スポーツと健康産業に関する展示会「SPORTEC」が7月9日〜11日に東京都内で開催された。会場で見かけた、スポーツテックデバイスを紹介する。
1. “侍ハードラー”為末大氏も参画のスマートシューズ
スタートアップ企業「no new folk studio (ノーニューフォークスタジオ)」が開発したスマートシューズ「ORPHE TRACK(オルフェトラック)」。
東京・渋谷にあるスタートアップ「no new folk studio (ノーニューフォークスタジオ)」は、7月1日から200足限定の試験販売を開始したスマートシューズ「ORPHE TRACK(オルフェトラック)」を展示していた。200足限定で、価格は2万9800円(税別)。2014年に設立された新興シューズメーカーながら、オリンピックで活躍した“侍ハードラー”の愛称で知られる為末大氏が、チーフ・スプリント・オフィサー、アドバイザーとして開発にかかわっている。
スマートシューズ「ORPHE TRACK(オルフェトラック)」の靴底にはセンサーが入っていて、ランニングなどスポーツ動作の衝撃にも耐えうる。取り出してUSBで充電可能。
2. フィンランド発の多機能スマートウオッチは運動だけでなく睡眠、呼吸も計測
フィンランドの「POLAR(ポラール)」が日本で7月19日に発売する高機能スマートウォッチ「POLAR IGNITE(ポラール・イグナイト)」。
フィンランドの「POLAR(ポラール)」は日本で7月19日に発売予定の高機能スマートウォッチ「POLAR IGNITE(ポラール・イグナイト)」(税別2万7800円)を展示していた。
内蔵のGPS機能で、ランニング、サイクリング、外でのワークアウトにおける速度、距離、ルートを計測できる。また、睡眠や呼吸の計測機能がついている。アプリを通じて、自身の睡眠について分析でき、計測データを元にスコア化される。
担当者は世界的にも日本国内でもスマートウォッチ市場の拡大を感じるという。
「アップルとシャオミがグローバルシェアで大きいですが、市場規模もそうですし、台数、金額ベースも伸びている、平均単価も伸びている。国内も伸びている。前年と比べて2桁%以上のびています。2020年ごろから市場が爆発的に伸びるだろうという予測も出ています」(ポラール担当者)
3. ソニー関連会社の「スマートテニスセンサー」
ソニーネットワークコミュニケーションズは、テニスラケットのスイング解析などができる「スマートテニスセンサー」を用いたシステム「スマートテニスレッスン」をアピール。
ソニーネットワークコミュニケーションズは、テニスラケットのスイング解析などができる「スマートテニスセンサー」を用いたシステム「スマートテニスレッスン」をアピール。
スマートテニスセンサー自体は2014年に一般消費者向けに発売していたが現在は終了。2017年からテニス教室向けに同システムを発売している。
「大手フィットネスジムのテニス教室に採用されたりしています。このセンサーを埋め込んだラケットを使うことで、自分のスイングを解析でき、スマートフォンのアプリを通じて確認できます」(担当者)
システムを導入している教室にいけば、自分のラケット(主要メーカーに対応)にセンサーを装着して、データ解析をベースにしたトレーニングに役立てられる。
「スマートテニスセンサー」は主要ラケットメーカーに対応。着脱可能だ。
このようにグリップの一番下の部分に装着して使う。
4. 韓国のメーカーもスマートシューズメーカーで日本市場進出
韓国の「salted venture」のスマートシューズ「salted」。
もともとIT企業だったという韓国の「salted venture」社は、スマートシューズ「salted」を展示。同製品を用いたゴルフ、トレーニング、フィットネス向けの無料アプリをも配布しており、シューズとアプリを活用してフォーム改善やトレーニング効果の向上など支援する。韓国やアメリカですでに発売していて、日本での発売を見込んで今回出展した。今秋には日本でも拠点を構える予定。担当者によると、シューズの現地価格は約3万円だという。
「大手シューズメーカーからもスマートシューズは出ていますが、簡易的なものです。我々の商品は中にあるセンサーを通じて、足底のどこに力がかかっているのか確認できます。また、スマートフォンのアプリを通じて、運動時、例えばスクワットの時とかの自分の姿勢を確認でき、正しい姿勢をスマホで映して指導してくれます。
基本的にはフィットネスジム向けを狙っていますが、個人向けも狙っています。展示ブースに訪れてくれた企業には病院関係者が意外と多かったですね」(担当者)
スマートシューズ「salted」を展示した韓国の「salted venture」。
アプリを使って足底のどこに負荷がかかるかも分析できる。
スポーツテック番外編
5. 日焼けマシンでも電子マネー?
日焼けマシン機器大手「サンライズジャパン」は日焼けマシンを展示していたが、同時に電子マネー決済対応もアピールしていた。
日焼けマシン機器大手「サンライズジャパン」は、電子マネー決済対応の日焼けマシンシステムを参考展示。担当者によると、使用する際の交通マネーカード等によるタッチ決済はすでに準備中で、QR決済の対応も検討中とのこと。
「現時点ではまだ(正式導入は)決まっていませんが、試験的にやってみようと思っています。マシンを使用する方は小銭とか持ち歩くのを嫌がるので、こういった需要があるかなと思っています」(担当者)
タッチ決済やQR決済に対応。
スポーツビジネス業界はこの数年で急速に盛り上がっていて、またIT分野を活用した一般消費者向けの商品も続々登場している。これまでになかった新しいスポーツウェアラブル、ITを活用したサービスもさらに登場していくかもしれない。
(文、写真・大塚淳史)