ネットフリックスで燃え尽き防止? 専門家が解説する、テクノロジー依存とその対策

スマホ画面を見る人

ミレニアル世代は、ネットフリックスを見ることで、バーンアウトに立ち向かおうとしている。

Maskot/Getty Images

ミレニアル世代「バーンアウト世代」だ

若者の精神療養を行っているYellowBrickの最新調査によると、バーンアウトに立ち向かうために、彼らは動画配信サービスのネットフリックスやフールー(Hulu)を頼りにしているという。この調査は23~38歳の2000人以上のアメリカ人を対象に、バーンアウトについて尋ねたものだ。

バーンアウトにどう対処しているか尋ねたところ、回答者の16%は「ネットフリックスやフールー、テレビを見る」と答えた。「寝る」「運動をする」と答えたのがそれぞれ10%で、以下「アルコールを飲む」(9%)、「ドラッグを使う」(8%)、「瞑想する」(8%)、「ネットサーフィンをする」(7%)、「友人や家族と話す」(5%)と続いた。

ペース大学のデジタル・メディア・アンド・サイコロジー・ラボを率いる心理学者、レオラ・トラブ博士は、ネットフリックスを見るのは、悪い対処戦略ではないと、Business Insiderに語った。対処メカニズムとして、気晴らしと娯楽の両方を提供するという。

だが、この対処戦略が健康的かどうかは人によると、トラブ博士は指摘する。結局のところ、程度の問題なのだ。

テクノロジーを使ってテクノロジーと距離を置く

ミレニアル世代があるテクノロジーを使って、別の類のテクノロジーと距離を置こうとしていることは、ますますつながりが強まっていくこの世界を象徴している。そして、これが"問題ある習慣"になっていると、トラブ博士は言う。ネットフリックスで1話見ると、次から次へとシリーズを一気見することになる得るからだ。

「一歩退いて、(ネットフリックスやテレビを見ることと)自分の関係性を見つめ、その関係性をどうしたいか考える材料を自分の中に見つけなければならない」と、トラブ博士は言う。その没入感の強さから、テクノロジーと健康的な関係を築くには努力が欠かせないと、博士は指摘する。

その上で、トラブ博士は「一般的に、若い人たちはものに対する自身の反応を予想するのがあまり得意でない。テクノロジーなしで自分を養っていくのに必要なスキルを育てる機会を、わたしたちはもはや与えられていない」と述べた。

これまでドラッグやアルコール依存に使われてきた基準が今、テクノロジーに使われていると、トラブ博士は言う。だが、博士はテクノロジー依存を食べ物への依存になぞらえた。テクノロジーは「全ての人のためにあるもので、全ての人が日々の生活のためにある程度使う必要のあるもの。魅力的かつ抵抗し難いものだ」と、博士は述べている。

重要なのは、テレビとの関係づくり

ネットフリックスや同様のサービスはアクセスが良いため、その使用を制限するにはかなりの自己統制が必要だ —— 特にストレスを感じているときには —— と、トラブ博士は指摘する。

博士は、テレビも以前より刺激的になってきていると言う。1980年代の番組には、今日の『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』といった番組ほどのドラマや刺激はなかった。エンターテインメントの質が高まったことで、気を付けないと"もう1話だけ"が睡眠にとって問題になり得ると、トラブ博士は言う。

「ネットフリックスの使用をコントロールする、もしくは程々にしておくこと、ネットフリックスとの良い関係を築くことは難しい」と博士は言い、「テクノロジーは一気見したくなるようにできている —— オフにできるかどうかの戦いは、あなた次第だ」と語った。

Business Insiderは以前、医学雑誌『Journal of Clinical Sleep Medicine』に掲載されたある研究を引用して、一気見は健康に悪影響を及ぼし得ると報じた。この研究は、一気見が睡眠の質を低下させ、疲労感を増すことで、パフォーマンスや認知思考、免疫システムの変化につながり、心疾患やがんのリスクを高めるとした。

この研究を行った研究者らは、一気見を一切止めることを期待するのは非現実的だが、"ベッドに入る1時間前には見るのを止める"とか"週末だけにする"といったルールを決めるよう、アドバイスした。しかし、バーンアウトの対処メカニズムとして使われる場合、仕事で疲れた長い1日の終わりに、ベッドに入る前にストリーミング・サービスやテレビを見ることになる —— だからこそ、自己統制が必要なのだ。

トラブ博士は「自分の意思に沿って行動できる人にとって、これは悪いことではない」とし、「誰にでも弱みはあるし、テレビは問題ない」と述べた。

[原文:Millennials are turning to Netflix to cope with burnout, and it highlights the similarities between technology addiction and food cravings]

(翻訳、編集:山口佳美)

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