左から、ジョー・バイデン候補、バーニー・サンダース候補、カマラ・ハリス候補。
AP Photo/Wilfredo Lee
- アメリカでは2020年の大統領選の民主党候補指名をめぐり、20人以上が立候補しているが、事実上、5人の争いとなりつつある。
- 世論調査や献金といった現実的な観点から、ジョー・バイデン候補、バーニー・サンダース候補、エリザベス・ウォーレン候補、カマラ・ハリス候補、ピート・ブティジェッジ候補が戦いをリードしている。
- 他の候補者たちは、予備討論会の参加条件をクリアするために必死だ。
2020年の大統領選でトランプ大統領から政権を奪い返そうと、民主党候補に名乗りを上げた候補者の数は、記録的な多さだ。現時点で25人が立候補しているが、現実的な観点から見れば、ジョー・バイデン候補、バーニー・サンダース候補、エリザベス・ウォーレン候補、カマラ・ハリス候補、ピート・ブティジェッジ候補の5人程度の争いだ。
それぞれの世論調査が示すのは(それが全国を対象にしたものであれ、特定の州を対象にしたものであれ)、事実上ごく一部の候補者の戦いとなりつつあることだ。
そしていずれの調査でも、フロリダ州マイアミで6月に行われた最初の予備討論会以降、多少、勢いが落ちているもののバイデン候補が圧倒的にリードしていて、ハリス候補、サンダース候補、ウォーレン候補がこれを追う形だ。無名だったブティジェッジ候補も躍進している。
RealClearPoliticsの世論調査まとめでは、バイデン候補を上回った候補はいない。サンダース候補を上回った候補もこれまではいなかったが、6月の予備討論会のあと、ウォーレン候補とハリス候補が上回った調査もあった。
ブティジェッジ候補も、9月の予備討論会の「党が認める4つの世論調査で少なくとも2%の支持を得る」という条件をクリアするために他の候補者たちが苦戦する中、5%以上の支持を得ている。テキサス州選出の元下院議員、ベト・オルーク候補は、初めこそ健闘していたものの、ここ数カ月は支持が広がっていない。
同じことが、献金にもあてはまる。ごく一部の候補者が四半期ごとに数百万ドルもの献金を集める一方で、残り大半の候補者は予備討論会の参加条件をクリアするのに必死だ。
もちろんこうした候補者たちにも、予備討論会で素晴らしいパフォーマンスを見せたり、その他の手段を通じて注目を浴びることで、支持を拡大する時間はまだ残されている。だが、民主党候補指名をめぐる戦いはすでに少人数の上位集団とその他大勢の下位集団とに分かれているようだ。
2016年の共和党候補指名をめぐる戦いも同じような状況だった。
16人が立候補したが、わずか数人の候補者が群を抜いていた。投票が始まる頃には事実上、ドナルド・トランプ候補(当時)、テキサス州選出の上院議員テッド・クルーズ候補、フロリダ州選出の上院議員マルコ・ルビオ候補、オハイオ州知事(当時)のジョン・ケーシック候補の戦いだった。
2020年2月に予定されている最初の党員集会および予備選挙までには、いろいろなことが起こり得る。だが、民主党の上位5人の候補者が世論調査でも献金でも現在のリードを維持するようなら、多くの候補者が国中を飛び回って資金を使い尽くし、結局脱落した2016年の共和党候補指名の争いと同じようなことになる。
※一部表現を改めました(2021年1月14日8:20)。
[原文:There are 2 dozen 2020 Democratic presidential candidates, but it's really only a 5 person race]
(翻訳、編集:山口佳美)