発火事件の挽回なるか、社運占うGalaxy S8が間もなく発売

サムスンモバイルのCEO、DJ・コー氏

サムスンはGalaxy Note 7の発火事件以降、初めての新機種「Galaxy S8」を発売する。

REUTERS/Brendan McDermid

サムスンは今週、同社の今後を占う節目を迎える。

同社の最新のフラッグシップモデル「Galaxy S8」は21日に一般発売が始まる。同社の評判を落とし、企業価値を170億ドル(約1兆8500億円)下落させた「Galaxy Note 7」の発火事件以降、初めての新機種発売となる。

Galaxy S8の評価は、今のところ極めて高い。

デザイン面では、Galaxy S8は両エッジが曲面になった、美しいディスプレイが前面を覆っている(同社は「Infinity Display」と呼んでいる)。

大きなディスプレイにもかかわらず、ボディは軽く、スリムで、iPhoneが分厚く見える。Galaxy S8は今のところ、2017年のベストスマートフォン候補と言える。

しかも、便利なワイヤレス充電や最高レベルのカメラなど、競合他社を上回る最新機能を搭載している。昨年の失態が記憶に新しいとはいえ、Galaxy S8は、汚名返上に大きく寄与するだろう(もちろん、また発火事件が起きなければの話だが)。

販売開始に先立って懸念もある。同社は4月11日火曜日、新しい音声アシスタント「Bixby」が、リリースに間に合わないと発表した。数週間前のデモで正常に機能しなかったことを考えれば、妥当な判断と言えるだろう。しかしこれにより、Amazon、アップル、グーグルなどが強力に推進している音声アシスタント機能において、同社が遅れを取っていることが明らかになってしまった。

Bixbyを開発するというサムスンの決断は、当初から理解に苦しむものだった。S8は、アンドロイドOSに搭載された優れた音声アシスタント機能「Googleアシスタント」を使えるからだ。1つの端末に2つの音声アシスタント機能があるのは、ユーザーを混乱させる恐れがある。

ソフトウェアアップデートを行い、Bixbyが正式にローンチするまで、本体の側面にある専用ボタンは何の役にも立たない。昨年の失態を挽回するためにユーザーを驚かせたかったサムスンにとっては、新たな痛手だ。

とは言うものの、Galaxy S8はおおむね期待通りのものと言える。同社は、S8の売り上げ見通しについて特にコメントしていない。しかし、アメリカでの先行予約は、昨年のGalaxy S7を上回っていると述べた。

個人的な意見だが、ほとんどのユーザーが、比較的小さなソフトウェアの問題よりも、Galaxy S8の革新的なハードウェアとデザインを評価するだろう。率直に言うと、iPhoneが古臭く思える。

[原文:It's a make-or-break moment for Samsung with the launch of the Galaxy S8

(翻訳:Wizr)

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