グノシー創業者・現CEOが語る「ブロックチェーン子会社をMBO」した理由

グノシー創業者・現社長

Business Insider Japanの取材に応じた、グノシー創業者の福島良典氏(右)と現グノシーCEOの竹谷祐哉氏。

撮影:西山里緒

ニュースキュレーションアプリを手がけるGunosy(グノシー)は、ブロックチェーン関連事業を手がける連結子会社のLayerXを、同社社長でグノシー創業者でもある福島良典氏にマネジメント・バイアウト(経営陣による買収、MBO)で事業譲渡する。

なぜ今なのか?キーマンの現グノシーCEOの竹谷祐哉氏と福島氏がBusiness Insider Japanのインタビューに答えた。

ブロックチェーン市場で「次の一手」を模索

LayerXは金融系ベンチャーのAnyPay社と50%ずつ出資して設立されたジョイントベンチャー。福島氏によるMBOのタイミングで、AnyPay社の保有する全株式も福島氏に譲渡され、グノシー社は5%を引き続き保有する。

両氏によれば、MBOの話し合いを始めたのは2019年の年明けごろ。「ブロックチェーンをめぐる事業環境が悪くなっているという印象がある」(竹谷氏)中で、LayerXの新たな経営陣の構成を考えてきたという。

「(一部で言われているようだが)ケンカ別れという話では全くない。両者の今のシチュエーションでどういう形が一番いい選択肢なのかを考えた」(竹谷氏)。

福島良典氏

「(ブロックチェーンの市場が確立するまでに)時間はかかるな、という感覚」(福島氏)

撮影:露原直人

一方で、ブロックチェーンという新たな領域での戦略については「勝ち筋は見えていない。具体的な戦略は考えている最中」(福島氏)とも。不透明な市場で“次の一手”をスピード感をもって模索するための独立、という構図も見え隠れする。

福島氏は、ブロックチェーンが浸透するまでには数十年という時間がかかってもおかしくない、という見立てだ。その中で「機動的に動けないと、生き残ることすら危うい」という焦りがあったと明かした。

「スマートフォンは、この7〜8年くらいで市場が一気に拡大したが、インターネットという単位で見れば(市場が広がるまでに)30年はかかっている。ZOZOのように、20年前からやっていたけれど(今)すごくいいポジションにいる、という会社もある

竹谷氏も「株式を保有している立場としては(子会社が)飛んでしまうと経営責任を問われる話」。その中で、株式の一部を保有した上で事業譲渡することは「当社の着地点としては悪くないのかな」と説明した。

今後、福島氏はグノシーの取締役を退任するが、竹谷氏は「経営体制交代はできたかなという感覚」と自信を見せる。

実際、グノシー本体の事業は好調だ。

2019年5月期のグノシーの決算資料によると、売上高は前期比34%増の約150億円、営業利益は同18%増の約23億円と伸びた。2020年5月期は、再成長のため38億円規模(2019年5月期は24億円)の大規模な宣伝費投入を予定。それに伴い、営業利益は前期比6割減と大幅な減益を予想するが、2021年5月期ではさらなる成長を見込む。

グノシーとLayerXの「分離」は、2人の若手経営者が次のフェーズへ向かうために下した合理的な決断、ということなのだろう。

なお、今回のMBOに伴い福島氏がグノシーの取締役から退任するという報道を受け、株価は一時1割強低い水準になったが、その後株価を戻した。7月17日の終値は、退任報道直前の12日の終値より140円高い、1879円をつけた。

(文・西山里緒)

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