実写版『ムーラン』(2020年3月公開予定)
Disney
- 来春公開予定のディズニーの実写版『ムーラン』について、中国のSNSには史実の不正確さを指摘する声があがっている。
- しかし、映画は話題になっている。バラエティによると、初の予告編に関連するハッシュタグは10億回以上閲覧された。
- 中国は大ヒット作にとって、国際的に欠かすことのできないエリアとなっている。中国は今後数年で世界最大の映画市場としてアメリカを上回ると予想されている。
来春公開予定のディズニーの実写版『ムーラン』が中国で批判を集めている。だが一方で大きな話題も呼んでいる。
バラエティ(Variety)によると、2020年3月に公開予定の『ムーラン』は7月7日、予告編を初公開。中国では史実の不正確さを指摘する声があがっている。
「ディズニーはもっと注意すべき。ただ福建土楼が美しいからといって、ムーランをそこに住まわせていいわけではない」と中国のSNS、微博(ウェイボー)のあるユーザーは述べたとバラエティは伝えた。
「ムーランは福建の人間ではない! このムーランは戦いに加わるために地下鉄に乗らなければならないのでは?」
『ムーラン』の舞台となった場所と時代には、福建土楼は存在しなかった。時代が1000年違う。
だが、どれだけ批判されても、中国での『ムーラン』のヒットに影響を与えることはないだろう。1998年に作られたディズニーアニメの実写版は明らかに注目を集めている。バラエティによると、ハッシュタグ「Hua Mulan」と「Mulan Trailer」は、予告編が公開されてから2日間で、それぞれ10億回以上閲覧された。
中国は大ヒット作にとって、国際的に欠かすことのできないエリアとなっている。Ampere Analysisの2018年11月のレポートでは、2022年までに中国は世界最大の映画市場としてアメリカを上回り、売り上げは120億ドルに達すると予測されている。
今年のディズニーの実写リメイク版は、これまでのところ『ムーラン』がもたらすと予想されているほどの興奮を生み出していない。
Box Office Mojoによると、中国において『ダンボ』は2100万ドルの興行収入をあげた。『アラジン』は現在までで5300万ドルをあげ、健闘している。
しかしディズニーは『アベンジャーズ:エンドゲーム』で中国において最高の収入をあげた。興行収入は6億1400万ドルに達した。
これは、マーベルシリーズは中国において、『スター・ウォーズ』と比較してもディズニーにとって貴重な財産であることを示している。『アベンジャーズ:エンドゲーム』のオープニングウィーク(興行1週目)の興行収入は、『スター・ウォーズ』シリーズのすべての作品のオープニング収入の合計を上回った。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』も同様に中国で力強いスタートを切っている。
(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)