墜落する直前のコックピット(左)と環礁に墜落したニューギニア航空のボーイング737
PNG Accident Investigation Commission/AIRBOYD/Lt. Zach Niezgodski /U.S. Navy/Handout via REUTERS
- 2018年9月、ミクロネシアのラグーン(環礁)に墜落した飛行機のコックピットから撮影された動画には、機体が海面に近づき、墜落する瞬間が映っている。
- この事故で乗客1人が死亡、他の乗客と乗組員は救助された。
- 7月18日(現地時間)に公開された事故調査報告に記載された動画は、コックピットで整備士が携帯電話で撮影。飛行機の警報システムがアラートを発し、パイロットは「低すぎる!」と叫んだ。
- 動画は、飛行機が海に墜落した直後に終わる。報告書は、動画は調査官にとって「極めて重要な情報源」と記した。
2018年9月、ミクロネシア連邦でボーイング737の墜落事故が発生、コックピットから撮影された恐ろしい映像には、飛行機が高度を落とし、ラグーン(環礁)に墜落する瞬間が映っている。
7月18日(現地時間)に公表された事故調査報告書に記載された動画は、コックピットの補助席に座っていた整備士が携帯電話で撮影。パイロットが機を操縦している様子が映し出され、その後すぐ、警報システムが地面に近すぎるとアラートを発する様子が映っている。
「高度が低すぎる!」と1人のパイロットが飛行機が海に墜落する直前に叫ぶ。その後すぐにビデオは終わる。
映像はこちら(音声はない)。
飛行機はニューギニア航空のボーイング737、ミクロネシア連邦のポンペイからチュークまで行く途中、チューク国際空港近くのチョーク環礁に墜落、乗客1人が死亡した。
事故調査委員会によると、飛行機は視界不良で計器に頼らざるを得ない天候の中、滑走路から1500フィート(約460m)外れ、最終的には約98フィート(約30m)の海底に沈んだ。
パプアニューギニアの事故調査委員会の最終報告書によると、乗客34人と乗組員12人が地元のボートとアメリカ海軍のダイバーによって救助されたが、乗客6人が重傷を負った。
亡くなった乗客1人の遺体は墜落から3日後に発見された。報告書では、病理学者がその乗客はシートベルトを着用しておらず、頭部に鈍的外傷を受けたと結論付けた。
報告書によると、パイロットは地面に近づきすぎているという警告に対応せず、着陸時のチェックリストにも従わなかった。
ミクロネシアのチューク国際空港の近くに墜落したニューギニア航空機から、アメリカ海軍のダイバーと地元のボートが乗客を救助。
Lt. Zach Niezgodski /U.S. Navy/Handout via REUTERS/File Photo
報告書は、副操縦士は状況をモニターし、操縦士をサポートしていたが、「効果的ではなく、急速に展開する危険な状況に追いついておらず」、機をコントロールするべきだったと記した。
報告書には、操縦士、副操縦士、どちらの名前もなかった。
報告書によると、補助席に座っていた整備士は「レクリエーションの目的で、自分のスマートフォンを使って」動画を撮影した。動画は「主にコックピットの計器を映していた」が「衝撃で突然、終了した」。
「スマートフォンは事故にも壊れず、コックピットの環境と計器の鮮明な画像を提供した」と報告書は記した。
そして、調査官にとって「極めて重要な情報源」と付け加えた。
(翻訳:Toshihiko Inoue、編集:増田隆幸)