASAの実験機器を月に送り込むチャンスに賭けることを望んでいる。
NASAはその後、この計画の一環として、今年末までに月に打ち上げられる可能性のある実証用ペイロードを選定した。
新しい月ミッションが始まるまでに、人類を月に送り込むことに成功した1968年から1972年までのNASAアポロ計画を振り返っておこう。
アポロ1号のミッションは、宇宙船を地球低軌道に打ち上げることだった。しかしそれは悲劇に終わった。打ち上げ前のテスト中に起きた宇宙船の火災で3人の宇宙飛行士が死亡した。
ケネディ宇宙センターのサターン1号の前でポーズを取るアポロ1号の宇宙飛行士。左からガス・グリソム、エドワード・ホワイト、ロジャー・チャフィー。3人は日常的なテストの最中に起きた火災で死亡した。
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NASAは予定されていた有人打ち上げを延期。アポロ2号、3号と名付けられたミッションはなくなった。
火災で、宇宙船の内部は黒焦げになった。
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4、5、6号のミッションは無人で行われたが、有人ミッション再開のためには重要なものだった。1967年11月から1968年4月にかけて行われた。
フロリダ州にあるケネディ宇宙センター第39発射施設から打ち上げられたアポロ4号。
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1968年10月11日に打ち上げられたアポロ7号は、月を周回するために作られた宇宙船の最初の有人テストだった。またアメリカ人による初めての宇宙から生中継も行われた。
噴射を終え、切り離されたサターンS-IVB(3段目)。一度ロケットから離れ、方向を180度転換し、月着陸船とドッキングした司令船から撮影。
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1968年のクリスマスイブ、アポロ8号のジム・ラベル、ウィリアム・アンダース、フランク・ボーマンが月を周回した最初の人類となった。
アポロ8号が捉えた「地球の出」。
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アポロ9号のミッションは、地球低軌道を周回し、月面着陸に不可欠なすべての主要な要素をテストすること。月着陸船の最初の有人テストが中心だった。
1969年3月6日の船外活動中にハッセルブラッドを操作するラッセル・シュワイカート。
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1969年に行われた3つの有人ミッションの1つ目がアポロ10号。初めての月面着陸のための「ドレスリハーサル」と言われた。
1969年5月26日に南太平洋で行われたアポロ10号の回収活動。
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※ドレスリハーサル:本番の衣装で行う最終リハーサル
1969年7月20日、アポロ11号のニール・アームストロングが初めて月面に降り立った。世界中でおよそ5億3000万人がテレビ中継を見ていた。
月面に星条旗を立てる様子も中継された。
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アームストロングとオルドリンが月面を歩いた数カ月後、NASAはアポロ12号を月面に送った。
悪天候の中、打ち上げられるアポロ12号。
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アポロ13号は1970年4月11日、ケネディ宇宙センターから飛び立った。だがおよそ56時間後、重大なトラブルが発生した。
ミッションコントロールセンターのスタッフ。この数時間前、アポロ13号からトラブルの報告があった。1970年4月13日。
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翌1971年、NASAは再び月着陸に成功。1月31日、アポロ14号のアラン・シェパード、エドガー・ミッチェル、スチュアート・ルーザがケネディ宇宙センターから飛び立った。
1971年2月6日、アポロ14号のクルーが撮影した、クレーターの縁の大きな岩。
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アポロ15号では、月の地質を調査するために月面車を初めて使用した。
1971年7月31日、アポロ15号の最初の月面活動で月面車に乗る宇宙飛行士のデイビッド・R・スコット。
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アポロ16号は初めて月の高地を探査。
サンプルを収集するアポロ16号の宇宙飛行士チャールズ・デューク。
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アポロ17号は人類を月に送り込む最後のミッションとなった。
1972年12月、アポロ17号の宇宙飛行士ハリソン・H・シュミットと月面の米国旗。
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アポロ17号から約半世紀、NASAは宇宙飛行士を再び月面に送る作業を進めている。
NASAのジム・ブライデンスタイン長官。
AP Photo/Sue Ogrocki
(翻訳:Toshihiko Inoue、編集:増田隆幸)