楽天は、グループの事業を集めた年間最大のイベント「Rakuten Optimism 2019」を2019年7月31日(水)から8月3日(土)までの4日間、パシフィコ横浜で開催する。
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楽天は2019年7月31日(水)から8月3日(土)までの4日間、パシフィコ横浜で「Rakuten Optimism 2019」を開催する。高速通信規格「5G」時代のサービスやスポーツ、エンターテインメントを体験できるイベントや、オンラインモール「楽天市場」出店店舗を集めたフェスティバル、5Gをテーマにしたビジネスカンファレンスを実施。最終日にはYOSHIKIによるライブパフォーマンスも予定している。
2019年以降本格的なサービスの開始が検討されている「5G」によって社会やビジネス、そして楽天グループのサービスはどう変わるのか?近未来を体感できる夏のイベントに出掛けてみよう。
グローバルのビジネスリーダーが登壇
カンファレンスには三木谷浩史会長兼社長も多くのセッションに登壇する。三木谷氏が描く楽天グループのビジネスの未来も必聴だ。
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国内外約50名の起業家や著名人が登壇する4日間のビジネスカンファレンスのオープニングキーノートには、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長が登壇。5G時代の到来によって社会がどう変革していくのか、そのなかでの楽天グループの強みとビジョンを語る。
Day1:「5G×フィンテック 、通信」(7月31日)
Day2:「5G×ライフスタイル、モビリティ、ブランディング」(8月1日)
Day3:「5G×医療、スポーツ&エンターテインメント」(8月2日)
Day4:「楽天証券セミナー」(8月3日)
各日程とも、各界のビジネスリーダーや著名人が描く未来像を聞けるチャンスだ。その一部をご紹介しよう。「フィンテック 、通信」分野で注目のパネルディスカッションは、「5Gがもたらすネットワーク社会の変革」。ノキアのプレジデント、バスカー・ゴーティ氏をはじめ、シスコやNECなど最先端技術の担い手が、未来像を描く。
「医療」のセッションでは、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授、米国立がん研究所の小林久隆主任研究員、南カリフォルニア大学エリソン・インスティテュート創業者兼CEOのデイビッド・B・エイガス氏、そして三木谷氏が「医療最前線:がん治療の革命児たち」について語る。小林氏の研究成果である光免疫療法は「第五のがん治療法」とも言われる注目分野の一つ。三木谷氏は2016年に小林氏らの医療ベンチャー、アスピリアン・セラピューティクス社に個人で出資するなど支援してきた経緯がある(2019年2月に同社の社名を楽天メディカル社に変更)。今回のセッションでは、最先端医療の担い手たちが一堂に集まる機会だけに、その内容に注目したい。
京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授(右)と、米国立がん研究所の小林久隆主任研究員(左)。2018年の新経済連盟主催の新経済サミットで。
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「モビリティ」のセッションには、エア・アジアの共同創業者トニー・フェルナンデス氏が登場。同氏は経営難の航空会社を約0.25ドルで買収し、わずか2年で経営状態を好転させ、アジア最大規模のLCCへと成長させたことで知られる。アジアで最も有名な起業家が語る「トラベル×テクノロジー×メンバーシップ」は、ぜひ聞いておきたいセッションだ。
「ブランディング」のカテゴリーでは、「世界を掴むブランド戦略」と題し、放送作家の小山薫堂氏や、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が登場。世界の第一線で活躍し続けてきたクリエイターと三木谷氏の鼎談も貴重な機会だ。一方、アートディレクターの増田セバスチャン氏、タレントの千秋氏は「5G時代のセルフブランディング」をテーマに対談する。SNS時代に成功する二人のセルフブランディングの秘訣を聞いてみたい。
暮らし、スポーツ、エンタメ……5Gで変わる近未来を体験
楽天グループが運営しているサッカーJリーグの「ヴィッセル神戸」。今回のイベントでは「ヴィッセル神戸」に所属するダビド・ビジャ選手と山口蛍選手とバーチャルなパスのやりとりが体験できる。
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体験型イベント&フェスティバル「フューチャー・ワールド」は、4日間をとおして入場無料で開催。5Gの世界観を体験できる「近未来体験エリア」や、「楽天市場」の出店店舗が集まる「うまいもの&いいものまつり」、「楽天ふるさと納税」で取り扱っている返礼品を実際に味わうことができる「全国ブランド牛フェス」、「全国お酒フェス」など、未来の技術からご当地グルメまで幅広く楽しめる。
「近未来体験エリア」には5G技術が可能にする近未来のインターネットサービスやスポーツ、エンターテインメントのソリューションを展示。楽天が提供する「5G時代体感ブース」では8KのVR映像を使い、臨場感たっぷりにスポーツ観戦体験ができるコーナーを設置する。イベントの前の週に行われる「Rakuten CUP」の「FCバルセロナ」の試合を実際に観戦してみたい。
そのほかにもサッカーJリーグ「ヴィッセル神戸」所属のダビド・ビシャ選手(2010年FIFAW杯得点王)と山口蛍選手(サッカー日本代表)とバーチャルなパスのやりとりができるアトラクションなど、さまざまなコンテンツが揃う。さらに、楽天の技術部門や5Gのパートナー企業も参加し、5G時代のライフスタイルやショッピングを体験できる展示を用意。近未来の生活や、それを支える技術をイメージしやすい形で解説する。
「フューチャー・ワールド」のグルメエリアでは、5Gとかけた500gのパティを使ったハンバーガーや、5つの薬味で楽しめる越前おろしそばなど会場限定のメニューが用意されている。日本全国のふるさと納税返礼品の中でも、特に高い人気を誇るブランド牛と名酒も登場。串焼き、炭火焼き、牛肉コロッケのほか、各地名酒の飲み比べや60種類以上の焼酎の無料試飲など、ご当地グルメを堪能できる。
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決済手段も、楽天グループの持つサービスを活用し、物販、飲食エリアでの決済方法は完全キャッシュレスとした。楽天グループはクレジットカードの「楽天カード」や電子マネーの「楽天Edy」、スマホアプリ決済「楽天ペイ(アプリ決済)」、「楽天スーパーポイント」を用いた決済などさまざまな決済手段を持っている。それらに加え、会場では交通系電子マネー「Suica」などにも対応する。なお、同イベントでは「楽天ペイ(アプリ決済)」での支払いを対象に55%のポイントバックキャンペーンを実施する。
楽天ペイメントの中村晃一社長はキャッシュレス化のメリットについて、「お客さまにとっては利便性の向上に加えて、ポイントがたまるのも魅力。店舗側にとってはレジでの対応時間の短縮、つり銭の間違いの防止、閉店作業の簡略化に繋がる」と強調する。今回のイベントでは顔認証で即時決済ができる体験ブースなども用意しており、中村氏は「半歩先のキャッシュレス社会を体験してもらえれば」と話した。
このタイミングで大規模イベント開催。その理由とは
楽天常務執行役員 チーフマーケティングオフィサーの河野奈保氏は「グループのサービスを総動員して認知を高めることで、クロスユース率の向上をめざす」と話した。
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「Rakuten Optimism 2019」は、これまで楽天が開催してきたイベントの中でも最大規模になる。同社は従来、楽天市場、楽天トラベル……といった事業ごとにイベントを開催することが多かった。なぜ、このタイミングでグループを横断してイベントを実施することにしたのか。楽天常務執行役員 チーフマーケティングオフィサーの河野奈保氏は「楽天ユーザーの7割が、楽天グループが展開する2つ以上のサービスを利用している」と話す。楽天は2019年10月には移動体通信事業者(MNO)としてサービスを開始する計画を発表している。グループが展開する各事業を集めて消費者に訴求することで「楽天市場、楽天トラベル、通信事業の他にもこんなことをやっていると知ってほしい。楽天グループのエコシステムを知ってもらうきっかけにし、クロスユース率を高められれば」(河野氏)と期待を込めた。